2023.08.22
外コン女子は落とされない Vol.1同業他社の外資コンサル・エリート男:健太郎(31)
「こんばんは。真島さんの…」
「部下の藤崎です。はじめまして」
「真島さんの大学の後輩の、早川健太郎です。モモさんですよね。真島さんからよくお話伺っています」
柔らかなアイコンタクトから、自然と会話が始まる。
― あれ。なんか距離感の心地いい人だな…。
外資コンサルには「人たらし」と呼ばれる人種が非常に多い。
営業には高いコミュニケーション能力が必要だし、大企業の経営者たちと毎日渡り合うには、頭の良さはもちろん、その人の懐に入り可愛がってもらう能力が必須だからだ。
健太郎もその一人だと感じた。
地頭が良く、話のテンポがいい。初対面だったが、同業であること、真島さんとタイプが似ていること、そして人当たりのよい彼自身の性質も相まって、先付けが出てくる頃には私たちはすっかり打ち解けていた。
健太郎は、真島さんと同じ京都大学を卒業した後NYへ渡り、コロンビア大学でMBAを取得したという。今の勤務先は、世界トップクラスのコンサルティングファームだ。
「すごい経歴ですね」
「ありがとう、努力してるからね」
「なぜウチに興味を…?」
「うん。今の会社での仕事はもう数年経験したし、なんというかこの立ち位置に飽きちゃって。御社で何か、おもしろいことできないかなって」
飽きるという気持ちも、なんとなくわかる。
ハイスペックを極めたところで、手に入れたものは色褪せていく。
隣の芝生はいつまでも青いのだ。
自分たちの生い立ちから海外生活の話、今の仕事に至るまで、二人であれこれと話しているうちに2時間があっという間に経ってしまった。
水菓子として出されたメロンをほろ酔いで食べ終え、化粧直しに席を立つと、真島さんから電話がかかってくる。
「二人とも、ごめん!結局まだオフィスなんだ。今日の埋め合わせはまたするから。モモちゃん、領収書もらっておいて」
このようなことは、日常茶飯事である。コンサルティングの仕事はクライアント第一。内輪の予定は後回しだ。
私はサッと会計を済ませて、席へと戻った。
「健太郎さん。真島さん、やっぱり間に合わないみたいです。今日の埋め合わせはまた後日に、って」
「だね。さっき、俺にもLINE来てた。モモちゃんは、まだ時間ある?よかったらもう少し話そうよ」
― 久しぶりの同世代との会話だし、もう少し飲もうかな。
◆
料亭を出た私たちは日比谷方面へ歩き、日比谷オクロジの『FOLKLORE』にやってきた。
茶室の躙り口のような入り口を二人で頭を下げてくぐると、心地よい木の香りに包まれる。
カウンターに座ると、すぐ隣から健太郎の大きな肩の温もりが伝わってくるような気がした。
「健太郎さんって、鍛えてるの?」
「うん、会社の福利厚生でジムに契約があって、プールもサウナもあるからほぼ毎日行ってる」
「さすが。学歴も収入も外見まで、何もかも兼ね備えてますねぇ」
「でしょ。ビジュアルも大事だからね。謙遜はしないよ」
言葉だけ見れば、なんて高慢な男なのだろうと感じてしまいそうだ。
けれど、決してそうは思わせない不思議な魅力が、健太郎にはあった。きっと、実際に全てを兼ね備えている男だから、嫌味を感じないのだろう。
けれど、一呼吸置いた後。健太郎は形の良い眉を少し歪めて言った。
「でもさ、そんな俺にもひとつ悩みがあるんだよね」
「悩みなんてなさそうですけど」
「今の自由な生活には、満足してるんだけどさ。モモちゃんは頭がいいから、わかってくれると思う。…単刀直入に話すけどいい?」
結局は妻(女性側)に甘えるような気がしてしまう。お金で解決も出来るけど度が過ぎると子供が寂しくて七夕の短冊に新しいパパくださいとか書かれてちゃうかも🤣
健太郎が望む子供のためのパートナーは、とりあえず同じ業界の多忙な女性は止めたほうがいいかも…と思いました。
五体満足で産まれてくることは当たり前のことじゃないよ
そしてどんな風に産まれてきても愛おしい存在だよ
【外コン女子は落とされない】の記事一覧
2023.11.14
Vol.14
複数の男からの“モテ”を楽しんでいた外コン女子。30歳目前、1人の本命に絞ったワケとは
2023.11.13
Vol.13
高収入女子の男性との華やかな交遊録が赤裸々に…。「外コン女子は落とされない」全話総集編
2023.11.07
Vol.12
港区界隈では常識!?アラサー女子が付き合っていない男と“旅行”に行く理由
2023.10.31
Vol.11
「この車、どこに向かってるの!?」初デートの男とタクシーに乗ったら、知らない場所に連れて行かれ…
2023.10.24
Vol.10
初デートは、食べ放題の店。年収1,500万の女が、「それでもイイ」と思った年下男の魅力とは
2023.10.17
Vol.9
ゴルフデートにテスラで迎えにきた30代の起業家。エスコートは完璧なのに、女が幻滅したプレー中のマナー
2023.10.10
Vol.8
外コンで誰よりも早く昇進した女。20代でマンションまで購入した彼女が、出世できた秘密とは
2023.10.03
Vol.7
就業時間後のオフィス。会議室のドアを開けたら、同僚の男女がまさかの…
2023.09.26
Vol.6
同期の男子と一夜を過ごした翌日。彼とガールフレンドとのLINEグループに招待されて…
2023.09.19
Vol.5
「この後、うちで飲まない?」なんでも話せる同期の男子に誘われた夜。1人で部屋に行くのは初めてで…
おすすめ記事
2016.05.09
男は還暦から!
男は還暦から:なぜ、今、60歳以降がモテるのか…完全に説明する
- PR
2025.03.31
結婚1年目から、激務のせいでギスギス…。崩壊寸前のパワーカップルを救ったアイテムとは?
2024.02.10
男と女の答えあわせ【Q】
麻布十番でひとり暮らしする28歳事務職の女。港区女子なのか判断するために男が取った行動は…
2018.09.08
黒塗りの扉
黒塗りの扉:アッパー層の闇と秘密で稼ぐ。『お抱え運転手』が見せる、もう1つの裏の顔
- PR
2025.03.31
えっ、あの“ミャクミャク”の部屋に泊まれる!?どっぷり万博に浸れる、いまだけのホテルステイとは…
- PR
2025.03.25
牛肉の本場・大阪で最高のステーキを! 極上の「アメリカンビーフ」を楽しめる珠玉の4軒
- PR
2025.03.26
春旅するなら万博でも話題の西日本へ!大人が満足する贅沢時間を過ごせるホテル4選
2016.07.03
村上春樹好きな男
村上春樹好きな男:渋谷のBARで「ノルウェイの森」という名のカクテルを飲むということ。
- PR
2025.03.27
7種類ものフレーバーが楽しめる! この春、台湾生まれのフルーツビールが話題!
- PR
2025.03.28
ほろ酔い美女の正体とは!?17LIVEの人気ライバー4人を、港区のバーにお連れしてみたら…
東京カレンダーショッピング
ロングヒット記事
2025.03.19
運命なんて、今さら
初めて彼のマンションを訪れた28歳女。しかし、滞在10分で、突然「帰りたい」と思った理由
2025.03.22
男と女の答えあわせ【Q】
「豊洲に住んでいる」と33歳男が言った途端に、デート相手の女が戸惑ったワケ
2025.03.23
男と女の答えあわせ【A】
「年収800万くらいでもいいかな…」相手に求める条件を妥協したつもりの30歳女の大誤算
2025.03.17
1LDKの彼方
「何もないって言われたけど…」彼氏が他の女と連絡を取っていたことが発覚。30歳女は思わず…
2025.03.20
TOUGH COOKIES
「幸せそうな彼女がなぜ?」SNSで悪質コメントの犯人を突き止めたら、意外な人で…
この記事へのコメント