A1:二度目くらいまでは、相手から誘ってほしいから。
マッチングアプリで優太と出会った時、私は信じられないくらい、たくさんの「いいね」をもらっていたので、全員をちゃんとチェックできていなかった。
だから、「いいね」以外に丁寧なメッセージを残してくれていたり、何かしらのアクションをしてくれたりした人と自然にやりとりが始まることが多かった。
優太もそのパターンで、メッセージも送ってくれていたので、私は優太のプロフィールに辿り着くことができた。
去年までイギリスに駐在していた、32歳の商社マン。爽やかな笑顔と、美味しそうな食事と、ゴルフの写真が並んでいる。写真やプロフィールからでも、相手のことは大体わかる。
「彼、素敵そうだな」と思い、私は優太のメッセージに返信をした。
― 綾乃:返事が遅くなってしまってごめんなさい!イギリスに住まれていたんですか?
― 優太:そうなんです。昨年帰国したばかりです。
みんな、マッチしてメッセージのやり取りをすると、すぐに会いたがる。なかには、私が返信すらしていない1通目の段階で、「会いましょう」と言ってくる人もいる。
そんな人は、もちろんお断りだ。
ただ優太が「会いませんか?」と言って来たのは、マッチして、やり取りが始まってから、1ヶ月も経った後だったのだ。
― 優太:良ければ、実際に会いませんか?お茶とかランチとか軽くでどうでしょうか。
しかも夜ご飯とかではなく、昼間のお誘い。
― この人、やる気あるのかな?
そんなことが頭をよぎったが、このガツガツしていない感じが好印象でもあった。
待ち合わせ場所のカフェへ行くと、優太は既に席についており、スマホを覗き込んでいた。しかし私の気配に気がつくと、とても素敵な笑顔を向けてくれた。
「初めまして、優太です」
「綾乃です。優太さん、ようやくお会いできましたね」
すると少し恥ずかしそうに、でも決してお世辞ではない感じで、自然に褒めてくれる優太。
「よく言われると思いますが…。綾乃さん、実物も可愛いですね」
「そんなそんな。嬉しいです。ありがとうございます」
そして初デートが始まったのだけれども、驚くほど自然に会話が弾んだ。
「綾乃さんは、音大卒なんですか?すごいですね」
「全然ですよ。ただピアノが好きだっただけで…プロになる夢は、諦めちゃいましたが」
「一度でも、プロを目指そうとしたことだけでもすごいです!僕、楽器はまったくダメで」
「学生時代は、何かされていたんですか?」
「僕はずっとサッカーをしていました。それこそ、一応ユースには所属していたのですが、大学進学と同時に諦めました」
「え〜!それもすごいじゃないですか。私は逆に、運動がまったくダメで…」
優太の経歴や職業はすごいはずなのに、何にも自慢をしてこない。それ以上に私の話を一生懸命聞いてくれて、そこからさらに話を広げようとしてくれている。
爽やかだし、優しい優太に対して、私は素直に「この人、素敵だな」と思った。
それは優太も同じように思ってくれたのか、解散間際、こんなことを言ってくれた。
「綾乃さんって、素敵ですよね」
「ありがとうございます。優太さんもです」
「いえいえ。またお会いできますか?」
「はい、もちろんです」
― 早く会いたいな。
そう思った。
しかし、ここからまた私は悶々とすることになる。「お会いできますか?」と聞いてきてくれたのに、二回目の約束をしないまま解散した私たち。
結局、初デートから何となくのやり取りは続いていたのに、まったく誘いが来ない。ガツガツしてないところは、とても魅力的だし、私から誘えばいいけれど、二度目くらいまでは相手から誘って欲しいのが女心というもの。
― 何かダメだった?
そう思っていた。すると二週間後、彼がようやく連絡をくれて、二度目のデートが実現する。
この穏やかなペースも、逆に良かったのかもしれない。
他の男性だったらグイグイ来るのに、優太はどこかのんびりしていて、こちらのペースを尊重してくれるようにも思えたから。
そして二度目のデートで、「素敵な人だ」と確信することになる。







この記事へのコメント
何だろう、
無理に誠実さを出す為?!ヘタクソな設定にしちゃったね。
結婚願望の有無さえ聞いてないけど・・