Dc3b91d699b1fbdeceb29547f1d988
男と女の答えあわせ【Q】 Vol.294

結婚相談所で出会い無事に成婚。しかし、31歳の女が婚約破棄を申し出た理由とは

三浦マキ

Q1:女がすぐに交際をOKした理由は?


怜と知り合ったのは、結婚相談所だった。

今年で40歳になる僕は、結婚を焦っていた。周囲のほとんどが結婚をしており、出会いもない。マッチングアプリもやってみたものの、なかなかいい出会いに巡り会えなかった。

そんな中、友人から“最後の砦”として、結婚相談所を勧められた。

実際に相談所に入会すると、想像以上にお見合いの件数が多くて驚いた。

しかし5人ほどに会ったものの、ピンと来る人には会えなかった。

「どうしようかな」と思っていたタイミングでお見合いしたのが怜だった。

今年で31歳になる怜は、一橋大学卒業で大手メーカー勤務。実家は長野県で、長女。プロフィールは完璧だった。

「ぜひ、お会いしたいです」

僕の方から申し込みをし、会うことになった。場所は六本木にある外資系ホテルのカフェにしたのだが、10分前には到着した。

すると、まだ約束の5分前なのにやってきた怜。時間に誠実な感じや、僕の方へ向かってくる彼女の姿を見て、何かが始まる予感がした。


「初めまして、怜です」
「初めまして、哲也です」

怜が来たので、立ってお辞儀をする。すると、怜は少し見上げながら、僕に向かって微笑んだ。

「身長、お高いんですね」
「そうなんですよ。無駄に185cmもありまして」
「羨ましいです」

とはいえ、怜も160cmくらいはあるだろう。

「とりあえず、座りますか。何を飲まれますか?」
「じゃあ…カフェラテをいただきます」

二人の間に、静かにカフェラテの湯気が立つ。

何度経験しても、この初お見合いの瞬間は気まずい。

すると怜も同じことを思っていたのか、僕の気持ちを代弁してくれたかのように微笑んだ。

「何を話せば良いか、迷っちゃいますよね。気軽にお願いします」

怜は清楚な雰囲気が魅力的で、笑った時にエクボができるのが印象的な、綺麗な人だった。

「怜さんのお勤め先は、どの辺りですか?」
「私は日本橋です。哲也さんは?」
「日本橋、いい所ですよね。僕は大手町です」
「そうなんですね。近からず遠からず…という感じですね」

最初、おとなしい感じの女性かと思ったけれど、笑顔でたくさん話してくれる。おかげで、初対面なのにとても会話がスムーズにいく。

「じゃあ哲也さんは、大学は京都だったんですね」
「そうなんです。京都は、行かれたことありますか?」
「実は20代の頃、転勤で2年間大阪に住んでいたことがあって、その時によく京都へ行っていたんです」
「え!じゃあ関西、お詳しいんですね」

話していると、共通点が多いことがわかった。


あっという間に時間が過ぎてしまい、1時間のお茶タイムが終わりに近づいてきた。

「怜さん、他も何人か進められていますか?」

結婚相談所は、「仮交際」といって何人か並行してお見合い…つまり、デートができる。しかし「本交際」へ進むと、相手は一人に絞らなければならない。

今日が初対面だけれど、「怜が他の人とデートをするのは嫌だな」と純粋に思った。

「実は…はい…」
「ですよね、怜さんモテそうですし。ただ、僕は本交際へ進められたら嬉しいなと思っています」
「え?仮交際もせずにですか?」

2、3回会って、仮交際を経てから、本交際へと進めるのが通常のパターンだ。でも僕の中では怜と交際に進みたい気持ちは決まっていた。

「ただもちろん、焦らずにゆっくり考えてください。怜さんのお気持ちが優先なので」
「わかりました…。哲也さん、ありがとうございます!」

そしてこの解散後、結婚相談所を介して正式に“本交際へ進む”との連絡が来た。

この記事へのコメント

Pencil solidコメントする
No Name
僕の稼ぎに寄生するような家柄はいやだとか生意気な事を言いながら、貧乏臭い発言から成婚料を踏み倒そうとしているように感じて目が覚めた!!?
2025/11/15 05:1216Comment Icon4
No Name
お金にセコいから。 ダブルインカム希望なら早い段階から家事の分担とかどの程度代行に頼るか等々も話し合わないと。哲也は「家事代行なんてお金無駄、その分食費や酒代に回せばいい」とか言いそうで😂 (勿論丸投げで)
2025/11/15 05:4712
No Name
そこらの食事会ww
2025/11/15 05:1811Comment Icon1
もっと見る ( 35 件 )

男と女の答えあわせ【Q】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

この連載の記事一覧