年収2,000万超と1,000万台の「住む街」選びの違いとは。真の富裕層が「利便性」より重視するもの

「年収1,000万円」――。一般的な会社員にとって、それは長らく目指すべき一つの「大台」であり、出世レースを勝ち抜いた証とされてきた。

しかし、都心の不動産価格が高騰し続ける現在、その数字が持つ意味合いは大きく変わってきている。

「年収1,000万円を超えても、東京で理想通りの家に住むのは難しい」という切実な声が聞かれる中、この金額はもはや絶対的なゴールではなく、「スタートライン」に過ぎないのが現実だ。


一方で、「年収2,000万円」の層となれば、当然ながら住まいにかけられる予算はさらに跳ね上がる。両者の間で居住エリアや物件のグレードに大きな差が出るのは、ある意味で当然のことだ。

しかし、高級賃貸・売買サービスを展開する株式会社Modern Standardが発表した「住みたい街ランキング2026」の成約データを読み解くと、そこには単なる「予算の違い」にとどまらない、住まい選びにおける「価値観」と「職業属性」の明確な違いが浮き彫りになってくる。

年収1,000万円台は「タイパとスペック」に群がる


調査結果を読み解くと、現在の年収1,000万円台、そして2,000万円超の双方から手堅い支持を集めているのが「晴海(中央区)」と「西新宿(新宿区)」だ。

特に晴海は、「HARUMI FLAG SKY DUO」などの供給により、幅広い層を吸収している。


興味深いのは、この層に人気のエリアにおける「職業の偏り」である。ランキング対象者の平均年収と職業割合を見ると、特定の業種が集中していることがわかる。

・晴海(平均年収:1,088万円):コンサルティング42.1%、情報通信21.1%

・西新宿(平均年収:2,275万円):コンサルティング25%、情報通信25%

・六本木(平均年収:1,222万円):コンサルティング40%、マスコミ・広告20%

・港南(平均年収:1,719万円):情報通信50%、医療12.5%


六本木や港南といった、年収1,000万円台に特有の人気エリアも含め、これらの街にはコンサルティングや情報通信といった、いわゆる激務・高給とされるプロフェッショナル層が集中している。

彼らにとって住まいとは、日々のハードワークを支えるための「生産性向上ツール」に他ならない。


駅や空港へのアクセス、築浅タワマンの充実した共用施設といった「スペックとタイパ(タイムパフォーマンス)」こそが、彼らの正解なのだ。

平均年収3,300万円。
年収2,000万超がたどり着く「独自の美学」


一方で、年収2,000万円を超す「真の富裕層」たちは、まったく異なる選球眼を持っている。彼らが選ぶ街の同率1位に輝いたのは「赤坂(港区)」と「神宮前(渋谷区)」である。
この2エリアの特徴は、特定の職業に依存しない「多様性」だ。


・赤坂(平均年収:2,133万円):医療12.5%、飲食12.5%、金融・保険12.5%、芸能関連12.5%、商社12.5%、不動産・建設12.5%

・神宮前(平均年収:3,300万円):医療20%、金融・保険20%、娯楽20%、情報通信20%、製造20%


赤坂は政治・経済の中枢に隣接しながらも、一歩路地に入れば閑静な高級住宅街が広がる。

13年連続で「社長が住む街」の首位を獲得しているというデータが示す通り、古くからエスタブリッシュメント層に愛されるエリアだ。

そして驚くべきは「神宮前」のデータである。
同エリアを選ぶ対象者の平均年収は、なんと「3,300万円」に達している。

原宿・表参道というトレンドの最先端と、明治神宮や代々木公園という緑豊かな文化施設が同居するこの街には、単なる利便性では測れない独自の魅力がある。


彼らはタワマンのスペックや通勤時間といった「合理性」はすでに満たしている、あるいはそれを超越したフェーズにいる。

彼らが住まいに求めているのは、利便性だけではなく、歴史や文化、その街だけが持つ「ストーリー」なのだ。

「どこに住むか」は「どう働くか」の鏡である


Modern Standardの担当者は、「赤坂や神宮前が2,000万円超のトップに並んだことは象徴的であり、独自性の高い街だからこそ獲得できる根強いファン層がいる」と分析する。

今後、都心の賃料がさらに上昇したとしても、こうした「ストーリーを持つ街」の資産価値やブランド力は揺るがないだろう。

年収1,000万円台が合理性とタイパを極限まで追求し、さらなる高みを目指す「上昇気流」の中にあるとすれば、年収2,000万円超の層は、自らのライフスタイルや美学を体現するための「舞台」として街を選んでいる。

「あなたはなぜ、その街に住むのか?」 その問いに対する答えは、現在の収入だけでなく、ビジネスパーソンとしての成熟度や今後のキャリア戦略を如実に映し出す鏡と言えるだろう。


調査概要

期間:2025年1月1日 ~ 2025年12月31日
対象:Modern Standardで取り扱いのあった東京23区の賃貸物件
集計方法:Modern Standardで取り扱いのあった東京23区の賃貸物件のうち、年収1,000万円以上の物件成約者をエリアごとに集計(*)。
(*)「エリア」は、調査対象の物件情報に登録されている住所をもとに、「〇〇区」以下の町名(町区域)を集計しています。

本記事は、株式会社Modern Standardのプレスリリースをもとに構成しています
関連リンク:https://www.m-standard.co.jp/ranking/sumitaimachi/
参考資料:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000140512.html

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