Q1:男と二度目のデートで遠征を快諾した理由は?
紗奈と出会ったのは、三ヶ月前に開催されたワイン会がキッカケだった。
白金にある高級タワマンのパーティールームにワインを持ち寄って飲み比べる…というバブリーな会に、僕は久しぶりに参加した。
「義樹、遅いよ」
「ごめん、ちょっと仕事が終わらなくて」
「皆さん、僕の友人で、弁護士の義樹です」
主催者である慶太に紹介され、僕は軽い挨拶をしながらざっと参加者を見渡す。僕を含めて男性5名、女性4名。
“ワイン会”という名目で、みんな出会いを求めて集っていることは明白だった。
遅れて行った僕は、一番端の席に座ったのだが隣にいたのが紗奈だった。綺麗な肌に、整った顔立ち。客室乗務員をしているという紗奈は感じも良く、話も弾んだ。
「そういう感じのシフトなんですね。長時間フライトとか、正直大変じゃないですか?」
「そうなんですよ。あと機内は乾燥するので…」
会話をしているとあっという間にお開きの時間になる。もう少し紗奈と話したいと思った僕は、翌日個別でLINEを送ってみた。
― Yoshiki:昨日はありがとございました。よければ、次は二人で美味しいワインが飲める店へ行きませんか?
すると半日くらいして、紗奈から返事が来た。
― sana:いいですね!ぜひ。
こうして、僕たちのデートが決まった。
◆
「う〜〜〜ん、美味しい♡」
紗奈がグラスをクルクル回しながら、本当に嬉しそうにワインを飲んでいる。
「ですよね。ここ、グラスワインが豊富で。二人で一本開けても良いのですが、いろんな種類を飲めた方がいいかなと思って」
初デートは、ワイン好きの紗奈のために『élevé』を予約した。
「義樹さんは、普段はどの辺りで飲まれているんですか?」
「僕は家が白金なので、あの辺りも多いですし。でも西麻布とか六本木とか…。たまに銀座もあります。紗奈さんは?」
「私もその辺りですかね。あとは恵比寿とか。美味しいお酒とご飯に目がなくて、素敵なレストランがある場所へ行く感じです」
「それ、わかります!いいですよね」
僕自身、食べることが好きなのだが、紗奈も相当な美食家らしい。話を聞けば予約の取れない名店など、色々と店名が上がってきた。
― これは…誰と行っているんだ?
そう思ったけれど、初デートでそんなことを聞くのはスマートではないから、僕は尋ねなかった。
しかし会話の途中で、ふと「気になっているレストラン」の話題になった。
「実は今、軽井沢で一軒行ってみたいお店があって…」
「え、どこですか!実は僕もあるんです」
答え合わせをすると、偶然店名が一致したのだ。
「これはもう…行くしかないですね」
「ですね!嬉しい」
「紗奈さん、いつ空いていますか?僕、車出しますよ」
「いいんですか!?ありがとうございます♡」
こうして、少し先になってしまったけれど、お互いの休みを合わせ、10月頭の土曜日に、軽井沢へ行くことになった。
この記事へのコメント
まさかとは思うけど、一般道をのんびり碓氷峠の旧道を通り、ものすごい急カーブの連続だった訳じゃないよね? 碓氷峠は急勾配のヘアピンカーブがすごくて車好き男子は行きたがるけどさぁ違うよね?
だいたい映画とか食事だけど、ドライブならもっと色々な話で盛り上がれるし、好きな曲順番に聞いたりお互いの事をより良く知るいい機会なる♡
ただお互いワイン好きで気になるレストランが偶然軽井沢のお店で一致したなら、付き合った後一泊とかでのんびり行く方が楽しそう。日帰りだとワイン飲めないし。 ネタ考えた人残念。