2015.05.22
編集・鮓谷の東京“コスパ”カレンダー Vol.4手始めに、『THIS IS NOT A DINNER』
泣く子も黙る、ドン ペリニヨン醸造最高責任者“リシャール・ジェフロワ”。そして世界一のレストランの称号を5度得て、2000年代の最優秀シェフに選ばれた“フェラン・アドリア”。このふたりが、なぜか目前にいます。ヤバい、オーラに圧されて吹き飛びそうです。
わたくし、ただいま、このおふたりがコラボするということでお話を聞くために、虎ノ門ヒルズにやって参りました。
リシャール氏とフェラン氏が目指すものは、ひとことでは言えないのですが、ざっくりいうと……、最高峰におり、かつ、想像力と創造性において完全なる意識の共通言語をもつふたりが(フランス語圏とスペイン語圏のふたりですが)お互いの豊かな可能性を信じ、
「なんか一緒にやったらおもしろくない?」
「そうだね、やろうか」
という感じで始まったような、とてもシンプルでいて、狂おしい希求から生まれたものではないか、とふたりの話を聞いていて思いました。
天才同士のGO WEST(西部開拓時代)ならぬ、GO NEXTの気概をビンビンに感じるわけですね。
全然ざっくりじゃないですね。
いちばん面白いなと思ったのは、リシャール氏が「ドン ペリニヨンが創造的であることは期待されていない」と、はっきりと言ったこと。土着性、気候、土壌、そんなテロワールに忠実であること、それがドン ペリニヨンに期待されていること、そしてそれがドン ペリニヨンそれたる所以である、と。しかしながら、リスクを冒すことを恐れないというのも、ドン ペリニヨンであるわけです。
「我々は成長することを常に模索する。そしてその境界線を押し出して、可能性を広げ続ける。そのために必要なのは彼。クリエイティビティといえばエル・ブリのフェラン氏である」
そのことを冒頭でとても丁寧に熱を込めて語ったのです。
それに答えて、フェラン氏も「クリエイティビティのおかげで、今日の世界がイノベーションされてきた」と応じます。
「今日という一日は何千ものプロセス(通常の意味は過程、ですが、ここでは過程において選択しなくてはいけないというのが重要になってくるため、選択と読み解きます)とプロジェクトによって、構築されている」
「例えば、今朝の朝食でクロワッサンを食べたとしましょう。朝食にクロワッサンを食べようとそのクロワッサンを買ったところからプロジェクトは始まっているんです。クロワッサンと合わせる飲み物、あなたはコーヒーかもしれない、あなたはミルク、あなたはカフェオレ、そして先にクロワッサンを食べる、クロワッサンを食べながらミルクを飲む、全部食べ終わってからコーヒーを飲む、そんなプロセスを少し変えただけで、同じクロワッサンが全く違う体験になる」
あ、寝そうになってらっしゃいましたね?????????????????????
ちょっと待って!!!!!!!!!!
これこそがいちばんの本懐ですから、ぜひもう少し、お付き合いをば。
そのプロセスを変えただけで同じものが全く違う体験になる、これこそが、今回ふたりがもくろんだ壮大な仕掛けなのです。
リシェール氏のドン ペリニヨン最新ヴィンテージ2005年と、創造の限りを尽くしたフェラン氏の6種類のSNNACKS(スナック)を、プロセスを変えて、五感で体感する。
全然、違う! この驚きを与えたいがための、ふたりのサプライズ。
だからこそ、『THIS IS NOT A DINNER』と謳うわけです。
その夜の感動は、大槻編集長のブログで味わってください。
と、ここまで読ませといて、続きはブログで、ってホッピングさせるんか~い!ズコー!みたいに、
さ
せ
ま
せ
ん
!
よ
!
このディナー、今世紀最大の一夜限り! スペシャルディナー! だと思われていたのですが、なんと2015年6月以降、東京・虎ノ門ヒルズ1階にオープンした『Pirouette』で楽しめるそうなのです!!!!!!!!
今回のディナーでも『Pirouette』がキッチンとサービスのサポートメンバーに選ばれ薫陶を受けたとのこと、この夜とたがわぬ経験が約束されています。
ここでお金を使わずして、どこで使うの! ってクレジットカードに言い聞かせながらでも伺いたい、そして、体験すればGO NEXT俺の舌、そんな経験が得られます。
ただの美食体験ではない、また新たな境地が開ける経験が得られるので、コスパは御墨つき。
最後に……、
ふたりで創造する意義とは、という問いにフェラン氏はこう答えました。
「We have own Back ground to create, to share」
“我々には創造すべき、そして分かち合うべき背景(人生)があるから”
これ、いま価値観の違いで別れようとしている恋人同士に聞かせてあげたいですね、耳元で。やっぱり違うことを楽しむことが、限界の境界線を押し出す突破口、クリエイティビティになるのかもしれません。
『Pirouette』の件は、また情報が入り次第、お伝えします!
では、また!
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