消費量世界一!なのに、日本人の知らないイタリアのチーズって?

本場イタリアでは有名なのに、日本ではあまり知られていないチーズがある。
お酒との相性はもちろん、振りかければどんなパスタもぐっとコクのある味わいになるというイタリア人が愛するチーズとは?!

イタリア語で“グラーナ”とはこの断面のような粒の意。元来“グラーナ”の用語は、11世紀ごろにパダナ平原で生まれたチーズに与えられた名称で、その特徴ある粒状組織から名付けられた

イタリアのハードチーズと言われて、まず思い浮かべるものはパルミジャーノ・レッジャーノという人は多いはず。しかし日本での知名度以上に世界中で最も消費されているイタリア産のハードチーズといえば、このグラーナ・パダーノだ。

普段使いのチーズとして酒場や家庭になくてはならない味となっており、イタリア通ならまず知っているD.O.P.(保護指定原産地呼称)の名品である。

見た目や製法はパルミジャーノ・レッジャーノとよく似ているけれど、実はいくつか差異があって、もちろん味わいも違う。

ひとつ約30kgもあるグラーナ・パダーノをカットする際には、この4本の短いナイフ(3本短いが1本少し長いのがポイント)が必要となる

グラーナ・パダーノ作りに30年以上も携わるチーズ職人、ダヴィデ・ピッツァ氏はこう語る。

「特徴的なのは、グラーナ・パダーノD.O.P.チーズは自然浮上させた部分脱脂乳(脂肪分を分離させた牛乳)のみから作られているということ。なので部分脱脂乳の割合が半分だけのパルミジャーノ・レッジャーノよりも脂肪分が低く、味わいは軽やか。またパルミジャーノの平均熟成期間が24カ月なのに対し、グラーナ・パダーノは16カ月以上(20カ月以上熟成グラーナ・パダーノは“リセルバ”という)。そのような工程のため、優しい甘さもあるほどです。おつまみはもちろん、料理にも美味しいですよ」

表面に真っすぐ線を描き、そこにナイフを差し込み全体重をかけ上半分に切れ目を入れる。チーズをひっくり返し裏面にも同じことを繰り返せばホイールカットの完了

実際に、イタリアではさまざまなシーンでこのチーズが卓上にあがるとか。

「まず、アペリティーボの軽食としてよく見られますね。ボコボコとくりぬいたような形のグラーナ・パダーノがサラミとセットで出てきたりして、これをやわらかい口あたりの白ワインと合わせると最高です! そしてリストランテではセコンドで肉が出たあと、お口なおしとして食べられることも多い。でもやっぱり大定番は、パスタにかけること。おろしたてのグラーナ・パダーノをふりかけるだけで、どんなパスタもぐっとコクのある味わいに変身します!」

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