デートの定番ジャンルとして、ここ数年でその地位を確立した焼き鳥。各エリアに名店はあるが、銀座なら『焼鳥 ひら野』がオススメだ。
場所は、昭和通りと中央通りに挟まれたエリア。賑やかさとは一線を画す落ち着いた雰囲気。白壁や格子戸の凛とした佇まいが存在感を放ち、大人の上質な夜を予感させる。
店主は東京を代表する名店『鳥善 瀬尾』などで活躍し、焼き鳥職人としての腕を約20年にわたって磨き続けてきた平野郁侍さん。
「焼き鳥を鮨や天ぷらに匹敵する料理へ昇華させる」という志を抱いて、2022年2月に開業した。
木の温もりにあふれた高級感溢れる店内。
焼き台では紀州備長炭を使用。最新の換気設備を導入しているので、香りが気になることもない。
また、焼き鳥のコースが始まる前に「御味酒」が提供されるのも興味深い。
着席すると、鹿児島・西酒造に特注した「天賦 純米大吟醸」が目の前に置かれ、こちらを味わう。
「近火の強火」でしっかり職人による、こだわりの焼き鳥
焼き鳥の特徴は、“焦げを育てる”をテーマにした伝統的な手法“近火の強火”。
コースは串焼き10本に季節の料理3品、食事などで構成。
クセが少なく、鮮度を重視した仕入れを実現できる「甲斐信玄鶏」を紀州備長炭の強火でギリギリまで焼き込み、旨みが最高潮に達したのを見極めて提供する。
「手羽先」。ゼラチン質や脂肪が多く、余計な油を落とす事により皮がパリっと濃厚な旨みが特徴。
「さび焼き」。肉質が柔らかい為、下処理度と火入れ加減で優しい風味、淡白な味わいを残す。
「皮」。香ばしい香りと、多彩な食感の共演を楽しんでほしい。
タレをつけてサッと火入れした「レバー」。口の中でプルッと弾けたかと思えば、ジュワッと旨みが溶け出す。
〆は築地『宮川食鳥鶏卵』で仕入れる濃厚な卵を使った「親子丼」、または「稲庭うどん」、「そぼろ丼」から選ぶことができる。
「ワインペアリングコース」(¥15,800)もあり、そちらも人気が高い。
キャリア20年強の大将だからこそなせる、完成度の高い料理の数々。訪れれば、その味に虜になるはずだ。