A1:年下の勢いで、グイグイ来てくれるのが良かった。
イベント関連の会社に勤める海斗とは、食事会で知り合った。
肌が綺麗でスッとした塩顔のイケメンというのが、海斗の第一印象だ。
2軒目へ移動中、たまたま後ろの方で二人並んで歩く形になった時、彼は自然に私をデートに誘ってきた。
「京子さん、良ければ…次は二人で食事へ行きませんか?」
「え?もちろん」
「食事は何が好きですか?」
「なんだろう…イタリアンとか?」
「じゃあ、お店予約しておきますね」
― この男、慣れてるな。
そう思った。でももちろん、嫌ではない。むしろ海斗のことを私も気になっていたので、嬉しかった。
初デートは、六本木のイタリアンになった。
「京子さんは、結構外食派ですか?」
「そうですね。外食が多いかもです。海斗くんは?」
話もサクサク進むし、盛り上がる。年下だけど、私よりもしっかりしているように感じる。
「僕、こう見えて料理得意なんですよ」
「え?そうなの?」
「学生時代、キッチンでバイトしていて」
「え〜すごい!!どんなお料理を作るの?得意料理とかあるの?食べてみたいな」
「京子さんなら、いつでも喜んで作りますよ。逆に京子さんは?家事とかします?」
しかも、口もうまい。リップサービスなのかわからないけれど、海斗といるとなんだか心地良い。心がふわふわとしてきて、ついワインが進んでしまう。
「意外に、家事はするよ。でも料理は自分ひとりだと、ついおざなりになっちゃって」
「京子さんって、大人の余裕がありますよね」
「そう?私まだ33歳だし、そんな大人かな。まぁ海斗くんよりは大人だけど。年齢とか、気にする人?」
「いや、僕はまったく!何も気にしません!むしろ年上の方が好きなので」
しかも“年上好き”ときた。これはかなり良い感じかもしれない。33歳、そろそろ真剣に次の出会いも探しているし、ステディで、かつ結婚も見据えて付き合える彼氏が欲しい。
そう思っていたタイミングでのこの出会いは大切にしたい。そんなことを思っていると、あっという間にお会計の時間になった。
しかし、この時に微妙な空気が一瞬流れる。
「半分でいい?」
むしろ、割り勘でいいのだろうか。海斗の方が年下だし、割り勘でまったく問題なはいが、ここで、一瞬考える。
― 私の方が年上だし、ここは私が多めに払うべきだったのかな…。
「もちろん。ここ、カード2枚いけるかな」
そう言ったのには、理由がある。海斗は折半にしてくれたし、ここは彼を尊重しよう。そう思い、会計を済ませた。
「今日はありがとう。楽しかったな」
「こちらこそ。京子さん、また会えますか?」
「もちろん」
そしてこの海斗の積極的な姿勢は変わらず、この次のデートで私たちは正式に交際することになる。








この記事へのコメント