「雄大くん、お待たせ!どうしたの?何だか思い詰めたような表情だけど」
「え?あ、ううん。何でもない。ちょっと仕事のメールが来ていたから、その対応をしてただけだよ」
「そうなんだ」
しかし、それと同時に少し嫌な予感もする。
― もしかして、彼女…?
こんな素敵な人だもの。彼女がいないとは限らない。
― 彼女に、女の子と二人で食事が行くことがバレて、まずい状況になっているとか…?
そんなことを考え始めると、急に不安になってきた。
「美里ちゃん、元気だった?」
「え?う、うん」
「彼女が、本当はいるのかも」と疑っていると、会話もつい上の空になってしまう。せっかく楽しいデートなのに、これでは台無しだ。
だから極力考えないようにしようと努める。
でも、やっぱり気になる。
食事も中盤に差し掛かり、お酒もほんのり回ってきた頃。私は耐えきれず、本人に聞いてみることにした。
「雄大くん。今って、彼女いないの?」
すると、とても驚いたような顔をした雄大。
「どうしたの、突然」
「いや、ちゃんと聞いていなかったなと思って。もし彼女がいるなら、彼女に申し訳ないからちゃんと言ってほしい」
私なりに、かなり頑張って言ったと思う。するとその気持ちに応えてくれたのか、雄大はまた優しい表情になった。
「今はいないよ、本当に。そんなに心配なら、この後うちに来る?何の女性の痕跡もないから、自由に見ていいよ」
「本当に?」
たしかに、家に行ったらすぐわかる。こうして、私たちは1軒目を終えて、雄大の家へ行くことになった。
「ね?何もないでしょ」
雄大の家はとてもシンプルで、物があまりなかった。“ただの男性の一人暮らし”という感じで、女性の影は感じられない。
「本当だ。ごめんね、疑って」
「いいよ全然。それより、何か飲もうよ」
「うん」
この日は結局、雄大の家に3時間くらいいた。ムード的にキスまでしたものの、それ以上は何もしていないし、ちゃんと帰宅した。
それなのに、この日以降雄大からの連絡は途絶えてしまった。
家まで行って、キスまでした。でも、それ以上のことはしていない。
― なんで?彼女がいるか疑ったのがダメだったのかな…。
雄大の気持ちがわからず、私はずっとモヤモヤと、どうすれば良かったのか、という後悔でグルグルと気持ちが回っている。
▶前回:2回目のデートは、日帰りドライブ。高級外車で迎えに行った男に女の本音とは
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:10月26日 日曜更新予定
二度目のデート以降、男から連絡がなくなった理由は?







この記事へのコメント
まだだね、勝手なモテテクみたいなのを実行して自画自賛するも男側には全く刺さってなくて音信不通にされるパターン。 餃子がデートに繋がる訳じゃない。友達と軽く飲む感じで数回会うことは叶うかもしれないけど。色々と勘違いしてる変なオンナ。