Q2:女が半年で耐えられなくなった男の言動は?
しかし赤の他人が二人で暮らしていると、何かしらは出てくるもの。
まず僕が驚いたのは、奈緒が、意外に家事が苦手なことだった。
例えば食事が終わっても、ダラダラとテレビを見ながら食器をダイニングテーブルの上に置きっぱなしにしている。
そんな彼女を見て、僕は優しく諭す。
「奈緒、食器は早めに洗おうね」
「え〜でもまだ残りのビールを飲んでいるし。後でやるよ」
「うん。でも食器だけ、先に洗おうか」
「わかった」
決して声を荒らげたりしていないし、優しい言い方だったと思う。それに奈緒は、一応言ったら対応してくれる。
そのことについては、ちゃんと感謝の言葉も本人には伝えていた。
「奈緒、ありがとう」
「ううん、こちらこそだよ。それはやるって決めていたことだから。むしろごめんね」
「いや、僕の方こそ」
お互い、思いやりを持ちながら生活をしていた。
もちろん、色々と思うことはあった。
洗濯は奈緒がしてくれていたけれど、なぜか奈緒が洗濯をすると、Tシャツなどはしわしわだ。
でも、これに関して僕は何も言っていない。ただ見守っていただけだし、小姑のようにうるさく言うことはしていない。
他のことに関してもそうだ。
奈緒は髪の毛が長いので、必然的に洗面所…特にお風呂上がりは、彼女の髪の毛が落ちていることが多い。
これは自然現象だし、仕方のないことだとわかっている。
ある朝洗面台に、髪の毛が数本落ちていた。二人で横に並んで歯磨きをしていた時に、僕は黙って、その髪の毛をティッシュで拾った。
すると、奈緒が「しまった」という顔をした。
「うわ…ごめん!」
「いいよ、僕がやるから」
僕は決してうるさく言っていない。ただ黙って、僕がやりたいようにやっただけだし、奈緒に強要は全くしていない。
ただ奈緒は、あれ以来、洗面所を使うたびに少し動作がぎこちなくなった気がしなくもない。
― もしかして、気にしてる?
そう思ったけれど、聞けなかった。聞いて「そんなことない」と言われたら、それはそれで気まずい。だから、何も言わないままにしていた。
洗濯の頻度も、そうだ。水と電気の節約になるし、毎日回す必要はないと思っている。奈緒が少量の洗濯をしようとした時も、「まとめた方が効率いいよ」と言ったことはあるけれど、否定したつもりはない。
もし考えられるなら、お互いの生活リズムの差だろうか。
日曜の朝、基本的に昼過ぎまで寝たい奈緒と、朝早くから行動している僕。
でも、これに関しても、僕は何も言っていない。
「もう起きるの?早いね」
日曜の朝7時にランニングに出ようとする僕の背中を見て、眠たそうに目を擦っている奈緒。
「ごめんね、起こしちゃった?奈緒は、まだ寝る?」
「うん、日曜だし。もう少し寝てようかな。気をつけて行ってきてね」
「わかった。僕はランニングに行ってくるね」
本音を言うと、日曜は一緒にどこかへ出かけたいし、朝早くから行動したほうが有意義な1日を送れると思っている。
でも奈緒は寝たそうだったので、何も言わないようにしていた。
だから奈緒が「別れてほしい」と言った時、本当に驚いた。
二人で今後、未来を作っていく上での協議はあったけれど、ケンカはしていない。
それに奈緒は、いつも「ありがとう」と言って幸せそうにしていた。何より、“結婚”というゴールがすぐそこまで迫っていたはずなのに…。
奈緒は、一体何が不満だったのだろうか?
▶前回:29歳経営者が、3ヶ月で結婚を決意した理由。初デートからケンカまで、彼の心を動かした彼女の態度とは
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:8月23日 日曜更新予定
女が同棲解消を言い渡した理由は?







この記事へのコメント
誰も一緒に住みたいとは思わない。