2025.01.18
男と女の答えあわせ【Q】 Vol.251Q1:初デートで女が思っていたことは?
百合と出会ったのは、知り合いが開催した食事会だった。期待せずに参加したのに、笑うと口角がキュっと上がる百合が可愛くて、しっかり心を掴まれてしまった。
食事会の後、早速個別で連絡をしデートに誘ってみたら、なんとOKをもらえた。
変形カウンターが楽しく、話しやすい上に料理も美味しい、恵比寿にある『福味み』で初デートをすることになった。
初回でも感じてはいたけれど、とても話しやすく聞き上手で、良い子だった百合。
しかもラッキーなことに、百合も今フリーで彼氏を探しているという。
「え!百合さん、こんな可愛いのに?本当に今彼氏いないんですか?」
「そうなんです…実は先月別れたばかりで。哲也さんは?」
「僕もですよ。しかも今、真剣に結婚相手を探していて。百合さんは?」
「私もです。今年で32ですし、真剣に結婚したくて」
「僕は、もう周りがほとんど結婚していて…」
「そうなんですよ!」
百合も未婚で、今年34になる僕も未婚だ。しかもお互い結婚したい…。
このゴールが違うとすれ違いが起こる。その点も含めて、出会えたタイミングも完璧だ。
「本当に、続々と独身が減っていきますよね…」
僕の言葉に、百合も深く頷く。30歳前後まではあまり感じていなかったけれど、ここ最近は特に独身の友人がどんどんいなくなっていく。
「みんなパパッと結婚を決めていて。すごいなぁって思います。哲也さんは、どういう方がタイプなんですか?」
「僕は笑顔が素敵で、何かを頑張っている人かな」
「それは、仕事とか?それともなんでもいいんですか?」
「うん、なんでも。頑張っている姿って、美しいじゃないですか」
「そうですね」
カニの身がたっぷり入っており、そこにチーズのコクが加わり口の中でさらに贅沢さが増す「蟹味噌クリーム春巻き」を食べながら、気がつけばお互いのタイプに始まり、結婚観の話にまで発展していく。
「百合さんは?どういう方がタイプですか?」
「私は、尊敬できる人かな。あとは思いやりがある人かな」
「思いやりは大事ですよね。お互い尊敬し合える、というのも素敵です」
そう話していると、百合のグラスが空いたことに気がついた。
「次、何を飲まれますか?」
「どうしようかな…。哲也さんって、すごく気が利きますよね?最初にお会いした時から思っていたのですが」
「そうですか?営業職だからかな」
グラスが空になったら聞いてしまうのは職業柄、接待が多いからかもしれないが、それに気がついてくれる百合も素敵だなと思った。
― この子、性格までいいんだな…。
「百合さんも、すごく気遣いをされる方ですよね?」
「どうでしょうか。哲也さんほどではないですよ」
お互い謙遜しあっているのが面白くて、つい笑ってしまう。
「私、結婚するなら優しい人がいいな」
「それは間違いないですね」
この食事を通して、百合の性格の良さや気立ての良さがよくわかった。だからごく自然に、「また次も会いたい」と思っている自分がいる。
「百合さん、今日はとても楽しかったです。よければ、また食事へ行きませんか?」
「もちろんです」
こうして、心地よい空気を抱えながらお互い帰路についた。そしてこの翌月、僕たちは二度目の食事へ行くことになる。
だから、もう完全に治ったのかと思うけど。まだデートする気分にはなれない程度の回復だったのか…。
彼女としては、気遣ってリスケの提案してくれよって事?
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