絶対に負けられない接待が、今宵はある Vol.2

受注後の社長会食。『旬房』の個室で堅い握手

大平副社長と提案した新宿の大手百貨店の新システム構築案件が無事受注できた。プロジェクトに入る前に、まずは社長の橋本(60)と共に受注の御礼会食を設定した。先方は関塚社長(63)と太田システム部長(55)が出席する。自分だけ30代の若造だが、怖じ気づいてはいられない。

取引が始まる際の社長同士の顔合わせ会食ということで、車を使うことも考えると、ホテルでの会食が無難であろう。個室も完備するグランド ハイアット 東京の『旬房』を選択した。予算的にも一人1.5万円程度と高すぎることはない。

橋本社長と開始15分前に店に入り、先方を出迎えた。

「関塚社長、この度は当社に依頼いただき、ありがとうございます!」

橋本社長と関塚社長の力強い握手から会食は始まった。

懐石料理が運び出され、お互いの会社の近況を語らう。

「百貨店といえども、EC化率を上げていかねばならないという課題は認識しておりました。ぜひECに強い御社に、お力添えいただきたい」

たしかに小売業のEC化率は高まるばかりだ。米国と比べて日本のEC化率はまだまだ低く、特に大手百貨店はまだどこもまともにEC対応できていない。我々はECへの知見が深く、この百貨店の力になりたいと思っていた。

日本酒で杯を交わしながら、小売業界の談義が盛り上がる。橋本社長も関塚社長も80年代から小売業に関わってきた。未来だけではなく積もる話もある。

社長同士での会話が盛り上がる中、私は太田部長との会話のみならず関塚社長とも積極的に話すように心掛けた。

「百貨店のブランドや店舗を持つ強みを活かしたEC事業は、既存の延長線上の考えでは生まれません。私は、新しい発想の導入を関塚さんや太田さんとチャレンジしたいと思っています」

システム導入のプロジェクトはトップダウンで進めていくのが効率的で、何かあった際にクライアントの社長に直接進言できる関係性を築くことが何より重要だ。『旬房』での接待では、社長同士、関塚社長と私という関係性は十分築けたのではないかと思う。

宴もたけなわとなり、社長同士は一足先に帰路に着き、太田部長と私は実務に付いて詰めるために同じグランド ハイアット 東京内のBAR『マデュロ』に席を移し、もう一杯飲むことにした。


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