男と女の答えあわせ【A】 Vol.317

「どこでもいいよ」よりNG?デート店を自ら提案する35歳女性に、3回目がない理由

三浦マキ

A1:行きつけのバーなどは言わない方がいい。


美咲と出会ったのは、食事会だった。

この日、食事会に集まっていた総合商社勤めだという女性陣は、キラッキラだった。

今年で34歳になる僕は、京都から東京に出てきて12年。

それなりに東京の生活には慣れたつもりだし、東京に“染まった”と思う。しかし、こういう場所には、いまだに少し圧倒される。

美咲は、女性陣の輪の中心にいた。

美人だったし、最初は少し気後れしていた僕。でも話してみると気さくで、僕の出身を聞いて「京都のどこですか?」と具体的に聞いてくれた。親近感を覚えた僕は、彼女をデートに誘ってみた。

― 雄大:昨日はありがとうございました。よかったらまた食事でも。
― 美咲:こちらこそ。お話できて嬉しかったです。ぜひ行きましょう。


そうして、僕たちはデートをすることになった。


1回目のデートは、広尾のイタリアンにした。前に友人が行ってよいお店だったと言っていたので、気になっていた店だ。

しかしここで、僕は最初の違和感に気がつく。

美咲は、店に入って席に着くなり、店内をぐるりと見渡し、僕の方を見て満足げに頷いたから。

― ん?なんだろうこれは。

なんの儀式なのか、わからない。でもそれ以降美咲は普通だったし、僕の考えすぎだったと思い直して、デートが始まった。

それに話してみると、相変わらず美咲はサバサバしており、話しやすい。

「美咲さんって東京出身なんですか?」
「そうなんです。正確に言うと、調布の方ですけど」
「へ〜すごい」
「雄大くんは?いつから東京に?」

そして、会話のテンポも良いので助かる。

「僕は社会人になってからです。なので、いまだに東京タワーとか見ると、めっちゃテンション上がります」
「でもそれは、私もですよ」

楽しくて、時間はあっという間に過ぎていく。

そして美咲のようなデート慣れしている女性への、デートのマナーはある程度心得ているつもりだ。だから、さっと支払いを済ませると、美咲はちゃんとお礼を言ってきてくれた。

「雄大くん、ご馳走さまです」
「いえいえ。今日は来てくれて、ありがとうございます」
「この後…どうしますか?もう1軒行きます?」

22時過ぎという微妙な時間だ。でも、美咲はノリノリで答えてくれた。

「いいですね。行きましょう」


ただし、ここで僕は頭を抱えてしまった。この界隈の2軒目事情がわからない。

「どこ行こうかな…すみません、広尾であまり飲まないので、店知らなくて」
「あ!それなら、西麻布でもいいですか?知り合いがバーをやっていて」

この時、僕が少し身構えたのは言うまでも無い。

でも、東京生まれ育ちの女性で、行きつけのバーを持っているのは当然のこと。

「もちろんです。さすが美咲さん」

そう言ったものの、美咲は店を出た瞬間に、さっさとタクシーを捕まえ始めた。

「じゃあ、タクシーに乗っちゃいましょうか。私、タクシー代出すんで」

タクシー代を支払ってくれる気遣いには感謝をしたい。

けれども、的確に裏路地までタクシーの運転手さんに指示を飛ばしている美咲を見ながら、微妙な気持ちにもなる。

― この人、西麻布で毎晩飲んでるのかな…?

好意で知っている店を提案してくれたことはわかっている。

でも金曜の22時から、行きつけのバーへ、タクシーを飛ばして向かう女性を「この先の本命や結婚相手に見れるか?」と言われれば、何とも言えない。

こうして僕たちは、2軒目へ移動したが、話している最中は楽しいし悪くない。

だから僕は、もう一度彼女に会うことにした。しかし、この二度目のデートで「やっぱり違うな」と思うことになる。

この記事へのコメント

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No Name
昨日のコメント欄丸ごと正解でしたね。美咲自身、これ言ったら男に引かれるような事を平気で言って自分は完璧みたいに思っててイタい35歳独身そのもの。
2026/05/17 05:1821Comment Icon6
No Name
東京で生まれ育った女性が行きつけバーを持っているのは当然のこと。  

何を言ってるの、ライターさんw
2026/05/17 06:0419
No Name
やっぱり美咲はすっぽんぽんシャンパンタワーやりそうな女だった
2026/05/17 05:1911
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男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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