表紙カレンダー Vol.130

「私、頑張ってる」芳根京子が神楽坂の鮨店でこぼした、素直なひと言の裏側とは

ひたむきに仕事と向き合う大人にとって、パワーチャージとも癒やしともなる時間が鮨店にはある。

鮨こそ大人のご褒美であり、そんなシーンにいまぴったりなのが、俳優の芳根京子さん。デビューから12年。第一線をひた走り、主演作も数知れず。

多忙の中お呼びしたのは、神楽坂でいま話題の鮨店だ。そこで用意されていたのは、運命的な上物のまぐろだった。



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「美味しいお鮨を食べて、明日から一層頑張れる気持ちになれました」

芳根京子

まぐろの塊に向かって「ありがたいです」と手を合わせていた芳根さん。赤身の握りを口にし、「幸せです!」と顔をほころばせる。まぐろ4貫を食べ、毎度感動していた


撮影を終えると、「ご褒美をありがとうございました」と満ちたりた雰囲気の芳根京子さん。

聞けば随分久しぶりのお鮨。現在放送中の主演ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS)の撮影に入った昨年11月以降、外食もしていなかったとか。

「お弁当ももちろん美味しくてありがたいですけれど、お店で目の前で作ってもらって、それをいただけるって贅沢ですね」としみじみ。

万が一を考慮し、生魚も控えた数ヶ月間だったから鮨が染み渡る。「頑張っているから、ご褒美のようです」とのことだったが、その胸中をもう少し聞いた。

「TBSさんの火曜夜10時枠の主演は、ひとつの夢でした。それを叶えられてすごく嬉しい自分と、もう少し寝たいとか、台本と向き合うひとりの時間がほしいとか、そう思ってしまう自分のギャップがありました。

お仕事に恵まれるのはそもそも幸せでありがたいことなのに、ちょっとだけ苦しいという葛藤。ただ、ドラマの撮影が立て込むいまの生活は3月までなので、ちょうど折り返した時だったんです。

もうひと踏ん張りのタイミングで美味しいお鮨を食べられたおかげで、明日から一層頑張れる気持ちになれました。だからあまり言わないですが、“私、頑張っている”と言っちゃいました(笑)」

ご褒美が本音を引き出した。鮨は思い出深い食事でもあった。

「一昨年の夏、母の実家のお墓参りに北海道に行って。母の友人が予約してくれたお鮨屋さんが本当に美味しかったんです。何かあったら“お肉!”と言う焼肉派の私が、お鮨ってこんなに上品で美しいのかと驚いて。

お鮨屋さんはすごくエンターテインメントな空間だと感動しました。両親が感動している姿も見れたので嬉しくて、忘れられない時間になりました。そのお店は東京に分店があると聞いたのですが、なかなか機会がなくて。

両親をいいお鮨に連れて行きたいけれど、どこがいいか分からない。そんな中で今日の体験があったので、こちらのお店も両親と一緒に訪れたいと思いました」

家族での食事が好きで、作品を撮り終えた時には「家族と打ち上げをしています(笑)。体調崩さないようにと常に願ってくれているので、これもチームかなと。そう言いつつ、みんなでちょっと贅沢してもいい言い訳にしています」と、笑う。

「これからもずっと楽しんで演技する」。国民的女優の仕事の流儀とは?


撮影がない期間は自炊派だ。

「スーパーで1週間分の食べたい食材を買い込んだあと、“さあ何を作ろう!”とパズルのように考えるのが好きです。きっちり使い切った時が気持ちよくて」と楽しそうに語る。

一つひとつの食のエピソードの情景が浮かぶ。感受性が豊かなのは、俳優の仕事の影響もあるのだろうか?

芳根京子

「おつまみにビールが進みます。顔はまったく赤くならないタイプです(笑)」


「自分自身の蓄えになるというか、それぞれの役から自分にはなかった感情が芽生える瞬間があって、新たな気付きになるので、この仕事をしていると厚みのある人間になれる気がしています。

役を吸収して自分が変わると思うと怖いけれど、新たな回路が生まれている感覚になると強いなって思います」

つらい感情を抱える役は負担も大きくなりそうだが、その対策は?

「いまの作品の役(まどか)が、喜怒哀楽がはっきりしていて、そういう毎日を過ごさせてもらっているから、いま心が健康な感じがしています。

役に引っ張られることは自分が気付かないうちにあるんだと、ネガティブじゃない役を演じているいまだから冷静に実感しています。だからこそ、どんな役でも受けとめられるように自分自身が健康でいなきゃいけないし、コントロールできるようにならなきゃいけない。

自分のご機嫌をとることが必要なので、私の中で食はとても大切な時間だと年々感じています」

「作品に参加させてもらえるというのは、当たり前ではない」


主演が増えていく中で、自分自身に感じる変化や成長を聞いた。

「新しい作品に入れば、チームとしては初めましての人も。自分が思っているように伝わらなかったり、進まなかったりする瞬間がどうしてもあります。

それで前は、“なんで私はうまくいかないんだろう”と考えてしまっていたけれど、いまは“みんなこの作品は初心者。何が正しいかを全員が探りながらやっている”と思えるようになって、楽になりました。より一層コミュニケーションをとろうという気持ちにも。

例えば、自分より若い役者さんも増えてきているので、“絶対にひとりにしない”と直接言うことも意識しています。孤独な仕事だと思うので、“みんなで作ろうね”と伝えたくて」

それは心に余裕を持てた結果の変化のはず。思い当たるきっかけとは?

芳根京子


「母がすごくポジティブで、“いまのあなたが越えられる試練しか来ないからね”という言葉に救われています。

色んなタイミングで、いまこういう壁にぶち当たっていると私が言うと、母はいつも、“さあ、神様はあなたに何を学ばせたいのでしょうか?”“これを越えたらどう成長できるでしょう?”という感じで言って、私は“う〜ん”と考えるみたいな。

一緒にビールを飲みながら話して、砕けながらも考えられる時間を作ってくれるのがありがたい。一緒に言葉にしようとしてくれる母の存在が支えになっています」

少し瞳が潤んでいるように見えた。最後、これから叶えたいことを聞いた。

「ずっと楽しくお芝居をしていたいです。それ以上ないというか、願いでもあり夢でもあることです。

願っていてもご縁の世界。作品に巡り合えるかもそうですし、チャンスをもらえるかも分からない。自分のメンタル面や体力面も関わりますし、色んなことがそろって初めて楽しくお芝居をできると思っています。

だから少なくとも自分のことは整えなきゃいけない。作品に参加させてもらえるというのは、当たり前ではないと感じています」

仕事以外で挑戦したいこともあった。

「去年初めてサーフィンをして、まだ1回だけなんですが、“うわぁ、すっごい楽しい!”と思ったので続けたいです。私、海と好相性なのかしらと思うほどリフレッシュできました」

爽快な時間を回想するような笑顔で言い、「運動神経よさそうです」と伝えると「球技以外は」と笑う。

心身の健やかさを整える方法を知り、シンプルな夢の難しさも知る。聡明なのだ。

そして、自然と湧いてくる感情を大切にする芳根さんだから、その表現も観る人への浸透力が強いのかもしれない。

■プロフィール
芳根京子 1997年生まれ、東京都出身。主演ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS 毎週火曜22:00~)が放映中。今年1月に配信がスタートしたドラマ『晴れたらいいね』(Amazon Prime Video)に出演。

■衣装
シャツワンピース¥57,200、ワンピース(参考商品)〈ともにマックス アンド コー/マックスマーラ ジャパン TEL:0120-030-535〉、イヤーカフ¥165,000(1ヶ)、リング(右手)¥187,000、ネックレス¥198,000、ブレスレット¥269,500〈すべてオー/ハルミ ショールーム TEL:03-6433-5395〉


▶このほか:「なぜ、こんなにも輝いているんだろう…」浜辺美波の目が、思わず釘付けになった女性とは



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