◆これまでのあらすじ
莉乃(30)と正輝(30)は、性別を超えた大親友。けれど正輝の彼女・萌香は男女の友情が成立するとは信じられず、莉乃と正輝がふたりで飲みに行くことを許せなかった。
素直に嫉妬心を打ち明けたものの、正輝は「じゃあ、萌香も来れば?」と提案し…。
▶前回:「彼氏が女友達と2人で飲みに行くのが嫌!」27歳女が、素直に伝えたら男がとった意外な行動とは
Vol.4 <莉乃>
「乾杯〜!」
テーブルの上で、グラスを合わせる。
キリッと冷えたナチュールのシャルドネはクリーミーな風味で、15歳から3年間過ごしたカリフォルニアの景色が自然と思い出された。
「美味しいね、萌香ちゃん」
「はい、莉乃さん。飲みやすくて」
向かいの席で可愛らしく笑う萌香ちゃんの顔を見て、私はホッと胸を撫で下ろす。
ここ中目黒の『ニュイ』も、正輝と私のお気に入りの店だ。
フレンチが好きだという萌香ちゃんが喜んでくれるといいな、と思って予約したけれど、気に入ってくれたみたいで本当によかった。
会うのが2度目になる萌香ちゃんは、以前よりも親しみやすい雰囲気に感じる。
先月初めて正輝に紹介してもらった時に一瞬だけ怖い顔をしているように見えたのは、きっと少し緊張していたか、単なる見間違いだったんだろう。
― ううん、それとも…。
わずかに感じる“しこりのような心当たり”を確かめるように、私はもう一度ワイングラスに口をつける。
昨日の深夜に正輝から入っていたLINEのメッセージ。
それを見た時に感じた“心当たり”を。
この記事へのコメント
そうじゃないんだよ、少し遠慮しろって事なのに。
“世の中には男女の友情を疑うことしかできない、視野の狭い人間がいる” 視野が狭いのはどっちよ? 自分と違う考え方を理解出来ない…自分の意見がいつも正しいと思ってる感ダダ漏れ。秀治さんも呆れてたし。