柳忠之のコスパ最強! 一目おかれる、お値打ちワイン Vol.2

“南ア”のワインを知らずんば、ワイン通にあらず

南アフリカの地でホットなのはワイン。日本でも南アフリカ検定がスタートし、ここにきて南アフリカのワインが脚光を浴びている。これは一飲の価値あり、である。

curated by
柳 忠之

灌漑なしの畑で育てられた古木のシュナン・ブランは、フレッシュさを保ちつつ、驚くような凝縮味。一部小樽で醸造しながら、いわゆる樽香が目立つことなく裏方に徹しているのもまたよし。春から夏にかけておすすめ。¥2,700 /ラフィネ☎ 03-5779-0127

南アフリカといえば、サバンナにダイヤモンド、それからブッシュマン(ニカウさんって覚えてますか?)。

おっとちょい待ち、忘れてもらっちゃ困るのがワインである。アパルトヘイトが撤廃されて20年余り。この間にワイン産業は近代化を果たし、昨年から日本でも南アフリカワイン検定がスタート。いよいよ機が熟した感ありなのだ。

シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなど輸出市場で売れ筋のブドウ品種に押され気味とはいえ、この国でもっとも栽培されてる白品種はシュナン・ブラン。そもそも温暖で乾燥した南アの気候だと、シャルドネはダルになりがち。ナチュラルな酸が豊富なシュナン・ブランならフレッシュ感がばっちり保てる。

しかも造り手はミスター・シュナンの異名をとるケン・フォレスター。古木のシュナン・ブランを一部小樽で発酵させたこのワインは、清らかさのなかに、深みや厚み、奥行きを伴う。

これほど見事な辛口のシュナン・ブランは、フランスのロワール地方でも滅多にお目にかかれまい。ブッシュマンの集落に投げ込まれたら、コーラの瓶より奪い合いになること間違いなし。

■プロフィール
やなぎ ただゆき ワイン専門記者を経て、97年フリーに。ワインジャーナリストとして多方面で活躍中。お値段以上、で将来価値が出るワインを御紹介。

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