Q2:交際中に女が感じた彼氏の違和感は?
そして二度目のデートは、恵比寿の蕎麦屋さんにした。といっても、日本酒をしっぽりと飲みながら、つまみを食べられる雰囲気も良い僕の好きな店だった。
「京子さん、日本酒は好きですか?」
「うん、好きだよ」
「良かった!じゃあ今日は飲みましょう」
結局この日、僕たちは日本酒を5合くらい飲み、すっかり気分が良くなってしまった。すると、普段だと恥ずかしくて言えないようなことも、スラスラと言葉として出てくる。
「京子さん、俺、めっちゃ京子さんのことタイプです」
「そうなの?嬉しい」
「付き合いませんか?僕たち」
「本当に?海斗くん、酔っ払ってない?」
「酔ってないよ〜本気です」
「そうなんだ…。嬉しい。私も海斗くんのこと、好きだよ」
こうして、僕たちは交際することになった。
良い感じで盛り上がっていたが、会計の時に僕はふと気がついた。
「あれ?ごめん…今日、財布家に忘れてきたかも…」
「え?むしろ日中とか大丈夫だったの?」
「うん、スマホのチャージはあるから。財布出すことがなかったから、今まで気がつかなかった…ごめん、今日のご飯代の分、借りてもいい?」
壮絶に恥ずかしい。でもそんな僕を、京子は笑いながら許してくれた。
「そういうこともあるよね。いいよ、今日は私のおごりで」
「マジで?ありがとう!!必ず次回返すから」
「わかった。じゃあ次回、お願いします」
― 助かった〜!
そう思っていた。この時、ちゃんとお礼も言ったし「ご馳走さまです」も言っている。しかも財布を忘れたのは、わざとではない。だからこれが、直接的な原因ではないと思う。
ただこの後も僕は度々財布を忘れることがあり、何度か京子の厚意に甘えてしまっていた。
そして付き合うことになったあと、京子の家に僕が行くことが多かった。
なぜなら、吉祥寺にある僕の家はかなり狭い。一方、麻布十番に住んでいる京子の家は快適で僕の家より断然広いし、居心地も良い。だから必然的に、そこに落ち着いた…という感じだ。
「海斗、今日も家に帰らないの?」
「そろそろ帰るけど…会社行くのも、京子さんの家の方が近いし」
僕はイベント関連の会社に勤務しているのだけれど、オフィスの場所は六本木だった。麻布十番の方が近いし、便利だ。それは京子もわかってくれていたようで、3度くらい京子の家に泊まったら、その後は何も言わなくなった。
しかし、交際3ヶ月くらいたったあと、京子の態度が、少し変わったことに気がつく。うまく言葉にできないけれど、どこかやんわり線を引かれたように感じた。
それは、京子が僕の仕事の状況を聞いてきた時のことだった。
「海斗、最近仕事はどう?順調?」
「どうなんだろう。この前のイベントが終わって、今は少しゆっくりできる時期かな」
「そっか」
僕の会社はイベントが近くなると本当に忙しいのだけれど、そうでない時はのんびり過ごせる。ちょうど大きなイベントが終わったばかりで、この時は、若干時間の余裕があった。この質問の意図はわからなかったが、正直に答えた。
「京子は?相変わらず忙しそうだけど」
「私は毎日必死すぎて、記憶がないくらいだよ(笑)」
「京子は頑張っていて、偉いよね。本当に尊敬する。そういえば、もうすぐ京子の誕生日じゃない?せっかくだから、良い店とか行こうよ」
「え〜いいよ。海斗、高いお店だと支払い厳しいでしょ?」
「そこは半々でいいんじゃない?せっかくの誕生日なのに」
「じゃあお店、どこか選んでおくね」
僕は京子の誕生日を祝う気満々だったが、この誕生日が来る前に、突然別れを告げられてしまった。
一緒にいて楽しかったし、彼女のことを大切に思っていた気持ちも本物だった。たくさん「ありがとう」も「好きだよ」も伝えていた。
ベッドの上で彼女からの別れのメッセージを眺めながら、僕はずっと理由を考えていた。
― なんで急に…?
でも京子にとっては、「急に」じゃなかったのだろう。彼女の中では、少し前から答えは出ていたのかもしれない。
別れを決めたのは一体、いつのことだったのだろうか…。
▶前回:弁護士と4回デート、それでも進展ゼロ…「この関係、意味ある?」と悩んだ夜
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:3月22日 日曜更新予定
女が別れを決めた理由は?








この記事へのコメント
蕎麦屋で次回必ず返すと言った分とか度々お財布忘れた時のお金、忘れちゃって返してないんじゃ? その都度送金するならまだしもこれじゃ故意にやってる貧乏男と同レベル。こっちが多忙な時は空気読んで自分家帰れよADHD野郎的な...
ただ、誕生日も割り勘な感覚はどう考えてもおかしい!