男と女の答えあわせ【A】 Vol.328

令和版・港区女子の新たなマネタイズ。麻布十番に住む32歳女の家で、男が感じた違和感とは

三浦マキ

A2:何をしているのか、明確でないことが怪しすぎた。


美咲とデートをし始めて、三ヶ月くらい経った頃、麻布十番で、二人でご飯を食べていたときに「このレストランから美咲の家、近いよな…」と思った。

そこで食事が終わりそうなタイミングで、僕は思い切って聞いてみた。

「そういえば…このお店って、美咲ちゃんのお家に近い?」
「うん。結構近いよ」

微妙な沈黙が、二人の間に流れる。

すると美咲が何かを察したのか、向こうのほうから言ってきてくれた。

「…よければ、この後うち来る?」
「いいの?」
「うん。ちょっと掃除する時間もらえると嬉しいけど」
「もちろん。外で待ってるよ」

実はずっと、「美咲の生活の実態が、よく見えないな」と思っていた。

毎日どこかへ出社している様子もないし、何の仕事をしているのか未だによくわからない。

何度か聞いてみたけれど、解像度は変わらない。

だから美咲の家へ行って、色々と確かめたかったのだ。


食事を終え、美咲のマンションへ着いた時、僕は正直驚いた。

― え?ここに住んでるの?

美咲の家は、綺麗でしっかりしたエントランスロビーまであるような、麻布十番の中でもグレードの高いマンションだったからだ。

「ごめん蓮くん。ちょっとここで待っててもらってもいい?」
「うん。というか、いいマンション住んでるね」

急な訪問だったから、別に待つのは構わない。それよりも僕が気になったのは、彼女の謎に贅沢な暮らしぶりだった。

そして、次の一言が決定打となった。

「会社?というか、会社に出資してくれている人の名義だから」

― どういうこと?

その“出資者”とは、何者なのだろうか。スタートアップ業界にいる身として、そんな実態のわからない出資は聞いたことがない。

― 港区の新たな投資のスタイル?

美咲のマンションのエントランスロビーにある、ソファに座りながらぐるぐると考える。

そして僕のずっと引っかかっていた違和感が、正しかったことに気がついた。


しばらくすると、美咲が降りてきたので、彼女の部屋へお邪魔することになった。

「お邪魔します」
「狭い部屋ですが…どうぞ」

美咲の部屋は、たしかにそこまで広くはなかった。でも、そんなことはどうでもいい。

― そもそも、誰がこの部屋を借りているのか?他の男の名義ってこと?

そう思うと、美咲が持っている持ち物すべて怪しく見えてくる。

そこまで年収は高くないと思うけれど、ハイブランドのバッグを持っているし、つけているアクセサリー類も妙に輝いている。

彼女の家に行って、謎が回収された。

ちなみに部屋が若干汚いのも気になったけれど、今回限りだと思うと細かいチェックさえする気にもなれなかった。

「お邪魔しました。美咲ちゃん、またね」
「うん。またすぐに」

そう言って、家を出た僕は改めて考える。

― これが令和の港区スタイルなのか…?東京の女って怖いな。

そんなことを思いながら、家路へついた。


▶【Q】はこちら:「3ヶ月もデートして、付き合うつもりだったのに…」彼を家に招いた翌日から、音信不通になったワケ

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

▶NEXT:10月31日 土曜更新予定
女がデート中に急に冷めたワケ

あなたの感想をぜひコメント投稿してみてください!

この記事へのコメント

コメントする

コメントはまだありません。

男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

この連載の記事一覧