男と女の答えあわせ【Q】 Vol.329

店選びもエスコートも完璧なのに…年収2000万外コン男に3回目がない理由

三浦マキ

Q1:初デートで、男が“完璧だった”と思っていたことは?


真凛とは、大学時代の先輩が開いてくれた食事会で出会った。

広告代理店に勤めている31歳の真凛は、見た目は華やかなのに、どこか落ち着いた雰囲気をまとっていた。話すときはちゃんと相手の目を見る、そんなところにも好感を持った。

食事会の間は、彼女は聞き役に回ることが多かったけれど、周りの話に丁寧に相づちを打ち、時々鋭いツッコミを入れて場を和ませていた。

― この子とは、話が合いそうだな。

そう直感した。

僕は、32歳で外資系のコンサルティングファームに勤めていて、年収は2,000万を超えている。仕事は順調なので、そろそろ真剣に結婚相手を探したいと思っていたタイミングだった。

食事会の翌日、僕はすぐに真凛を食事に誘った。

初デートには、神谷町にある人気の焼き鳥レストランを選んだ。

予約が取りづらいと評判の店だけれど、クライアントの紹介で、なんとか席を押さえることができた。

「すごい、ここ来てみたかったんです…」

席に着くなり、真凛は目を輝かせて興奮している。その反応を見て、僕は心の中でしっかりガッツポーズをする。

― 店選び、大正解だったな。

そう思いながら、僕は今日のデートはもう、ほぼ“もらった”と思っていた。

女性とのデートで大事なのは、相手に興味を持つこと。それくらいは、僕にもわかっている。だから僕は、意識して質問をしたりして盛り上げた。

「真凛ちゃんは、休日は何をしているの?」
「最近は、ピラティスに通っていて。あとは美術館に行ったりとか…」
「あ、美術館いいよね。僕はさ、休日は朝6時に起きて、皇居ランしてからジムに行くんだよ。最近はトライアスロンにも挑戦しようかなと思っていて」
「すごい。ストイックなんですね!」
「いや、コンサルって体力勝負だからさ」

会話を途切れさせないのが、大人のマナーだと思う。

ただその間も、僕のスマホは何度も震えていた。今はちょうど、大型案件の提案前。クライアントからのメールやSlackは、こちらの都合など待ってはくれない。

「ごめん、ちょっとだけ返信してもいい?」
「もちろんです。お仕事大変ですね」

画面を確認して、短く返信を打つ。こういう時にすぐレスポンスできるかどうかで、仕事の評価は大きく変わる。真凛もきっと、そこはわかってくれているはずだ。

実際、真凛は嫌な顔ひとつせず、ワイングラスを傾けながら僕が画面から顔を上げるのを待っていてくれた。

― 理解のある子で、良かった。

仕事に追われる僕のような男にとって、それは結婚相手に求める大事な条件のひとつだ。最高に美味しい「かしわ」を食べながら、僕は深く頷いた。


「真凛ちゃんは、代理店でどんな仕事してるの?」
「化粧品ブランドの担当をしていて。今はちょうど、来春の新商品キャンペーンの準備中なんです」
「へぇ、化粧品か。でもさ、正直今ってテレビCMの時代じゃないでしょ?これからはSNSとインフルエンサー、あとはデータドリブン。代理店って、中抜きって言われがちだし、正直大変だよね」
「…そうですね。そういう声もありますよね」
「うちもマーケ戦略の案件やっているから、よくわかるんだよ。困ったら、いつでも相談乗るよ」
「ありがとうございます」

プライベートから、仕事の話までできる。デートの会話は続いたし、会計は、もちろん僕が持った。

「今日はありがとう。また会いたいな」
「はい、ぜひ」

真凛の返事に迷いはなかったと思う。この時の僕は、この初デートは“完璧だった”と思っていた。

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男と女の答えあわせ【Q】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

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