2023.11.07
ハイスペヒストリー Vol.5東京で綺羅星のごとく光を放つ「ハイスペック」な男女たち。
彼らは一体どのような人生を歩み、どのようにして才能を開花させたのだろうか?
この連載では、インタビューを通してハイスペな男女のルーツを辿っていく。そうして、家族や育ってきた環境からどんな影響を受け、それが現在どう生かされているのかを探る。
まさに発見に満ちたドキュメンタリーだ。
取材・文/風間文子
▶前回:20歳でデロイトに入社。高校生時代に描いた自分が進むべきロードマップとは
今回取材に協力してくれた女性は実名での登場だ。
ジュエリーブランド「DIVA Diamond」の代表を務める太田奈那さん(31歳)。
彼女が株式会社リクルートの新規事業部で美容医療の分野に携わる傍ら、自身のジュエリーブランドを立ち上げたのは昨年のこと。
そして事業を会社化し、銀座にショップを構えたのは今年に入ってからだが、すでに売上は1ヶ月1,000万円を超える月もあるという。
また、学生時代の奈那さんはインフルエンサーや料理系タレントとして知られ、モデルという異色のキャリアも併せ持つ。
私生活では港区内のタワーマンションで愛犬と優雅に暮らす彼女のルーツからは、一体どんな発見があるのだろうか。
まずは、奈那さんの経歴を年表で振り返ってみよう
一見すると、幼少期の経歴自体はごく一般的なものに思われる。
しかし、話を聞いてみると、家庭で両親から受けていた教育はかなり特殊なものだった…。
早速、詳しく伺おう。
奈那さんは、学生時代から自身のブランドを持ちたいと考えていたという。
「大学は明治大学でしたが、その頃から料理タレントやインフルエンサーのお仕事をさせてもらいながら、いつか自分のブランドを作りたいという思いを温めていました」
そうしてリクルートに在職中の1年半前、自分のためにとダイヤモンドジュエリーをオーダーしたのを機に、彼女の人生はフル回転で動き出す。
「ジュエリーをオーダーした際に、どんなふうに作られるのか関心があって、工場にも行ったんです。そこで製造工程だけでなく、国内のダイヤモンド市場のことも知ることができて、自分でも作って売りたいなと思ったんです。
小さい頃から工作といった“ものづくり”が好きだったのと、あとは大学時代に3Dプリンターをいじっていたこともあって。今まで自分が好きでやってきたことが全部生かせる、全部つながる、もう『コレしかない!』と感じましたね」
そうして彼女はわずか半年ほどでブランドコンセプトを詰め、事業化にめどをつけたわけだが…。そう、奈那さんは興味を持つと行動せずにはいられないタイプだったのだ。
「大学時代にいじっていた3Dプリンターも、所属学部にはまったく関係がありません。私が在籍したのは情報コミュニケーション学部という文系の学部で、理系とは無縁の世界。
ですが、学部の授業で企業研究をする機会があって、そこで気になったのが日本の製造業に初めて3Dプリンターを持ち込んだ会社でした」
しばらくすると、奈那さんはその会社の創業者のもとにインターンとして出入りするようになった。
「そこでは3DCAD(コンピュータによる設計支援ツール)の使い方をイチから教えてもらって、ある程度使えるようになると、子ども向けの3DCAD教室の講師なんかもしていました。それが大学1年生から2年生にかけてのことですね」
その後、彼女はさらに3Dプリンターを知るためにアメリカに留学している。
「大学3年生の時に、アメリカの郵便局で3Dプリンターを実用化しますっていう話があったんです。
ようはデータを郵便局に送って、その郵便局で出力しますっていうサービスなんですが、どうしても現地でそれを見てみたくて…。
結局、留学生に補助金が出るというミネソタ州立大学に、1年間の編入という形で行きました。両親には『とにかく安く行くから、お願いします!』と頭を下げましたね」
わざわざ、そのために?と驚かされるばかりだが、こうした彼女の一連の「行動力」はいかに培われたのか――。
奈那さんのルーツは、東京都の八王子にあった。
「父は高卒で入った会社で勤務し続けて、今は同じ会社の役員をやっています。とても真面目な性格ですね。
母は、父と同じ会社に勤めていたそうですが、父と出会ったことで“寿退社”して、今は大学教授の秘書をやっています」
そんな両親の元でどのように育てられたのかと聞くと、彼女はこう言うのだった。
「それが、オモチャを一切買ってくれなかったんです…
読むことができます
【ハイスペヒストリー】の記事一覧
2023.12.26
Vol.8
「新卒で考えていたのはシャープで社長になることでした」と語る、35歳経営者のルーツ
2023.12.08
Vol.7
侍ジャパン社会人代表の4番打者が登場。野球一筋だった彼が引退後、企業のCOOまで上りつめた理由
2023.11.21
Vol.6
外コン勤務で多数の資格を持つ才女(29歳)。母親が小・中学校あえて公立に通わせたワケ
2023.10.13
Vol.3
「父との思い出はキャッチボールぐらい」31歳で事務所を構えたIQ130以上の弁護士の原点
2023.09.12
Vol.2
お小遣いは欲しい理由を両親にプレゼン!?父親が教え込んだ起業家になるための教育とは
2023.08.25
Vol.1
学生時代から2社起業して年収2,700万。“生粋の成城ファミリー”出身の男性が受けてきた教育とは?
おすすめ記事
2023.10.25
ハイスペヒストリー Vol.4
20歳でデロイトに入社。高校生時代に描いた自分が進むべきロードマップとは
2023.10.16
オトナの5分読書
「将来に何になりたい?」と子どもに聞いてはいけない!?ハーバード生たちに学んだ子育てのルール
2022.02.17
成功者が実践する “稼ぎ生活”
「アイツのせいで出世コースから外れたのか…?」社会人が、後輩育成に失敗する理由
2016.05.18
東洋経済・東京鉄道事情
「座って帰りたい」を叶える!京王線が仕掛ける新たな通勤列車とは?
2024.02.19
オトナの5分読書
痩せたいのに目の前のスイーツに負けちゃうのはなぜ?行動経済学を学べば、ダイエットもスムーズに
2022.01.30
大人のマナーをランクアップせよ
日本人の95%が知らない、テーブルナプキンの正しい使い方とマナー
2023.06.19
慶應義塾のすべて
「実家が裕福な慶應ボーイほど、大成しない」と囁かれる理由。幼稚舎から慶大卒業後の、彼らの進路は…
2022.05.13
不動産選びの答えあわせ
恵比寿200平米超の豪邸を訪問したら素敵すぎた。リノベーションでホテルのような内装に!
2023.11.01
我が家のエンジェル係数
慶應中等部に合格させた世帯年収1,200万の家庭が、小6の1年間で費やした教育費の詳細
2016.06.01
東洋経済・東京鉄道事情
東京の新たな交通拠点「バスタ新宿」は大都市交通網を一変させる?
東京カレンダーショッピング
『秋田かまくらミート』:秋田を代表するブランド牛「秋田由利牛」!サシの美しい上質なしゃぶしゃぶ用サーロイン
『肉のABCフーズ』:黒トリュフ塩付!牛タン&A5ランク黒毛和牛を使った極上ハンバーグ
『パンツェロッティ』:具材ごろごろボリューミー!フレッシュな野菜と肉感満載のフライドピッツァ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
『レザンファンギャテ』:しっとりと濃厚で、コクのあるニューヨークスタイルのチーズケーキ
『ル・ボヌール 芦屋』:しっとりサクサク!フリーズドライ苺にホワイトチョコをたっぷりと浸透させた新感覚スイーツ
ロングヒット記事
2024.04.23
今日、私たちはあの街で
3回目のデートで、終電を逃した28歳女。翌朝、男が激しく後悔したワケ
2024.04.23
Editor's Choice~fashion~
最大10連休のGWのお出かけに!カラフルなミニボストンバッグが、万能な理由とは?
2024.04.25
Editor's Choice~beauty & wellness~
すれ違ったときに香るぐらいが好印象!大人のニオイ対策には、上質なランドリーアイテムを取り入れて
2024.04.26
大人の週末ToDoリスト
GWは東京でヨーロッパ旅行気分! 『イタリア展 2024』や『フランス展 2024』などイベント3選
2024.04.28
Editor's Choice~gourmet~
最高に気持ちいい空間で、ラグジュアリーな外飲み体験!今から楽しめるビアガーデン6選