Q2:女が交際3年で、他の男性へ目移りした理由は?
気がつけば一年が経ち、二年が経ち…。時が過ぎるのはあっという間で、僕たちは一緒にいることが当たり前のようになっていた。
そんなある日のこと。土曜の昼間、家でスマホの動画を見ながら横になっていると、葵がソファを覗き込んできた。
「裕也くん、今夜何食べたい?」
「うーん。何でもいいな」
「じゃあ久しぶりに、腕振るっちゃおうかな」
「本当に?楽しみ」
宣言通り葵は一生懸命準備をしてくれて、夕方になると、豪勢なディナーが完成していた。
「これ、全部葵が作ったの?すごくない?」
ダイニングテーブルの上には、ずらりと料理が並んでいる。
「へへ。久しぶりに二人で週末ゆっくりできるから、張り切っちゃった。奮発して、良いワインも買って来たんだよ」
「え〜ありがとう。本当に最高だよ」
たしかに、最近忙しくてなかなか二人でゆっくりできる時間がなかった。葵の作ってくれた美味しい料理を食べながら、グラスを傾ける。最高の時間だった。
しかしちょうど食事や飲みが落ち着いたタイミングで、学生時代の親友から連絡が来た。
「ごめん葵。タカシから連絡があって、今近くで飲んでいるらしくて、顔出さなきゃかも」
「今から!?」
「アイツ離婚したばかりだから。話を聞いて欲しいんじゃないかな。行って来てもいい?」
一応すべて食べ終わってもいるし、テレビを見ながらワインを飲んでいる。それに時間はまだ22時前だ。
「いいけど…今からって。裕也君自身もだけど、周りも自由な人が多いよね」
「そう?男飲みなんて、こんなものじゃない?」
「わかった。早く帰ってきてね」
しかし結局、タカシと合流したら盛り上がってしまい、帰宅したのは午前2時だった。
葵にはこまめに連絡を入れたし、もちろん変なことは何もしていない。
それに、葵はそんなことをうるさく言うような彼女ではないし、僕が一度飲むと遅くなるのは知っている。
この日も、そーっとドアを開けて家へ帰ると、既に葵は寝ていた。
その翌日、一応葵の機嫌をうかがいながら…他に女性がいたわけではなく、本当に男飲みだったことを証明するために、昨晩の会話を遅めのブランチを食べながら共有する。
「タカシの元奥さん、結構強烈だったみたいで。財産、ほぼ取られたらしい」
「何で?よっぽど、タカシさんが悪いことしたの?」
実は、タカシが浮気をしたらしい。それは聞いたけど、なんとなく葵には黙っておこう。
「それはわからないけど…女性って怖いよね。結婚したら豹変するって言うし。親権も取られちゃったらしい」
「そっか…。それはタカシさん、落ち込んでいるね」
「そうなんだよなぁ。でもやっぱり、結婚はリスクあるし、子どもいるとさらに大変そうだから、絶対に今はいらないな」
「そうなの?」
「え、葵は欲しいの?子ども」
「それはわからないけど…。年齢的にもそろそろ真剣に考えないといけないしね」
「女性は大変だね」
まだ僕は33歳だし、仕事も忙しい。葵との結婚は、もう少し落ち着いてからにしようと考えている。
「まぁ僕たちは、もう少し落ち着いたらだね」
「そっか」
そんな会話をして、この日は終わった気がする。
しかし、この数ヶ月後、葵が他の男性と会っていることを知ることになる。結局、葵は僕に見切りをつけたのだ。
3年という期間は長いし、もはやほぼ事実婚状態だったと思う。
それなのに、どうして葵は他の男のところへ行ってしまったのだろうか…。
▶前回:結婚相談所で出会い無事に成婚。しかし、31歳の女が婚約破棄を申し出た理由とは
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:11月23日 日曜更新予定
女が三年の交際にピリオドを打った理由は?







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