Q1:妻が日々夫に思っていたことは?
夏希と出会ったのは、知人の紹介だった。初めて会った時、僕のものすごくタイプで「どうしても彼女と付き合いたい」と思ったのを覚えている。
僕が猛アプローチをして、めでたく付き合うことになった。
当時29歳だった僕はまだ日系の証券会社勤めで、一般のサラリーマンよりは高給取りだったかもしれないけれど、外資系などに比べたらまだ全然少ない給料だった。
同い年の夏希が僕を受け入れてくれたのは、彼女も日系コンサル会社に勤めており、経済的に自立していたからかもしれない。
そして交際して2年後の秋、ハワイでプロポーズをし僕たちは晴れて夫婦となった。
そしてその1年後に華恋が誕生…と、まさに順風満帆だったと思う。夫婦なので、ケンカをしたことはあるけれども、離婚危機に陥ったことなんて、数回程度だ。
でももちろん、子育ての方針でぶつかることはあった。
一番大きかったのは、華恋の小学校受験だったかもしれない。
僕自身、公立出身だったので、中学くらいまでは公立で良いと思っていた。しかし夏希は華恋を、どうしても小学校から私立へ入れたいらしい。
「華恋は女の子だし、早めに受験させて、エスカレーター式で上まで行かせた方が絶対にいいと思うの」
「別に公立で良くないか?」
「公立と私立だと全然違う。絶対に、私立へ行かせたいの」
「そんなに言うなら、夏希が受験すれば?僕は、金は出すけど」
「何その言い草。あなたの子どもでもあるんだから!」
実は結婚してから、外資系のコンサル会社へ転職した僕。もちろん給料もあがり、塾代や受験代、そして小学校から私学へ行かせられるほどの経済力は持ち合わせていた。だからお金の負担はいくらでもできる。
でも塾の送り迎えなどは、仕事があるしできるはずがない。
「もちろん僕の子で華恋の幸せを誰よりも願っているけど…。日中は、現実的に僕は見れないし。それは夏希の役割でしょ?」
華恋が生まれてから、仕事を辞めた夏希。僕からすると暇そうに見えるし、基本的に子育てに関しては夏希に任せていた。
「なんでそんな言い方しかできないの?好きで仕事を辞めたわけじゃないのに」
「そうかもしれないけれど、実際に稼いでいるのは僕だし、僕の方は、仕事は辞められないよ」
「仕事辞めて、なんて一言も言ってないでしょ…」
ここからさらにケンカはヒートアップし、結局僕が折れ、華恋は小学校受験をすることになった。
そこからだいぶ大変そうだったけれど、華恋の頑張りもあり、第一志望の女子校に合格できた。
「華恋、よく頑張ったな〜」
合格の知らせを聞いた日、僕は思いっきり華恋を抱きしめた。
「うん、頑張った。パパ、ありがとう」
華恋の嬉しそうな顔と、夏希の安堵の表情を見て、受験が無事に終わったことを心底喜んだのは言うまでもない。
そして華恋は無事に小学校へ入学し、僕たち夫婦も特に問題なく平和に過ごしていた。
この記事へのコメント
多分この夫婦はコミュニケーション不足で話し合い等きちんと出来ていなかった事が原因だと思った。 夏希も、簡単に「華恋の送り迎えとかには支障がないようにするし今までのように家のことはするから」と約束し...続きを見るたから、不満を言えずにため込んで爆発したのかもしれない。
ちょっとよく分からない。日本ではまだ親権をシェア出来ないから
(法案は可決されたけど施行 は2026年移行?!) 離婚はするけど一緒に住んで育てるって事なのか・・・