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男と女の答えあわせ【A】 Vol.291

2度目のデートで男の家へ行った29歳女。何もなかったが、その後彼からの連絡が途絶えたワケ

三浦マキ

A1:最初からグイグイ来るなと思っていた。


美里と出会ったのは、食事会の席だった。男女2対2だったけれど、美里は最初から、すごく僕の方へ矢印が向いていたと思う。

― この子、俺のことすごい見てくるな。

自分でも、そう感じるほどだったから。

ただ話していると、お互い共通点が多く、会話は盛り上がった。でも僕からすると、「明るくていい子だな」くらいで終わっていた。

食事会の翌日、美里からお誘いLINEが届く。

― Misato:雄大くん、昨日はありがとう!昨日話していた餃子のお店、六本木にあるんだけど。今度一緒にどうかな?

そういえば、昨日そんな話をしていた気がする。特に断る理由もないので、僕は一旦二人で、美里が話していた『スチーム Dim sum & Wine』へ行くことにした。


ワインと迷ったけれど、まずは二人でビールで乾杯をする。

「では、乾杯!」

乾杯しながら、美味しそうにビールを飲む美里を見て、僕は少し驚いた。

「美里ちゃん、餃子が好きなんだ。意外だね」

どこかホワホワとしている美里。そのイメージと、今目の前でビールを飲み干す美里の間に、少しギャップがあったからだ。

「そう?餃子とビールって、最高の組み合わせじゃない?」
「わ〜。そういうの、わかってくれる系だ。嬉しい!」

ビールと餃子のコンビネーションの美味しさをわかってくれるなんて、きっといい子に違いない。独断と偏見で、そう思った。

そして流れ的に、好きな食べ物の話などになった。

「雄大くんは、何が好きなの?」
「食べ物だと、餃子大好き。あとはカレーとか、唐揚げとか…」
「何それ。子どもみたい」
「それ、よく言われる。たぶん俺、舌が子どもなんだと思う」
「でもいいね。ご飯とか作っても、何でも喜んでくれそう」
「それはもちろん!むしろ、ご飯なんて作ってもらえたら感動して泣いちゃう」

すると、美里は急に恋愛玉をぶっ込んできた。

「本当に?いつでも作るよ」


これは、どういう意味なのだろうか。

ご飯を作る、ということはどちらかの家でしか成り立たない。キッチン付きの宿へ泊まりで旅行する、キャンプへ行くなどの可能性もあるけれど、それはさらにハードルが上がる。

「マジで!?美里ちゃん、ご飯作れる人?」
「うん。普通の家庭的な料理しかできないけど…」
「それがいいんだよ」
「いつでも作るから、言ってね」

― そんな簡単に、許しちゃう感じ?

男女どちらかの家へ上がることに対して、特に抵抗はないのだろうか。いや、むしろ向こうからノリノリで親密度を上げようとしてきており、美里のこの発言に、僕は少し引いてしまった。

さらに、この食事が終わった後のことだった。

「あ〜お腹いっぱい。この後どうする?」

そう尋ねると、食い気味に2軒目を提案してきた美里。

「せっかくだし、もう1軒行かない?」
「美里ちゃんが、大丈夫なら」
「もちろん。今夜は何時まででも」

― そんなに気合入ってる感じ?

今日は、一応初デートだ。

それなのに最初から2軒目へ行く気満々で、家へ上がるのも厭わないような勢いの美里に、僕は完全に押されていた。

「さすが。じゃあもう1軒行こう!」

結局、この日はかなり遅くまで飲んだ僕たち。ただ永遠に帰らなさそうな美里に対し、僕はある気持ちを抱き始めていた。

この記事へのコメント

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No Name
美里がキモいほどグイグイ来てて安い&イタい女なのはその通りだけど、雄大は最初から美里には興味はなかった。だから男の狩猟本能云々以前の問題だと思う。
そんな簡単に許しちゃう感じ?
そんなに気合い入ってる感じ?
口調が鼻につく。
2025/10/26 05:2744Comment Icon2
No Name
追いかける気にならないんだったら家になんか上げなければいいのに。変に期待させるだけ。
2025/10/26 05:5238Comment Icon5
No Name
日本人が餃子とビールと言ったら、普通の焼き餃子じゃない? 小洒落たレストランの飲茶ではなくて。
2025/10/26 05:4637
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男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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