現代の“教育・お受験”リアルドキュメント Vol.46

枝光会附属幼稚園、愛育幼稚園の2園に合格した母親がつづった“幼受必勝ノート”の中身を大公開!

都内にある有名幼稚園といわれて、どこが思いつくだろうか。

「青山学院幼稚園」や「成城幼稚園」といった付属幼稚園のほか、忘れてはならないのが小学校受験に強いとされる“お受験幼稚園”の存在だ。

なかでも御三家と称されるのが「若葉会幼稚園」と「枝光会附属幼稚園」、そして「愛育幼稚園」の3園となるのだが…。

今回取材した家族は昨年、幼稚園受験に挑み、この御三家のうち「枝光会附属幼稚園」「愛育幼稚園」の2園からご縁をもらっていた。

聞くと、2園とも縁故はないという。

いかにしてご縁を勝ち取ったのだろうか…。


取材・文/風間文子


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母子だけで、東南アジアへ教育移住。3ヶ月後「もう日本には帰らない」と10歳の息子が言ったワケ

▼INDEX
1. 幼稚園受験のキッカケは、ある日の夫婦喧嘩だった?

2. あえて若葉会幼稚園を候補から外した理由

3. 合否を左右する願書を書く際に、役立つコトとは…

4. 幼稚園受験、最後の決め手は家族一丸となれるかどうか


幼稚園受験のキッカケは、ある日の夫婦喧嘩だった?


「えっ!?」

思わず“私”は、声をあげた。1歳になろうとする娘が何の支えもなしで立ち上がり、リビングを歩き始めたのだ。

その光景を見ていて、母親として感動しないわけがなかった。

名前を呼ぶと無邪気な笑顔で寄ってくる。しかし、まだおぼつかない足が絡まって転んでしまい、娘の泣き叫ぶ声が部屋に響く。

言葉はまだ「あーあー」が基本で、意思疎通ができるというには程遠い。せっかく作った離乳食も気に入らないと手で払いのけ、無惨にも床に散らばる。

まだ目が離せない子どもの子育てと家事との両立は、ひと息つく暇もない。自分のペースで動くことはできず、気の休まる時間はなかった。

ようやく1日が終わったと思っても、夜は夜で、夜泣きの相手が待っている。

娘への愛情に嘘偽りはない。だけど暗がりのなか「どうして私だけ?」と考えてしまう自分がいた。

そんなときにふと思い出すのは、ほんの数年前の、夫となる男性と愛を育みながら、好きなだけ仕事に取り組んでいた日々だった。

一方、夫は仕事が終わって帰ってくると、キャリア形成に必要な資格を取得するんだといって勉強を始める。家族のためにと、彼なりに頑張っているつもりだろう。

しかし、家にいても自分のためだけに時間を使う夫を前にして、“私”の我慢は爆発した…。


「その瞬間『もう無理!』と、夫に向かって叫んでいました。

夫の両親はともに裕福で、不動産や株式なども多く所有していて。その関係から夫も会社の給料以外に不労所得があり、年収は2,000万円を優に超えます。

そんな夫と出会い、結婚して港区のタワーマンションに住むことになるわけですが、いっときの感情だとはいえ、本気で離婚を考えましたね」

そう語るのは、今回取材に協力してくれた“私”こと、青山マリさん(仮名・30歳)だ。

そして、彼女の夫である浩史さん(仮名・40歳)が慌ててマリさんに提案したのが、娘を週に何回か、託児所に預けてはどうかというものだった。

「そこで見つけたのが、名門小学校・幼稚園のお受験対策もしている託児所『伸芽’sクラブ』でした。

ただ、最初から幼稚園受験を考えていたわけではありません。小中高と公立だった私にそんな発想はなく、単に私が専業主婦なので認可保育園に預けることができないという理由です。

とはいえ幼い娘を預けるのにどこでも良いというわけにはいかず…。多少お金を払ってでもセキュリティーがちゃんとしていて、環境が良い場所をと考えて探した結果でした」

それが、今から2年前のことだ。マリさんは娘が1歳のころから、同所の託児サービスを週2回ほど利用するようになった。

では、いつから彼女が幼稚園受験に向けて動き出したのかというと、娘が3歳になろうとする昨年の4月ごろだという。

関東圏の幼稚園受験は毎年10月、11月が本番と言われるなか、わずか半年ほどの対策で御三家のうち2園からご縁を得たことになるわけだが、一体どんな対策をしたのか。

その問いに対して、マリさんが見せてくれたのが1冊のA4ノートだった。

そこには彼女が取り組んできた受験対策の全貌が書かれてあった。言わば“幼稚園お受験必勝ノート”だ。

今回はマリさんの回想を交えながら、そのノートに書かれてあった内容を一部抜粋・編集して紹介していく。


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