A1:初デートで誠実さがしっかり見えた点。
達也と出会ったのは、マッチングアプリだった。
アプリは素敵な人が多いが、そんな中でも顔がタイプで、同じ職種のIT系と書いてあった達也。メッセージが来ていたので開くと、なかなか雰囲気も良さそうだ。だから私は返信をし、マッチしてやり取りが始まった。
そしてすぐに、達也が予約してくれていた恵比寿の『アーティショー』で会うことになった。
待ち合わせは店内だったので、案内された席へ行くと、達也は既に到着していた。
「初めまして、美香です」
緊張しながら挨拶をすると、達也も慌てて頭を下げてくれる。
「初めまして、達也です。美香さん、すごい顔小さいですね」
身長は高い方かもしれないけれど、改まって顔が小さいと言われると、照れてしまう。しかし達也は気にしていないのか、座った途端にすぐ別の話を始めた。
「美香さん、お住まい目黒でしたよね?」
「そうです。達也さんは、三宿でしたっけ?」
「はい。職場が渋谷で。美香さんは?」
「私は今、品川です」
私は職業をちゃんと言っていなかったので、自己紹介も兼ねてエンジニアをしていることを伝えてみる。すると、目を輝かせながら前のめりになってきた達也。
「そうなんですね!かっこいいっすね」
「ありがとうございます。達也さんもIT系ですよね?」
「そうなんですよ」
達也は広告営業らしく、職種は全然違う。しかし同じIT系ということもあり話は尽きない。クラシカルだけれども美しくて繊細かつ大胆なお料理を食べながら、私たちの話はどんどん花が咲いていく。
「失礼だったら申し訳ないのですが、美香さんみたいに華やかで話しやすい方がエンジニアって意外です」
全然、失礼ではない。むしろ褒め言葉として受け取らせてもらった。
「私、コツコツとひとりで作業するのが好きなんですよね。だからコミュ力高い営業職の方とか本当に尊敬します」
「いやいや、そっくりそのまま、お言葉お返しします!僕はひとりで細かい作業とかするのが苦手なので、尊敬します」
話している雰囲気などがとても良く、私は「写真よりも、実際の達也のほうがもっと素敵だな」なんて思っていた。
すると、まだ1軒目も終わらないうちから2軒目の提案をしてきてくれた達也。
「この後、まだお時間大丈夫ですか?良ければもう1軒どうですか?」
― これって、私のこと結構アリってことだよね?
思わず目を丸くして達也の顔を見つめると、何か勘違いしたのか、達也は急に焦ってたくさん話し始めた。
「あの、変な意味じゃなくて。すごく楽しいので、もう少し一緒にいられたら嬉しいなと思ったんです。でも本当に、無理しなくて大丈夫なので」
この一生懸命な感じが妙に可愛くて、思わず笑ってしまった。
「私も、まだもう少し一緒にいたいなと思ったので、嬉しいです。ぜひ行きましょう。どこがいいですか?」
「え?いいんですか?」
「もちろんです」
こうして2軒目へ移動した私たち。そこでもとても盛り上がり、次のデートの約束をしてから、解散となった。
この記事へのコメント
「何が?」
「何の話をしていた?僕たち」
「んー…特に何も?」
で黙りこみ、帰り際2軒目行こうよって、コントか何かかなww