A2:交際2ヶ月で、女が“もう無理”と悟った出来事が決定打になった。
交際が始まると一気に距離は近くなる。デートを重ねるうちに、今まで見えなかったところが見えてきて、違和感が少しずつ積み重なっていった。
違和感が色々とあったけれど、まず哲二との外食が楽しくなかった。
二人の間でランチや細かい支払いは、私で、ディナーは哲治が支払う…みたいな空気になっていたけれど、哲二としては、それが気に食わなかったのだろう。
ある日、イタリアンレストランでディナーをした時、食べてみたいティラミスを頼もうとすると、哲二が急に怪訝そうな顔をした。
「え?この一番高いのを頼むの…?まあ、いいけど」
ティラミスは、2,800円。
自分のためには80万のジャケットを買うのに、デートで2,800円のティラミスに渋い顔をする哲二。
その温度差に、正直戸惑った。
「舞香といると、金かかるな…外食費が二倍になるから、ちょっとしんどい。だから、良い店はバラバラで行かない?」
「わかった」
別に、毎回奢って欲しいとは言わない。支払える時は支払う。でも、“私は金がかかるから、食事は別で”という感覚になんとも言えない寂しさを感じた。
私は、ただ美味しい食事を楽しめる人と一緒に食べたい。
それに、支払いのことが気になるなら、私も一緒に店を選びたいし、割り勘でも行けるようなお店に行きたい。
哲二が選んでくれるお店は、高級なお店ばかりなうえに、いつもお店は彼が決めて、いつも予約情報が送られてくるだけ。そこに私が意見を言う隙はない。
さらに、私が本気で“無理かも”と思ったのは、哲二の同棲の進め方だった。
「こことか。どう?」
そう言って、ある日突然代々木にあるマンションの物件情報を見せてきた哲二。
「え?これって…?」
「僕たちの住む家だよ。こういうのはタイミングもあるから。舞香が良ければ、ここにしようと思うんだけど、いい?」
エリアは代々木で、私の勤務先の銀座まで少し行きにくい。何より、哲二の希望条件だけが優先され、私の意見を聞かずにどんどん話が進んでいく。
「でも、私転職も考えてるし、エリアはもっと考えたいな…」
「でも、俺的にはこのエリアが便利なんだけど。あと、2LDKは死守したいから、そこだけは譲れないかな」
意見を言っても、聞いてもらえない。
結局、哲二はいつの間にか、“二人で”住む家を契約していた。
さらに私が哲二との同棲を思いとどまったのには、理由がある。
「結婚するなら、生活費はちゃんと折半でよろしくね。俺、会社にお金入れてるから、家庭にはあんまり回せないんだよね。外食費とか、毎回俺持ちは結構きついから」
事業に何億も動かしている人が、家庭には回せないと言う。
「うん。それはわかってる。でも、今私転職活動中って伝えていたよね…?家も、それが落ち着いてから探すとかじゃダメなのかな」
「もう家は、借りちゃったからそれは無理かな。それに、舞香にとってかなり良い条件でしょ?」
私の意見は、ほぼ無視でグイグイと物事を進めていく。それなのに、請求するところはしてくる…。
何より私が“この男、やばいかも”と思ったのは、哲二が新しい家を、彼の会社名義で契約していたことだ。
でもきっちり、3分の1の家賃と光熱費は私に請求をしてきた哲二。
― これって、彼の会社の経費から落とされる家賃を、私が補填するってこと…?
もはや、意味がわからない。
そしてこの一連の流れを見ながら、私は静かに悟った。
― この人と、この先の人生を歩んでいくのは、無理かもしれない。
ブランド物を身にまとい、羽振りの良さを演出しながら、本当に大切な場面ではお金も気遣いも出し惜しむ。
そして最初はあんなにも気前よく払ってくれていたのに、交際後は、突然態度が変わる。
そのギャップこそが、一番怖かった。
そしてすごい勢いで「好き」とか「結婚しよう」とか。簡単に言える人の方が、実はヤバイのかもしれない。
自分のことしか見えていないので、少しでも意見を言ったら機嫌が悪くなり、急に拒絶反応をしてくる。
私自身も喜んで支払いたい相手だったら良いけれど、哲二の態度から、私はどんどん冷めてきてしまっていた。
― この人と結婚したら?子どもができたら出産代金も“折半で”とか言ってきそうな雰囲気があるのよね…。
そう確信した私は、交際3ヶ月というスピードで、別れを切り出すことにした。
哲二は驚いた顔をしていたけれど、私の中ではもう、迷いはなかった。
輝いて見えた哲二の世界が、急に色褪せて見えた瞬間だった。
▶【Q】はこちら:デートは毎回高級店だったのに…。付き合った瞬間露呈した42歳経営者のヤバイ本性とは
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
▶NEXT:10月17日 土曜更新予定
なぜか続かない女の特徴とは?







この記事へのコメント
コメントはまだありません。