この一皿だけで30種!これでもかと国産の絶品野菜が出てくる名店

ゆで野菜と本日のスープ。個性に合わせ茹で時間を違えた野菜は、塩とオイルのみでシンプルに。この日のスープは日本ほうれん草

思わず前菜かと見紛うばかりに30数種の野菜が盛られたアミューズ「ゆで野菜と本日のスープ」。この印象的な一皿を供すのが野菜マエストロ、都志見セイジ氏による『TSU・SHI・MI』だ。

料理は、おまかせコース一本で勝負する。野菜が主役で、肉や魚はあくまで脇役だ。出来るだけたくさんの野菜を味わってもらうためには、動物性タンパク質や油の旨みの手助けも必要。

「決してベジタリアンを目指す訳ではない」という都志見氏の考え方には、力みが全くない。

左上.ドライ野菜とほろほろ鶏のスープ。一見すると野菜が脇役? いやこれもやはり、主役だ

左下.焼き自然薯のサラダ

右上.新タマネギとあいなめのロースト

右下.掘り立てタケノコのローストと短角牛。自然の甘みが詰まったタケノコと、引き立てる牛肉。噛みしめる度に味わいが増す

コースはディナーで12~13皿。トータルで3時間強を必要とする組曲の個性を、極めて端的に表現する。

葉先、根本、根っこ。緑、赤、黄。野菜はどれにもどこにも滋味があることを、彼は皿に語らせる。

広島県芸北町、長野県佐久、千葉県成田など、都志見氏が惚れ込み、がっちりと付き合っている農家から届く野菜たち。それらはナイーブで日本的だが、芯の強さを内包している。

つぼみ菜とあまおう、くちなしのジュレ

「これらの良さを活かすために、ほんの少しの塩気と油を使う。けれど、その膜がそっと途切れたところから、野菜本来の旨みが滲み出してくるんですよ」

寄り添うスープには、強めの塩。緩急が、次なる展開への期待を高めていく。ゲストはその後の、流れに乗るだけだ。

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