【広尾散歩】日常グルメからセンス抜群の手土産まで。地元民が教える「普段使いスポット」

東京の主要部でいて、程近い麻布十番や六本木とはがらりと空気が変わる広尾。その日常は謎めいていて、数回訪れただけでは分からない。

そこで、物心ついた頃からこの地で過ごす、小石原はるかさんに、リアルな広尾の日常を語ってもらった。

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広尾在住50年超のフードライター、小石原はるかさんが紐解く

~ハイソなようでいて、下町っぽさもある街~


1972年生まれ。食を生業とするエンゲル係数高めの環境で育ち、レストランを偏愛するように。グランメゾンから大衆酒場まで日常的に巡る。著書に『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)『東京最高のレストラン』(共著・ぴあ)など。

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「広尾に住んでいる」と話すと「羨ましい!」という反応をいただくことが、ままある。

が、幼稚園に入るタイミングでたまたま広尾に引っ越し、ただただ数十年が過ぎた……という体たらくで、自分で選び取った場所ではない。故に、なんとも肩身が狭い気持ちになるのが常だ。

「広尾ガーデンヒルズ」を筆頭に高級な物件がひしめき、各国の大使館も立ち並んで国際色豊かな街。

聖心女子大学や慶應義塾幼稚舎などの名門私立校、さらには“御三家幼稚園”のうちのふたつがこの界隈にあり、文教地区という印象が色濃い。

そして食事情に関しては、高価格帯でクローズドなスタイルの“知る人ぞ知る”レストランがあちこちに潜んでいる。多くの方が思い描く「広尾」は、恐らくこんな感じだろう。

それらは確かに事実なのだが、しかし広尾の“ロコ”としては「そういう側面だけではないんです」と、この機会にお伝えしたい気持ちだ。

ハイエンドなスーパーが住民の日常を支えている

1977年開店の『明治屋広尾ストアー』。有栖川公園側の『ナショナル麻布』と並ぶ“広尾の台所”だ


都内屈指の上質なスーパーである『明治屋広尾ストアー』と国際色豊かな『ナショナル麻布』が風神雷神よろしく並び立っているが、“広尾散歩通り”こと広尾商店街には、吟味された魚介類が並ぶ『福田屋』の他にも、『舛勝酒店』、日本茶専門の『星野園』など、日常的に立ち寄れる“生活の味方”たる商店も軒を連ねている。

商店街で長らくなじみ深いお店も元気!


小さい頃によくお世話になった文房具店『奥本いろは堂』は、いまも変わらず子どもたちで賑わっている。


お隣の鮮魚店『福田屋』さんも、昭和4年からこの地にあるご長寿店。お店の奥には定食屋さんもあり愛され続ける。

蕎麦にハンバーガー、親しみやすい名店が

『Homework's』は1985年にオープンしたグルメバーガーの先駆け


食事をする場所に関しても同様。

いまでは当たり前になったグルメバーガーのパイオニア『Homework’s』は少々高級レンジではあるけれど、『広尾巴屋』『麻布さ和長』のような普段着で行けるお店が、実は点在している。

創業は天保元年!という広尾5丁目の『広尾巴屋』と有栖川公園そばの『麻布さ和長』は、いずれもお昼時に行列ができるほど人気のお蕎麦屋さんだ


商店街から左右に延びる路地を入れば、まだまだ牧歌的な雰囲気が残っているブロックも多く、昔からの個人店が頑張っているのだ。

広尾が誇る2大グルメビル

外苑西通り沿いに立つ「広尾六幸館」


それでいて“飲食ビルの先駆け”的存在というべき「広尾六幸館」が、駅近にそびえているのは面白い。

フレンチ、火鍋、ピッツェリアetc.とラインナップは多彩。過去には、甘味処の『麻布茶房』や、丁寧に淹れたコーヒーが美味しい『カフェ・アンセーニュダングル』が2階にあったっけなあ……。


「広尾六幸館」と、広尾商店街にある「EAT PLAY WORKS」は、どちらも1・2階に個性豊かな飲食店が入居している飲食コンプレックスビル。

前者は1979年竣工、後者は2020年にオープン。

手土産に絶対喜ばれるセンス良きショップも


この街が生活の場であるロコの目線で捉えると「広尾って華やか」という話にどうにもなりづらく恐縮なのだが、せめて上質なプロダクトが手に入るオススメの場所を紹介しよう。

広尾5丁目『nia-AFRIKA ROSE & CAFE BAR』は、アフリカ・ケニア産のバラやコーヒーに出合える場所


『nia-AFRIKA ROSE & CAFE BAR』は、その名のとおりアフリカのバラをテーマにしたお店で、高品質で力強いバラは美しいし、アフリカのワインやコーヒーも楽しめる。

『GOMA PRESSO』では搾りたての高級ごま油を


また、そこから1ブロック天現寺橋寄りにある『GOMA PRESSO』は、店頭でごまを焙煎して搾るフレッシュなごま油の専門店。新たな広尾名物といえるだろう。

ちなみに、今回この企画のために広尾の街をじっくり観察していて気付いたことがふたつ。

「トレーニング用のレギンスのまま闊歩する女性がなんだか多い」、そして「お散歩している犬、大型犬が多め」。これこそが広尾の日常、か。

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