
「医食同源」の思想を軽やかな皿に載せ極上のワインと共に提案する
「医食同源」の思想を軽やかな皿に載せ極上のワインと共に提案する
オーナーシェフの菊島弘従氏は、四川料理の名店『銀座 趙楊』の出身。20歳から趙楊氏に師事し、’06年以降は系列店、そして『銀座 趙楊』で料理長を務めてきた実力派だ。その菊島シェフが昨年、四谷三丁目に開いたのは、わずか18席の小さな店。
マダムとふたりで切り盛りするアットホームな雰囲気とは裏腹に、メニューには自家製チャーシューに鮑や牛肉の四川煮込み、麻婆豆腐、火鍋と堂々たる四川料理が約30種並ぶ。夜のコースは5250円~、アラカルトも大歓迎という気軽さだが、趙楊氏の元で10年に亘り磨いた技はメニューブックには収まりきらず。相談に応じてさまざまな料理を用意してくれるのがこの店の魅力だ。
そのひとつが薬膳料理。朝鮮人参とフカヒレの煮込み、杜仲を使った牛肉料理、百合や紅花を忍ばせる海老料理など全8~9皿のコースで提供している。この薬膳、食べ進めるそばから、カラダにじんわり染み渡るという感じ。「養を出して臭を出さず、が基本」と話す通り、臭みや苦味は無く、ほのかな香りや風味が独特の滋味を生む。
「薬膳は体質や体調に合わせて食べることも大切。予約時にいろいろと伺えれば」と、菊島シェフ。聞けば薬膳以外にも、すっぽんや鹿のアキレス腱、鮫の唇などコラーゲンたっぷりの高級食材を使った料理や野菜だけで作る精進料理もシェフの得意とするところとか。美を目指すものは男も女も『蜀郷香』を目指せ、という話になるのだが、大半が女性というから、その効果は期待大。
ワインは全て『カーヴ・かない屋』のワインからセレクトし、3ヵ月に一度、リストを更新するなどワイン好きの心もしっかりキャッチ。春から初夏にかけては、美味しいロゼを入れるというから楽しみだ。薬膳コースをご希望の際は、くれぐれも予約をお忘れなく。