大阪・広島・静岡3大お好み焼き名店対決 in 東京

語れば必ずやご当地論争が始まってしまうというほど、ソウルフードとしてのこだわりを持つ人が多いお好み焼き。今回は大阪・広島・静岡と、色濃い特色を持つ3県発の東京にあるお好み焼き店をご紹介。鉄板から立ち上るソースの香り、ゆらゆら揺れるかつお節の色香にノックアウト必至だ!

豚プチトマトチーズは大葉も入っており、彩りはまるでピッツァ!

【大阪】戸田亘のお好み焼 さんて寛

六本木

大阪の名店『きじ』を東京で展開する戸田 亘氏が、大阪の食文化・お好み焼きをもっと自由に、と始めた新店。生地や焼き方は『きじ』と同様だが、メニューには新しい味がバリエーション豊かに並ぶ。

今回紹介する一品は軽井沢から届くプチトマトと、チーズを、どこを切っても顔を出すほどたっぷりと加えたお好み焼きで、加熱したトマトの果肉ととろけたチーズがなんともジューシー! そして、ソースとは意外なほど好相性なのである。

さらに、「豚玉の極意は豚肉から出た脂を一枚に閉じ込めること」という通り、生地を焼くときにはヘラでところどころに穴を開け、豚肉から出る脂をまんべんなく吸わせる。こうすることで中がふわっと軽く、さらに焼き込むことで外側がカリッと焼き上がるのだ。

仕上げのソースは2種類。辛口のサラサラソースを塗り、野菜がふんだんに使われてとろみのある甘口ソースを重ねる。味に奥行きがあるのはこのせいか。濃厚だけれどどこか上品さを醸すお好み焼きなのである。

もともと裏メニューだったスジポン浅漬けのせは、分厚いスジを使った人気の「スジポン」に白菜の浅漬けをのせたもの

鉄板名人が満を持して提案するオリジナルお好み焼きをお試しあれ!

豚玉にはロイヤル三元豚を使うなど、食材は全て国産で上質なものを

【大阪】お好み焼き 瀧

大井町

ピカピカに磨き上げられた店内と整頓された厨房には、店主・瀧村希未絵さんの人柄がよく表れている。働き者で、てきぱきと鉄板料理をさばき、楽しく客相手。大阪のお母さんそのもののような彼女を慕って店に通う人も多い。

間近でお好み焼き作りを見ていると、驚くのは生地の少なさ。山盛りのキャベツとねぎに対し、生地は大さじ1杯くらいしか使わない。「ほぼ野菜炒め! ?」と思うようなバランスの野菜とタネが、やがて見事に、分厚い大阪風のお好み焼きになっていく様子は壮観だ。

焼き上がったお好み焼きは3cmはあろうかという厚さにふんわりと立ち上がり、キャベツとねぎの味が甘やかに広がる。少量の生地には大和いもを使っているので、その力強い粘りが全体をつないでいるのだ。

ソースはおたふくソースの関西風お好み焼きバージョンを使用。仕上げには「マヨネーズはかけます? 嫌いな人もいるからね」と声をかけてくれるのはさすがの気配りだ。ひとり忙しく働く瀧村さんなので、ビールは瓶を手酌で。お好み焼きも会話も楽しい一店。

手前は「アサヒ製麺」特注の二度蒸し麺を使った焼きそば(いか)、奥は、鉄板焼きの海鮮ミックス。魚介は老舗「魚春」から

店主の瀧村さんは気配りの人。温かい人柄もこの店の魅力のひとつだ

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