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だれもゆるしてくれない Vol.5

「異性の友達なんて、ありえない」彼氏の女友達に嫉妬する、女子校育ち27歳女の本音

◆これまでのあらすじ

正輝(30)と萌香(27)は、付き合って4ヶ月。けれど萌香は、正輝の大親友が女性の莉乃(30)であることに不安と疑問を抱いていた。

男女の友情が成立すると信じられない萌香は、莉乃とふたりで飲みに行くという正輝に「ヤキモチ妬いちゃう」と素直に伝える。

けれど正輝は莉乃との約束をキャンセルするのではなく、ダブルデートに変更したのだった。

▶前回:「なんかモヤモヤする…」30歳女が、男友達の彼女に会ったときに感じた違和感とは


Vol.5 <萌香>


「私…ちょっとだけ、ヤキモチ妬いちゃうかも」

莉乃さんより、彼女の私を優先してほしい。

そんな気持ちで昨晩勇気をだして伝えたというのに…私は一体何をしているのだろう?

疑問を胸に抱きながら、乾杯の掛け声とともにグラスをテーブルの上で合わせる。

冷たいナチュールワインはしっかり美味しくて、その事実が余計に私を戸惑わせた。

「美味しいね、萌香ちゃん」

「はい、莉乃さん。飲みやすくて」

莉乃さんと会うのは今日で2回目だけれど、相変わらず素敵な人だった。

美人なのはもちろん、いるだけでその場が明るくなるような人。明るくて、冗談がうまくて、さっぱりしていて、魅力的な人。

だからこそ──穏やかではいられない。

“彼女たち”はいつだって、サバサバとした魅力的な女性の姿をしているのだ。

なんの害もない女友達という皮をかぶって、人の彼氏の隣を陣取る女たち。

― 莉乃さん。莉乃さんは違うんだよね?本当に、正輝くんとはなんでもないんだよね?

疑心暗鬼になる気持ちを、私は必死でワインと一緒に飲み下そうとする。

けれど私はどうしても、3年前の出来事がフラッシュバックするのを止められないのだった。

この記事へのコメント

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No Name
先週読んだ莉乃の言い分と比較したら、歳下の萌香の方がよっぽど大人だと思う。
2025/08/18 05:1418Comment Icon2
No Name
アホの正輝、無意識とはいえ莉乃のプレートから生マッシュルーム取り除いてあげるとか何なん? 萌香だけでなく秀治さんも不快に感じたと思うわ。
2025/08/18 05:3218Comment Icon4
No Name
そうそう。莉乃の気持ちは、正輝は幼馴染みで二人の歴史は長くこの親友関係は「絶対」
誰からも壊されたくない。新しい彼女が心配なら秀治も呼んで安心させてあげよう!だった。萌香に遠慮する気持ちは一切無かった。実際、正輝と莉乃が会話の中心で萌香に新参者のような疎外感を与えた。こんな状況では萌香が疑いの気持ちを抱くのも当然。3年前のトラウマがあるなら尚更。
2025/08/18 05:3014Comment Icon1
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だれもゆるしてくれない

有栖川匠


尊敬。愛情。そして、下心。

男と女の間には、様々な関係性が存在する。

なかでも特に賛否を呼ぶのは、男女の間の”友情”は成立するかどうか。

その関係は、果たして「ゆるされる」ものなのか──?

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