【ほろ酔いシネマVol.6】レオ様主演の歴史映画に「ドン ペリニヨン」をあわせて

ヴィンテージのみが造られ、異なる二面性を併せ持つ


:もうこれしか思い浮かばなかった。「ドン ペリニヨン」!

新谷:私でも知ってる、高級シャンパーニュの代名詞ですね。

:ドン ペリニヨンの名前の由来となっているベネディクト派修道会の高僧ドン・ピエール・ペリニヨンは、シャンパーニュ地方のオーヴィレール修道院で酒庫長をしている時に、泡立つワインの秘法をマスターしたといわれる。

黒ブドウから白ワインを造る技術や、異なる産地のブドウから造られたワインを混ぜ合わせて調和の取れたものにするアッサンブラージュの技法など現在のシャンパーニュ造りの基礎を築いたのがドン・ピエール・ペリニヨンだ。

「Dom Pérignon Vintage 2013(ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2013)」


レディー・ガガとのコラボレーションも印象的な、高級シャンパーニュのシンボリックな存在。

近年に比べて2013年は冷涼な春だったため、収穫が10月にずれ込んだヴィンテージ。

パワフルかつエレガントな、ドン ペリニヨンらしい二面性が表れている。

37,400円/MHD モエ ヘネシー ディアジオ TEL:03-5217-9732



嵩倉:ほうほう、それでこの映画とのつながりは?

:ここからが面白い。ドン・ピエール・ペリニヨンが生まれたのは1638年、死去したのは1715年。

そして国王ルイ14世が生まれたのは1638年、ヴェルサイユ宮殿で没するのが1715年。ふたりはまったく同時代を生きた人物。

当時、すでにドン・ピエール・ペリニヨンの泡立つワインはヴェルサイユ宮殿でも評判だったとの逸話もあるから、おそらくルイ14世も飲んでいたに違いない。

嵩倉:ドン ペリニヨンを片手にこの映画を観れば、私もどこぞの伯爵夫人気分に?

:なれるかもね。

新谷:ところで柳さん、ドン ペリニヨンは他のシャンパーニュと比べて何がそんなに特別なんですか?

:まずひとつは必ず単一収穫年のヴィンテージということ。気候条件の厳しいシャンパーニュ地方では、上質のブドウが毎年得られるとは限らない。

だから、異なる年のワインをブレンドした、収穫年表示のないノンヴィンテージが大半だ。

ところがヴィンテージのみにこだわるドン ペリニヨンは、2003年や2010年のように他のメゾンがヴィンテージを諦めてしまうような困難な年でも、素晴らしいシャンパーニュを造り出す。

嵩倉:まさに匠の技ですね!

:それにこれこそドン・ピエール・ペリニヨン伝来のアッサンブラージュのすごさだと思うのだけど、相反するふたつの特徴を絶妙の按配でバランスさせている。複雑なのにフレッシュだし、パワフルなのにエレガント。

新谷:それって、この映画でレオ様演じるルイ14世と仮面の男の二面性にも通じますよね。片や太陽王と呼ばれる絶対君主、もう一方は牢獄から月を眺めるとらわれ人。

:おお、たしかに!

嵩倉:私もよく二面性があるといわれます。しっかりしてそうでおっちょこちょい。意識高いフリはしてるけどジャンクなもの大好き。

:あはは、今回は映画もワインもクラリンにぴったりだ(笑)。

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幅広い分野の雑誌で執筆を手掛け、切れ味あるコメントに定評があるジャーナリスト。今月は新谷氏と編集・嵩倉を連れてワインの試飲会へ。まだまだ教えることありと奮起したとか!?


映画を中心に、書いたり取材したり喋ったり。ディカプリオの作品はほぼ制覇。スコセッシ監督と再タッグを組んだ新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』も楽しみ!


本連載の担当になって5年目に。ワインの知識は少しずつでも着実に積みあがっていると信じ、柳氏にしがみつく日々。レオ様のビジュアルなら絶対君主でも許す……というのが本音。

▶このほか:セレブが日常を過ごす目黒線きっての注目エリアとは?実力派レストランが続々誕生

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