2024.11.12
今年1月、六本木に誕生した焼肉店『士士』。その店内に、今秋から肉割烹が密やかに始動したという情報が。
早速検証すべく、食べ手として現れたのは、韓国の人気グループ2PMのチャンソンさんだ。
日本での活動を本格化している彼が、極上の肉で活力を得て、港区の夜を知る。
「肉寿司を食べたら、お肉とご飯が口の中で親友になった」
その食レポは、あまりに見事だった。チャンソンさんが肉寿司を食べたあとに発した言葉だ。
「薄く切った生の牛肉が甘くて、口の中でご飯とひとつになります。例えるなら、性格はまったく違うけれど、口の中で一番の親友になる感じです」
母国語ではない日本語を真剣に選びながら伝えてくれた。そもそもの感性の豊かさが地盤にあるから、言葉がグッと入ってくる。その後のインタビューも、基本は日本語で行われた。
今回は肉割烹での撮影となったが、他に好きな日本の肉料理を聞いた。
「牛タンかな。韓国にもあるけど、塩ダレがついたものを焼いて食べることはあまりないです。だから日本に来るとよく焼肉屋さんで食べます。薄い方が好きで、す〜っと焼きます」
網にのせるジェスチャーつきで話す。今年はすでに複数回来日。肉以外に最近印象に残った日本のグルメは?
「うちの社長に誘われて行く表参道のお鮨屋さんが美味しいです。もう3回は行きました。
あと、この前ファンミーティングのイベントが終わって帰る前、築地でまぐろを焼いてくれる『とんぼや』に行きました。その時はラーメンとホルモン丼も食べました」
完全に賑わいが戻った築地場外。身長184cmで芸術的顔面のスターが気づかれないわけがない。
「日本のファンの方に、“チャンソンさん、昨日良かったよ!”と声をかけられたので、“ありがとうございました!”と答えました」と何気なく言う。
一方、韓国での肉料理の思い出話は、豪快かつコミカル。
「すごく昔ですが、ある監督と俳優と僕という、ずっと仲がいい3人で、“牛肉でワインを飲もう”となりました。
3人ともワインのことなんて全然知らなかったんですよ。でも、牛肉を食べながらワインを飲むのが格好いいと、やってみたくなったんです。それで一緒にコストコに行って牛肉をいっぱい買って、肉を焼きながらワインをひたすら飲んで、3人でボトル13本を空けました(笑)。
でも、僕は次の日に体の調子が悪くなって、1週間ぐらい歯の下からワインの匂いがしました(笑)」
当時、「ワインが苦手になったかも」と危惧したものの復活。34歳となったいまは適度に嗜む。「僕はお酒の席の雰囲気が好き」と、コミュニケーションを重視する飲み方だ。
なお、2PMは今年9月に16周年を迎えたが、いまでもメンバーと飲むことがあると話す。
「最近だと韓国でウヨンくんのファンミーティングがあったので、公演を見て打ち上げも行って、良かったよという話をしながら一緒に飲みました。
そういうきっかけがないとスケジュールを合わせるのがなかなか難しいから、会える理由を作った感じです」
初の肉割烹に魅了されたチャンソンが、日本での活動を大切にするワケ
日本の活動も好調。今春からCS放送が開始された主演ドラマ『純喫茶イニョン』の主題歌『これからの君のために』を自ら歌い、日本でのシングル第2弾として12月に発売予定だ。
ドラマは“その喫茶店を訪れると、途切れた縁が再びつながる”との噂を軸に展開するが、チャンソンさんが大切にする“縁”の話を聞いた。
「個人の活動はJYP(2PMが所属する事務所)から会社が変わったんですが、JYPに協力できることがあれば、なるべく参加したいと思っています。
9月に韓国でJ.Y. Park(JYP代表)さんのデビュー30周年記念番組があって、“参加できますか?”と聞かれ、答えは絶対に“はい”でした。本当にいろいろな思い出を与えてもらって、ずっと切れない縁を感じているからです。
J.Y. Parkさんは会社運営以外に個人の歌手活動も諦めず、ずっと続けてきた人。しかも、ずっとフレッシュなままで、常に新しいものを生み出そうとしています。そういう歌手としての精神も本当に尊敬しています」
続いて新たな縁の話に。来年2月に公開される日本映画『誰よりもつよく抱きしめて』で共演した、三山凌輝さんとの出会いにも縁を感じている。
「撮影が始まっても、ちゃんと話せる機会がすぐにはなかったんです。でも撮影が進んで、ある日、マンションの楽屋で久保(史緒里)さんと凌輝と僕の3人が一緒になって、ケータリングを食べることになりました。
テーブルもなく、ただ同じ方向を向いて並んで食べて、ちょっとしゃべり始めたら、気づいたら1時間ぐらいしゃべっていて、その日から距離が近づきました。
凌輝と話すと愉快な気持ちになりますし、エネルギーをもっている面白い人間。僕も凌輝も最初に俳優デビューしてからグループ活動を始めた共通点もあって、一緒にお酒を飲むと、こんな止まらずにしゃべれるのかなと思うくらい、いつもしゃべります(笑)」
その映画もそうだが、チャンソンさんが日本の作品に出演する時は、日本語が流暢な韓国人という設定が多く、撮影前に悩むことも少なくない。
「例えば“すみません”という簡単なセリフでも、僕のニュアンスがどんな気持ちに聞こえるのか深くは分からない。だからひとりで練習する時、僕が知っている日本語を話すより3倍難しく感じて、どうしようと悩みます。
でも日本に来て現場に行くと、韓国で練習しながら感じたものを整理できて、相手も日本人だし、反応を見ながら、自然とこれかな!と確信をもてるようになります。
日本の人たちの反応を見ることが大切なので、現場で状況を想像しながら、僕の出番じゃなくても見るようにしています」
「待っていてくれる人のために、日本での活動を続けたい」
いまも日本語の勉強は継続中。韓国でも十分にオファーがあり、母国語で仕事を受けられるのに、日本の作品に意欲的になってくれるのはなぜか?
「アーティストとして成長し続けないとダメという気持ちがいつもあって、自分を成長させてくれる場所だからです。日本のファンの皆さんも待ってくれています。
そしたら、日本での活動をやらない理由がないです。応援し続けてくれる人のためにも、小さくても大きくても、なんとかして会えるきっかけを作るし、バラエティ番組に出演するのもいいし、演技でもいい。
いろんな方法で活動して、ファンの皆さんを喜ばせられたら、僕にとっても嬉しいことになります」
取材後、「ありがとうございました!すごく楽しかったです!」と店にもスタッフにも伝え去っていったチャンソンさん。
シンプルな言葉だが、その響きは確かに実直で美しいものだった。
■プロフィール
チャンソン 1990年生まれ、韓国・ソウル出身。2006年に俳優デビュー。2008年に2PMとしてデビューし、2018年には日本でソロデビュー。今年3月に主演ドラマ『純喫茶イニョン』(フジテレビTWO×ひかりTV)が放送開始。2025年2月に出演映画『誰よりもつよく抱きしめて』が日本で公開予定。
▶このほか:世界を見据えて突き進むBE:FIRSTの、SHUNTO、RYOKI、SOTA、3人の絆とは?
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