離婚カレンダー〜夫婦の正しい終わり方〜 Vol.13

「まさか私が、泥沼離婚するなんて…」35歳セレブ主婦が、結婚5年で直面した金銭問題

◆これまでのあらすじ

夫と離婚調停がなかなか思うように進まない楓。そんな時、大学の同級生の結婚式で元彼・賢司と再会。
思わずドキドキするものの、賢司からの誘いを振り切り、調停の争点である“夫と別居した時期”が最近であることを裏付ける資料を作り上げた。

▶前回:「私、夫と離婚するの」10年ぶりに再会した元彼に打ち明けたら、男は意外な反応で…


Vol.12 離婚調停が決着する


「あら、花奈。どこか具合悪いの?」

食卓を片付けようとした楓は、思わず心配そうな声を漏らした。

朝8時。いつもの花奈であれば、すでに朝食を終えて機嫌良くテレビの教育番組を見ている時間だ。

だが、テーブルの上の皿には、小さなパンケーキとフルーツが手付かずのまま残されている。

「うん、お腹空いてない…」

そういえば、少し頬が赤いし、目もとろんとしている。花奈のおでこに手をあてると、じわりと熱かった。

「熱がありそうね。幼稚園、お休みしようか」

幼稚園に欠席連絡をするため、楓はテーブルに伏せたスマホを手にとる。そして、花奈を椅子から下ろし、寝室へと促した。

寝室には、シングルベッドが2台横並びで置いてある。それぞれ楓と光朗のものだが、光朗はもう長いことこのベッドを使っていないため、すっかり花奈のベッドのようになっていた。

枕元に並べたお気に入りのぬいぐるみのひとつを手にしてから、花奈はベッドに横になる。

そして何を思ったのか、唐突に尋ねたのだった。

「ねえ、ママ。パパはもうおうちに帰ってこないの?」

娘の問いに、楓はびっくりして顔を上げた。

おそらく春以降、花奈の口から聞いたことがなかった「パパ」という言葉。

幼いながらに我慢をしているのかもしれない、と思ったことはあった。

だが、これまで「会いたい」と言われたこともなかったから、親子といえど時が経つにつれ執着は薄れていくのだろうと納得していたのだ。

「どうして、そんなこと聞くの?」

楓は優しく聞き返した。熱のある子どもに言うことではないと思いながら、これ以外の言葉は見つからない。

すると花奈は、うさぎのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて答えた。

この記事へのコメント

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No Name
想像をはるかに上回るご都合主義的な... 多分、色々と話を広げ過ぎて書き手本人が過去に書いた内容を忘れ始めて、もう収拾がつかず、“うさちゃんのぬいぐるみで許してちょ” って感じ? しかし楓がすんなり就職出来たなんて有り得ない!!
2024/07/04 05:2548返信2件
No Name
離婚を迫られて、別れたい理由すら確認しない人なんていない。しかも楓は元々彼を愛していて何不自由ない生活で幸せをかみしめて疑う事すらせず平和に暮らしてたのに。その辺り含めた主人公の感情表現と話の展開が不自然過ぎた。 そして最後の最後まで真壁は全くの無能だったし、最後夫が詫びるとかコロコロ性格変わって意味不明。 ヒントかなと思わせておきながら回収率2%以下ってとこ? 😂
2024/07/04 05:3439
No Name
こんなグダグダな離婚しちゃダメですよという、NG例ですかね?! まず夫の不貞を確認&証拠を集めて「私は離婚したくない」と調停→離婚裁判を起こし、最後の最後は財産分与等自分に有利な形で離婚に合意すれば良かったのに。マキリータマカベはニセ弁護士でしょうかね。
2024/07/04 05:4333返信1件
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