A2:会えない時間が募ると、女は冷める。
最初は良かった。洸平は意外にもマメで、毎日連絡をくれる。その頻度は、逆に私の方が驚くくらいだった。
そんな日々が続いた中、交際してからは初めてのデート。
恵比寿の和食屋を予約してくれていたので、私は念入りに、前日から準備をして気合を入れて向かった。
「莉央ちゃん、何飲む?」
「一杯目はビールもらおうかな。洸平くんは?」
「僕も同じので」
そしてビールが来たタイミングで、洸平と乾杯をする。
「改めて、よろしく」
「こちらこそです…って、なんか照れるね」
そんな照れくさい感じから始まったけれど、洸平は相変わらず爽やかだし、「彼と付き合えて良かったな」なんて思っていた。
しかし、彼の家の場所と私の家の場所の話になった時に、ふと思ったことがある。
「洸平くんの家、ここから近い?」
「うん、歩いてすぐだよ。莉央の家の三宿から、意外に近いでしょ?」
「そうだね」
タクシーで20分弱。電車でも渋谷で乗り換えればすぐの距離だ。意外に近いと思う。
「住んでいる場所って、大事だよね」
「わかる!洸平くんは、なんで恵比寿に住んでいるの?」
「元の会社が近かったのと、山手線も日比谷線もあるから便利で。あと飲む場所にも困らないし」
「恵比寿だとずっと飲めそうだね。どちらかというと、飲むのが好きな人たちが集まっているイメージがある(笑)」
そして今日知ったことだけれど、洸平は飲むのが好きだった。
恵比寿在住の28歳独身…。偏見かもしれないけれど、“遊びたい・モテたい”男性なのかなと推測できる。
「そうなんだよ。そこが問題で…」
あと、洸平は結構飲み歩く人らしい。
そんなことを考えていると、洸平が急に仕事の話をしてきた。
「そういえば莉央。この先、ちょっと仕事が忙しくなりそうで。付き合ったばかりで申し訳ないんだけど」
「いいよ、大丈夫。ちなみにどれくらい忙しくなりそうなの?」
「結構…?新規プロジェクトが始まって。中でも良いポジションもらえそうなんだよね」
「すごいじゃん!洸平くん、頑張って」
この時は、特に何も考えていなかった。「とはいっても、会えるだろうし、連絡もくれるし」そう思っていた。
でもこの初デート後、洸平と本当に会えなくなった。
会えない理由が、浮気ではないのはわかっている。なぜなら彼は今、資格を取りたいらしく、仕事に加えて週末さえも忙しそうだったから。
― 洸平:資格の勉強、頑張っています!
そんなコメントと共に、勉強している写真も送られてきたりしていた。
でも私は、そんな連絡が欲しかったわけではない。私が一番納得いかなかったのは、私に対して1秒も時間を使わないことだった。
例えば、接待で遅くなった帰り道。
― 洸平:今会食終わった!
― Rio:お疲れ様〜!会食、どこでしたの?楽しかった?
― 洸平:今日の会食は渋谷でした。莉央は今日、何してた?
このLINEを見て、私の返信を打つ手が止まったのは言うまでもない。渋谷と三宿なんて、目と鼻の先だ。
少しだけでもいい。「今から会わない?」とか、そんな一言すら言えないのだろうか。
― Rio:私は仕事終わって、家にいたよ
― 洸平:そっか、お疲れ様!
「え?それで終わり?」
女は、会えない時間が多くなればなるほど冷めていく。
忙しいのはわかっているけれど、あまりにも放置されると、どんどん冷めていく。
仮に微妙な人でも、ずっと会っているうちに情が湧くこともある。その一方で、仮に彼氏でも、会わないと自分の気持ちを見失っていく。
本当に好きなら、会いにくるはず。
そこまでして会わないなら…会えないなら、それが答えだと思う。
そして一度冷めてしまうと、一気に色褪せて見えてくる。男は会っていない間は一瞬と思っているかもしれないが、女は違う。最初のうちは、会えない時間は何百時間にも感じ、ヤキモキする。しかしそれを一旦すぎると、もうどうでも良くなってしまう。
男女で流れる時間はまったく異なるもの。
「もう少し頑張れば良いかもだけど…別に私が、そこまで我慢する必要はないし」
そう思い、私は冷めてしまった旨を素直に彼に伝えた。
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彼氏の男友達問題
この記事へのコメント
「今から会おう」の一言さえ言えないのだろうか?って... 渋谷と三宿は目と鼻の先でも、帰宅して勉強して翌日は朝早く仕事に行かないといけない等事情が有ったのかもしれないし。 本当に好きなら莉央から「今から会える?♡」って聞くと思う。
いや、ちっとも分からない。特に、洸平は彼氏としてNG言動だらけだったの所。だらけって具体的にどことどこが?
結局ものすごいコミュニケーション不測な気がした。女子がずっと受け身でいる必要無いんだし、自分から少しでも会えたらいいなとか連絡したりLINEはマメにくれる彼とならコミュニケーション取れたよね?
えっとLINEのメッセージも、Siriで入力して送るとしても10秒は必要ww
洸平は休みの日に一日ゆっくり出かける事をデートと考えてたから、接待で遅くなった日に誘うのは失礼だと思っていたのかも知れない。そんなすぐ冷めたとか思う前に莉央にも出来る事は有ったはず!よって全く共感できなかった。自分勝手で偉そうな女だけど内面は子供。