2015.03.01
柳忠之のコスパ最強! 一目おかれる、お値打ちワイン Vol.119世紀末に消滅したワイン、コラボ作品として現世に蘇る!
ワインの産地が跡形もなく消えることがあるんです。そして消え去ったものが復活することもあるのがワインの不思議。
人に語りたくなるストーリーをもつピノ・ノワール、あなたは知っていますか?
ある日忽然と消えてしまったアトランティス大陸のごとく、ブドウ畑が瞬く間に消え去ることもある。
フランスのロワール地方とブルゴーニュ地方の境界線に位置するコート・ド・ラ・シャリテ。ベネディクト派の修道僧により築かれ、王侯貴族にその美酒を愛でられた誉れ高きワイン産地は、19世紀の末、フィロキセラと呼ばれる害虫の被害に遭い、事実上消滅した。
しかし、かつての銘醸産地を復活させんと、80年代の半ばから、近隣農家がぽつりぽつりブドウ栽培を再開。そして今から9年前、新たに誕生したワインが、この「レ・ペニタン」なのである。
レ・ペニタンは、ジュヴレ・シャンベルタンの「ジャンテ・パンショ」とサンセールの「アルフォンス・メロ」という、ブルゴーニュとロワールの両雄ががっぷり四つに組んだコラボレーション作品。
ピノ・ノワールから造られる赤は、ピュアな果実味とミネラリーな繊細さを合わせ持ち、バランスがよろしい。このテロワールは実に興味深く、樹齢が上がればさらなる飛躍が期待できそうだ。
一度は消滅しかけた幻のワイン、これを試さずにいられようか。
■プロフィール
やなぎただゆき ワイン専門記者を経て、97年フリーに。ワインジャーナリストとして多方面で活躍中。お値段以上、で将来価値が出るワインを御紹介。
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