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52歳のバナナマン設楽が見せた大人の色気「夢中になれるものがある大人って、かっこいい」

東京のリアルを語るにふさわしい52歳の代表として、熱烈なラブコールを送ったのはお笑い芸人、バナナマンの設楽 統さん。

撮影の舞台は前身の『ラ・ベル・エポック』時代から数えると、設楽さんと同じく52年の歴史を刻む「オークラ東京」の老舗フレンチ『ヌーヴェル・エポック』。

普段見せる“お昼の顔”とは異なるジェントルマンを東カレの世界観に寄せて演じてもらった。そして語られた自身が感じる“52歳のリアル”とは―。



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「色気があると言われると嬉しいけれど、自分ではピンと来ないです」

バナナマンの設楽 統


チョコレートブラウンに濃ゆいグリーンのシャツ。のぞくネクタイはペイズリー。

気負いすぎず、かといってくだけすぎない。ドレスコードのある格式ある老舗フレンチで、絶妙なさじ加減でスーツを着こなせるセンスにまず脱帽。

続く食事のシーンの撮影では、慣れた所作で白いクロスを膝に置き、前菜からデザートまで、カトラリーを美しく操り、きれいに平らげる。

設楽さんを見ると、大人の色気には“品”もセットなのだと思わずにはいられない。

「テーブルマナーは親父が秩父のホテルで支配人をしていたので、幼い頃から身についていたのかもしれないですね。

色気については自分ではよくわかんないです。日村さんも俺に言うんですよ。“なんか色気がすごいあるらしいね。女性スタッフたちが言ってるよ”って。

でも自分で意識なんてしてないですし、特別なことをしているわけでもない。ただ、なんか嫌な感じにしない、っていうのは常に思っていますね。どんな場でもどんな相手に対しても」

歳を重ね、ましてやキャリア的な成功を手に入れると、つい不遜な態度が出てしまう人も多い。だが、設楽さんにそんな欠片は微塵も感じない。

本人はそれを「田舎者だから。小心者でビビりだし、やっぱりまだ自分は偽物なんじゃないか、っていう感覚が抜けないんですよ」と笑う。

芸人人生32年目。設楽さんが52歳のいま、考えていること


出身は埼玉県秩父。若い頃から、東京は眩しい存在だったという。

バナナマンの設楽 統

若くに結婚したため、レストランでデートという経験は皆無だとか。「今は奥さんの不在時に、美味しいものに釣られた娘と2人でちょっといいところで食事することが楽しみ」


「高校生になって、買い物で東京に出るようになるんだけど、ゴローズとかクロムハーツって聞いても、本物っていうものがよくわかってなくて。だから僕ら、ウォレットチェーンが流行った時も、工務店でガチのチェーンをメーターで買ってました(笑)。

そんなんだから、さまぁ〜ずさんやおぎやはぎみたいな本物の東京芸人と比べると、もう全然。東京での暮らしが人生の半分を越えたとはいえ、いまもどこか“本物の東京”に憧れている部分がありますね」

では、そんな設楽さんが考える“かっこいい大人”とは、どういう人を指すのだろう。

「夢中になれるものがある人、でしょうか。所ジョージさんとか、まさにですよね。

僕は昔から、趣味は?特技は?って聞かれる度に“白目と耳かき”って答えていたくらい、本当に誇れるものがないんです。でも日村さんは、“料理”とかってすぐ言う。家にガスが通ってなかったのに(笑)。

僕がもし唯一言えるものがあるとしたら、それはお笑いで。趣味や特技とは違うのだけれど、これからも続けていきたいものに変わりはないですね。ただ最近は、老後は何したらいいんだろう?って不安になることもあります」

「残りの人生を逆算したら、欲しいものは早く手に入れなくちゃ」


二刀流、三刀流もめずらしくない芸能の世界で、シンプルにお笑い、話芸だけでサバイブできるのは20代、30代、40代と常に結果を残してきたからに他ならない。そして、その土台があって設楽さんの“いま”がある。

老後を考えるには、まだ早い気もするが……。

バナナマンの設楽 統

私物というエルメスのブレスレットとワインが洒脱で絵になる設楽さん。「家族で記念日など、いい店に行こうというときは、マルジェラやグッチのジャケットを引っ張り出してきますけど、本当にたまに、ですね」


「仕事は求められる限りは続けたいですが、生涯現役!と意気込んでいるわけでもないです。いままで通り、流されるままに生きていけたらいいなぁ。

ただ、“人生100年時代”というフレーズを耳にしたときに、自分はなぜかそんなに生きないんじゃないかと思ったんですよね。そうしたら、欲しいものはそろそろ手に入れておかなくちゃ、と」

以来、記念日や誕生日といった口実をつけて買い物をするのをやめるようにしているという。

「いま、心を動かされるのはビンテージの古着やジュエリー、昔から憧れていた家具ですね。

古着は奥さんには“また買ったの?”と呆れられていますけど、手当たり次第、買っているわけではないんです。本当に自分が好きなものだからこそ、手に入る喜びがあります」

食事についても同様だ。

「僕は雑食でコンビニ飯もチェーン店の定番でも幸せになれるけれど、今日みたいな高級店で、旬の食材をその時季に食す喜びも知っている。それが大人になったということかもしれません。

ただ、昔に比べて量を食べられなくなったのは事実。蕎麦屋でもり1枚で満足できる日が来るとは、想像してなかった……。これが52歳のリアルです(笑)」

最後に、今号の表紙を白石麻衣さんが飾ることをお伝えすると……。

「僕は普段、東京カレンダーとは遠い世界で仕事してるんでね、ほんと。表紙6回の白石麻衣さんには全然及びませんよ」とニヤリと笑いつつ、「ちょうど卒業のタイミングがコロナ禍ということもあって、ごはんに行くタイミングがないままなんですよね」と続けた。そして、「しらいしー、今度東京カレンダー仕込みのいいお店に連れてってください」とメッセージを寄せた。

いままでもこれからも、流れに抗わずに生きていく。それが、52歳の設楽さんが考えるリアルだ。

■プロフィール
設楽 統 1973年生まれ、埼玉県出身。1993年に日村勇紀とバナナマンを結成。『ノンストップ!』など帯番組のMCも務める。2024年2月に開催された2DAYSライブ公演を収めたBlu-ray『赤えんぴつ in 武道館』が好評発売中。赤えんぴつ初の全国ツアー開催も発表された。

■衣装
シャツ¥46,200〈フィナモレ/アマン TEL:03-6805-0527〉、スーツ¥291,500〈ボリオリ/アマン TEL:03-6805-0527〉*スーツは参考商品、その他すべてスタイリスト私物


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