2011.03.22
すべてを求める欲張りな男と女へ。 『美しくなるレストラン』 Vol.6築地すず木
カウンターで和食を。“粋”の真髄を知る大人であれば、その醍醐味を心得ているはずだ。
そこで過ごす時間が、いかに自分の内面を充実させるかということも。
2011.03.22
すべてを求める欲張りな男と女へ。 『美しくなるレストラン』 Vol.6カウンターで和食を。“粋”の真髄を知る大人であれば、その醍醐味を心得ているはずだ。
そこで過ごす時間が、いかに自分の内面を充実させるかということも。
“本物の美”に触れることで、人間の中身が成熟していくように、料理人も、刺激のある場所に身を置き、吸収力を高めることで、その腕を磨いていくに違いない。
昨年10月、新富町の裏通りに暖簾を掲げた『すず木』。路地を柔らかく照らす灯りに誘われ、御影石が敷かれたアプローチを進み、格子戸を開けると、一文字カウンターの美しい空間が現れる。その凛とした空気感は、非日常の趣きがあるが、ゆったりと寛げる温かさは、日常の延長を思わせる。
カウンターで腕を揮う店主の鈴木秋信氏は、中学を卒業すると同時に料理の世界に入り、銀座の和食店で12年経験を積んだ後、ニューヨークに渡った経歴を持つ。
「最初は1年くらいで日本に帰ろうって思っていたのに、気がついたら13年も経っていました」と笑顔を見せるが、海の向こうで吸収してきたものは計り知れない。
「ニューヨークは、和食に対する思い入れの強い人が多いんです。日本食ブームを経て、すでにひとつの文化として定着している感があります」と鈴木氏は言う。
ニューヨークの食通たちの間でも名の知れた和食店で勤め、現地の食材を生かしながら、いかにして日本食の美学を伝えていくかに日々、心血を注いだ。
「ニューヨークでは日本の食材も、たいがい手に入るけれど、向こうには向こうの美味しい野菜があったりする。それを使って、色々と試行錯誤するのも楽しかった」と語る通り、供される料理には、海外生活で身につけたグローバルな感性と、経験に裏打ちされた“アドリブ力”を感じることができる。
「今までに出逢った人や出来事が自分を成長させてくれた。これからも、心の声に忠実に、料理人人生を楽しみたい。東京で、また一からのスタートです」と言う鈴木氏の言葉を聞くと、こちらも襟を正さずにはいられない。
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