離婚カレンダー〜夫婦の正しい終わり方〜 Vol.11

友人の結婚式で、10年ぶりに元彼と再会した34歳女。思わずときめいてしまったが…

◆これまでのあらすじ

別居中の夫が置いて行ったアタッシュケースには、相当な金額分のゴールドが隠されていた。一瞬「財産分与の金額が増えた」と喜ぶが、夫のあまりの秘密の多さに不安をも覚える。
そんなとき、大学時代の友人の結婚式で元カレ賢司と遭遇。変わらない香水の香りに、当時の思い出が蘇った楓は…。

▶前回:夫が妻に内緒で隠し持っていた、2,600万円相当の隠し財産。秘密を知った妻が取った行動


Vol.11 夫婦それぞれの主張


学生時代の元彼と友達の結婚式でバッタリ…なんてよくある話だ。

けれど、賢司がつけている当時と同じ香水のせいで、昔の感情や記憶が蘇ってしまう。

― 私、もう結婚してるんだから。

遠からず離婚するという事実を無視して、楓はそう自分を抑えつけた。

こういう場合、だいたいどちらかが結婚していたり、学生の時からは思いもよらぬ風貌になっていたりする。そして、ドキリともせず、かつての思い出を封印するのだろう。

でも…目の前の賢司は、いい歳の取り方をしている。むしろ学生時代よりも素敵だった。

つい、楽しかった記憶ばかりが蘇る。

― いけない。昔よりかっこいいとか思っちゃうなんて。

披露宴会場では、みな同じように歳をとったかつての同級生たちが、近況を報告し合っている。

一瞬であの頃にタイムスリップしたような感覚を覚える。だが、そんな気持ちを振り切り、楓は言った。

「今日は娘を妹に預けてきたの。楽しまなくちゃ。ところで賢司、子どもは?」

いきなり結婚しているの?と聞くよりも、結婚している前提で話をするのがこの場では適しているような気がした。

「子どもはいないんだ。子どものいない夫婦だから、お互い自由にやってるよ」

「羨ましいな…。あ、私の席、あっちみたい」

賢司の答えにがっかりし、楓がその場を立ち去ろうとした時。

「楓、二次会行くよな?」

賢司に呼び止められた。

「そうね、妹が娘にてこずってなければ行くと思う」

明るく答えるが、内心その言葉の意味を考えてしまう。

― 行くよな?って聞くってことは、来てほしいってことかな…。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
このライターさんは次々と余計な事を書くプロだわ。「あれはどうなった?」と思う事次から次へと。夫が今現在不倫してるかどうかすら有耶無耶のまま調停進めるとか(探偵に依頼した調査結果は?) 見るからやつれた様子で夫はまさか余命宣告でもされた?とか、妹も微妙怪しく描かれてた日有ったり、賢司と恋愛始まるかと思わせたり。最終話、何の伏線回収も無いだろうなと。
2024/06/27 05:4239返信2件
No Name
やっと来週最終回!
披露宴でヒントを得て表作った事をまぁ長々と.....
2024/06/27 05:3326返信2件
No Name
やっぱり楓は相手が持ってる金目のものは全て分けてもらえると勘違いしてるみたい。有価証券は元不倫相手の松島と付き合ってる時期だろうから分与の対象になるだろうけど、インゴットは独身時代から持っていたとか親から譲り受けた私物と主張される可能性は高いと思う。真壁はその辺り何も教えてあげてないのか? 調停と並行して次住む場所や仕事は探さないのか?そのほか諸々粗が目立つせいで現実味ナシ。
2024/06/27 05:2923返信2件
もっと見る ( 16 件 )

【離婚カレンダー〜夫婦の正しい終わり方〜】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo