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男と女の答えあわせ【A】 Vol.286

アプリで出会った彼女と3回目のデート。行きつけの三茶の和食店に連れて行ったら、女の態度が急変したワケ

三浦マキ

A1:初デートで誠実さがしっかり見えた点。


達也と出会ったのは、マッチングアプリだった。

アプリは素敵な人が多いが、そんな中でも顔がタイプで、同じ職種のIT系と書いてあった達也。メッセージが来ていたので開くと、なかなか雰囲気も良さそうだ。だから私は返信をし、マッチしてやり取りが始まった。

そしてすぐに、達也が予約してくれていた恵比寿の『アーティショー』で会うことになった。


待ち合わせは店内だったので、案内された席へ行くと、達也は既に到着していた。

「初めまして、美香です」

緊張しながら挨拶をすると、達也も慌てて頭を下げてくれる。

「初めまして、達也です。美香さん、すごい顔小さいですね」

身長は高い方かもしれないけれど、改まって顔が小さいと言われると、照れてしまう。しかし達也は気にしていないのか、座った途端にすぐ別の話を始めた。

「美香さん、お住まい目黒でしたよね?」
「そうです。達也さんは、三宿でしたっけ?」
「はい。職場が渋谷で。美香さんは?」
「私は今、品川です」

私は職業をちゃんと言っていなかったので、自己紹介も兼ねてエンジニアをしていることを伝えてみる。すると、目を輝かせながら前のめりになってきた達也。

「そうなんですね!かっこいいっすね」
「ありがとうございます。達也さんもIT系ですよね?」
「そうなんですよ」

達也は広告営業らしく、職種は全然違う。しかし同じIT系ということもあり話は尽きない。クラシカルだけれども美しくて繊細かつ大胆なお料理を食べながら、私たちの話はどんどん花が咲いていく。


「失礼だったら申し訳ないのですが、美香さんみたいに華やかで話しやすい方がエンジニアって意外です」

全然、失礼ではない。むしろ褒め言葉として受け取らせてもらった。

「私、コツコツとひとりで作業するのが好きなんですよね。だからコミュ力高い営業職の方とか本当に尊敬します」
「いやいや、そっくりそのまま、お言葉お返しします!僕はひとりで細かい作業とかするのが苦手なので、尊敬します」

話している雰囲気などがとても良く、私は「写真よりも、実際の達也のほうがもっと素敵だな」なんて思っていた。

すると、まだ1軒目も終わらないうちから2軒目の提案をしてきてくれた達也。

「この後、まだお時間大丈夫ですか?良ければもう1軒どうですか?」

― これって、私のこと結構アリってことだよね?

思わず目を丸くして達也の顔を見つめると、何か勘違いしたのか、達也は急に焦ってたくさん話し始めた。

「あの、変な意味じゃなくて。すごく楽しいので、もう少し一緒にいられたら嬉しいなと思ったんです。でも本当に、無理しなくて大丈夫なので」

この一生懸命な感じが妙に可愛くて、思わず笑ってしまった。

「私も、まだもう少し一緒にいたいなと思ったので、嬉しいです。ぜひ行きましょう。どこがいいですか?」
「え?いいんですか?」
「もちろんです」

こうして2軒目へ移動した私たち。そこでもとても盛り上がり、次のデートの約束をしてから、解散となった。

この記事へのコメント

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「で、なんだっけ?」
「何が?」
「何の話をしていた?僕たち」
「んー…特に何も?」
で黙りこみ、帰り際2軒目行こうよって、コントか何かかなww
2025/09/21 05:2124Comment Icon2
No Name
達也は思考回路がおかしい。 普通なら常連(橋本)との話はさっと上手く切り上げて席に戻るなり「ごめんねー、ホント申し訳ない」と声かけるしそこから普通に会話を楽しむけれど、達也はスマホ見てる美香に気を遣い黙って自分もスマホでゲーム始めた。だから何か失礼な事したなんて全く思ってない。ゆえに「美香ちゃん終わった?」とかトンチンカンな発言すら出てくる。 今回美香側に主だったNG行動は無かったけれど、安易に多重人格者との精神疾患を疑った所にはドン引き通り越して呆れた。
2025/09/21 05:1919Comment Icon2
No Name
「多重人格 かなり昔の呼び方で、今は解離性同一障害。耐え難い記憶とか幼少期の心的外傷から自分の心を守るために引き起こされる障害。複数の人格が同一人物の中に、コントロールされた状態で現れる。 美香はよく知りもせずに軽々と言ってるようで、今回もクソ女認定! ※達也が過去の心的外傷と戦っていないのであれば勿論アホ過ぎてお話にならないが
2025/09/21 05:3511Comment Icon4
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男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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