マティーニのほかにも Vol.14

10月になると思い出す元カノ。年上女に恋した42歳男が、独身を貫き通しているワケ

東京に点在する、いくつものバー。

そこはお酒を楽しむ場にとどまらず、都会で目まぐるしい日々をすごす人々にとっての、止まり木のような場所だ。

どんなバーにも共通しているのは、そこには人々のドラマがあるということ。

カクテルの数ほどある喜怒哀楽のドラマを、グラスに満たしてお届けします──。

▶前回:「好きになっちゃった…」22歳・東大女子が初めて恋に落ちたのは、意外な相手で…


Vol.13 <マルガリータ> 小平諒(42)の場合


マホガニー製のバーカウンターを念入りに拭き上げた諒は、冷凍庫から氷の塊を取り出した。

ひんやりとした冷気をまとう氷塊は、諒が日頃使っている、コーヒーチェーンのマグカップほどの大きさがあるだろうか。

諒は、無骨に大きいその氷塊をしっかりと押さえつけると、アイスピックで小さく......


この記事へのコメント

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No Name
すごい綺麗にまとまっていて素晴らしい!!
何よりも泣けた。大事な人をある日突然失うのは本当に辛い事だよねぇ。15年も引きずってきた気持ちが少し楽になり、前に進めそうで良かったよ。この連載本当好き。
2024/10/23 05:2047返信1件
No Name
すごい深い! 様々な繋がりやヒントを散りばめて、ものの見事に全て回収してある。ハロウィンからの「うちは幽霊だって大歓迎」の意味とか、バーテンダーの恋人(マルガリータ)は猟銃の流れ弾にあたる事故で亡くなっていて瑶子の事故を同じように表現したり、年の差関係ない事は俺たちがとっくに分かってたとか。 アホな港区女子やら、ものもらい人のせい男の話とは大違い!
2024/10/23 06:0741返信1件
No Name
訳ありなマルガリータなんだろうなと思いながら読んだら、瑶子さんに捧げる献杯だったのね。 切ない…。そして佐藤さんの観察力もまたすごいから、再来週彼のバーに誰が来るのか楽しみだけど、最終回なんて残念でならない。
2024/10/23 05:5834
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