Q2:男がたった一回のデートで終わらせた理由は?
迎えた初デート。ちょうど一週間前に韓国で案件があったついでに、現地の美容クリニックへ行ったおかげで、肌管理も完璧な状態だった。
しかし髪の毛がこんな日に限ってうまく巻けず、私は待ち合わせ場所に10分遅れてしまった。
「ごめんなさい、道が混んでいて」
「大丈夫ですよ。何飲まれますか?」
「まずはシャンパン貰おうかな…」
カウンター越しに「シャンパンひとつ」とオーダーを済ませ、改めて裕太に向かい合う。
今日もなんだか爽やかな風が吹いているし、そもそも二人で食事に誘ってきてくれたというのは、何かしらの好意があるということだろう。
「澪さんは、何のお仕事をされているんですか?」
「私はIT関連です」
「高橋さんとは、よく飲むんですか?」
「はい、飲み仲間で。なんか昔から、可愛がってもらっていて」
共通の知り合いの話題でひとしきり盛り上がったけれど、これでは何も深掘りできていない。だから私は会話の方向転換を試みる。
「裕太さんってどういう人が好きですか?」
「一緒に頑張れる人がいいな、とは思います。澪さんは、どういう人がタイプですか?」
「私は、優しい人が好きです。欲を言えば、自分より稼いでいる人がいいな…くらいです♡」
本音を言えば“たくさん稼いでいる人”がいいに決まっている。でもここで本音は絶対に言わない。お金目当てだと思われたくないし、そこはひたすら隠すに限る。
そんなことを思っていると、急に裕太が、前回一緒にいた後輩女子のことを聞いてきた。
「ちなみに、もう一人いた女性は?僕、全く話していなくて顔も覚えていないんですけど」
「あぁ。晴香ですか?後輩で」
何だか嫌な予感がしたので、私からこの会話は終了させた。他の女性のことを話されるのは、あまり良い気分ではないから。
「ちなみに、この後どうします?裕太さん、もし時間あればもう1軒どうですか?」
「いいですよ」
こうして裕太が会計を済ませてくれ、私たちはもう1軒行くことになった。しかし最悪なことが、ここで起きてしまった。
タクシーの運転手が道も知らないし運転も酷く、ブレーキを何度もかける。
「すみません、新人なので」
そう言われても、呆れてこちらは物も言えない。
結局裕太が道案内をしてくれたので良かったけれど、ブレーキが多いせいで酔ってしまった。
「ごめんなさい、ちょっと運転がダメで気持ち悪くなったかも…降りてもいいですか?」
「えぇ!澪さん大丈夫ですか?」
そういってタクシーを降り、少しだけ夜風に当たる。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。あのタクシーの運転手さんのせいなので。むしろ裕太さんは大丈夫ですか?」
「僕は大丈夫ですが、無理しないで下さいね」
「私、人より三半規管が弱くて…」
「そっか…」
結局少しだけ夜道を歩き、落ち着いたので目的のお店へ入ることができた。
「どうなるかと思いましたが…良かったです」
「裕太さんに迷惑かけちゃって、本当にごめんなさい」
― せっかくのデートなのに、最悪…。
心の中で、何度もそう呟く。でも嘆いても仕方ないし、過ぎたこと。それに今は目の前にいる裕太に集中したい。
そう思い、気持ちを切り替えて2軒目もたくさん彼の話を聞き、盛り上げて、最大限にデートに、相手に尽くした。
しかしこのデート以降、裕太からは何も来ない。
― タクシーに乗ったくらいで、「気持ち悪い」とか言ったからかな…。
果たして、何がダメだったのだろうか…。
▶前回:3度目のデートで冷めたワケ。28歳女が45歳バツイチ経営者に抱いた「年の差」のリアル
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:8月17日 日曜更新予定
絶世の美女なのにモテない理由は…
この記事へのコメント
ドリンク聞いてさっとスタッフ呼んで注文とか、自分で「シャンパンもらおうかな」と言いつつ自らカウンター越しにオーダーしちゃう所とか。 まぁ高橋さん達と仲良い時点で本命候補には挙がってなかったとも思う。 あと、毎度の事だけど遅刻もNG!自分よりも稼いでる男がタイプとはっきり言うのもNG!
更に、六本木.西麻布界隈に慣れ過ぎてる感
キャバ嬢みたいな振る舞い
解散後のお礼連絡はなく翌日の夕方にいきなりデートの誘い
当日、10分の遅刻
都合の悪い話はすぐに話題を変えるとか感じ悪い
初デートなのに好きなタイプ聞かれてお金の事を言う
多分タクシーの運転手に暴言吐いた?
酔ったのをあの運転手が悪いと人のせいに…
気分悪...続きを見るいなら帰ればいいのに無理して二軒目
澪からの好意が怖いレベルで駄々漏れてた
たくさん彼の話を聞き、盛り上げて、最大限にデートに、相手に尽くした。
最大限にデートに何した? マジメにやってくれよ。読み返せばすぐ気付くでしょうに。