A1:グイグイ行きすぎず、自立しているのを見せるのが正解。
澪と出会ったのは、高橋さんと木田さんという尊敬する先輩たちとの飲みの場だった。
たまたま高橋さんに連絡をしたときに「一緒に飲もうよ」と言われ、指定された店に行くと、澪がいた。
最初澪を見たときは、華奢で肌が綺麗で驚いた。そんな僕に対して、隣に座った澪は積極的に話しかけてきてくれる。
「お疲れさまです。こんな時間までお仕事されていたんですか?」
「いや、別件で会食があって。急にお邪魔しちゃってすみません」
「いえいえ、まったく問題ないです♡何飲まれますか?」
「じゃあハイボールで」
「わかりました」
― 店の人なのか…?
そう思うくらい、澪のオーダー方法はスムーズで、「飲み慣れているんだなぁ」ということは十分伝わってくる。
そんなことを考えていると、さらに澪は話しかけてきてくれた。
「裕太さん、楽しくないですか?」
「そんなことないですよ。こういう華やかな飲み会、久しぶりなので」
“経営者”というと華やかな印象を持たれがちだが、所詮僕はスタートアップだ。毎日必死だし、忙しい。
それに会食も男子が多く、女性経営者やクライアント以外で飲むのは本当に久しぶりだった。
「裕太さんって、今なんのお仕事されているんですか?」
「僕はAI系のスタートアップで…高橋さんとか、木田さんの会社とは全然規模が違いますけど」
「そうなんですね〜すごい♡」
そしてこういう反応も、久しぶりだった。なぜなら、あえてこういう女性がいる場へは最近行かないようにしていたからだ。
別に澪が悪意を持ってやっているわけではないし、一生懸命盛り上げてくれようとしているのもわかる。
でもあまりにも持ち上げられると、若干嘘くさく感じてしまう僕は、相当捻くれているのだろうか…。
しかし次の会話で、僕はもしかしたら澪に対して偏見を持っているのではないか、とも思った。
「澪さんって、この辺りでよく飲んでいるんですか?」
「私ですか?全然ですよ〜。久しぶりに飲みにきました」
― あれ?そうなんだ。
綺麗だし、華やかで先輩経営者たちも嬉しそうにしている。だから勝手に「この人、遊んでいるんだろうな」と思っていたけれど、勘違いだったのかもしれない。
そう思うと、途端に申し訳なくなってきた。
「裕太さんは?よく飲まれるんですか?」
「いや、僕はほぼ今日みたいな仕事関係の会食ばかりですね…」
ただここから、澪は急にギアを上げてきた。
「そうなんですね…良ければ、また飲みませんか?連絡先、聞いてもいいですか?」
「え?あ、はい。いいですけど」
「じゃあLINE教えてください♡」
押されるがまま連絡先を交換し、この日は解散した。けれども、翌日。澪から丁寧なお礼のLINEが来て、なんとなく流れで食事へ行くことになった。
この記事へのコメント
と書かれているけど内容が伴ってない😂
澪はクンクンしながら気に入られようとヨイショしてただけ。この案件(裕太) は大いなる成長株だからたとえ彼女がいようが逃すまいと必死で連絡先を交換した。 自立云々関係有った?
気になるよ。丁寧に言えないのかと。あとボトルorグラス? 誘ったのは澪でも彼が選んで予約したお店であれば彼がホストなので澪がしゃしゃり出て注文しなくてもいい。
タクシーも、「運転がダメで気持ち悪くなったので降りる」は失礼過ぎる。