東京で綺羅星のごとく光を放つ「ハイスペック」な男女たち。
彼らは一体どのような人生を歩み、どのようにして才能を開花させたのだろうか?
この連載では、インタビューを通してハイスペな男女のルーツを辿っていく。そうして、家族や育ってきた環境からどんな影響を受け、それが現在どう生かされているのかを探る。
まさに発見に満ちたノンフィクション・ドキュメンタリーだ。
取材・文/風間文子
▶前回:「オモチャを買ってもらえなかった」モデルに起業家…多才なハイスペ女子の幼少期とは?
Case 6. MEIさん(仮名、29歳)
今回取材に協力してくれたのは、外資系コンサル最大手で働く29歳のMEIさんだ。
彼女の履歴書の資格欄には「秘書検定」「日商簿記」「教員免許(英語)」のほか、「食生活アドバイザー」なる資格も並ぶ。
「食生活アドバイザーは社会人になって取ったんですが、エステに通っているうちに食の重要性を痛感し、取得してしまいました」
最近は趣味が高じて、ヨガインストラクターの資格も取得したそうだ。
仕事に趣味にと充実した日々がうかがえるが、彼女はどんな人生を歩んできたのか。まずは彼女の人生年表を見てみよう。
MEIさんは、早稲田大学を卒業後に大手証券会社に新卒で入社している。
しかし、彼女はそこで5年10ヶ月を過ごし、突如として退社。空白の6ヶ月を経て、現職に就いていた…。
その日、業界最大手への転職は一瞬にして決まった
なぜ、新卒で入社した会社を退職したのか。その理由をMEIさんは次のように語る。
「私は趣味でヨガもやっていて、いつか大好きなバリ島でインストラクターの資格を取りたいと思っていたんですね。
ですが、新型コロナが世界的に流行したため、プログラム自体が全部なくなってしまった。だから、次にバリ島でのプログラムが再開したら絶対に行こうと決めていたんです。
そのタイミングが訪れたのが今年初めのことで、居ても立ってもいられず、転職先を決めずに会社を辞めました」
…驚くことに、彼女が退職してから次の会社に転職するまで、6ヶ月の空白期間があり、それは、このヨガインストラクターの資格を取得するためだったのだ。
しかも、そうまでして得た資格を今後の仕事に生かそうと考えているわけでもないという。まさに大胆不敵な行動だ。
次の仕事も決めずに大企業を退職することに不安や後悔はなかったのか。そう尋ねても、彼女は事もなげに言う。
「とくに不安も後悔もなかったですね。もともとバリ島に行く少し前から転職しようとは考えていたので、プログラムを再開してくれたのが良いきっかけになりました」
そうして彼女は帰国後に仕事探しを始めるわけだが、こちらの心配をよそに、転職活動一発目で採用が決まったという。
「今後をどうしようかなと考えている時に、登録した転職サイトから1day選考会の案内が送られてきたんです。
最終面接までの選考過程のすべてを一発勝負で行うイベントなんですが、何気なくそれに参加してみたんです。そうしたら、内定をいただけたという感じです」
それが、現職の外資系コンサル最大手の企業だったという。
一体、転職先の採用担当者はMEIさんの何を評価したのだろうか。彼女のルーツを辿ると…
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