2011.08.22
銀座の気鋭店がぞくぞく Vol.1世界中のグルマンが目指すわずか6席のプラチナシート
繊細で精緻な和食の技が切り拓く肉料理の新世界
世界中のグルマンが、銀座の片隅にある小さな店の、わずか6席のプラチナシートを目がけてやって来る。奥に個室もあるが、やはり奥田透氏が目の前で調理するカウンター席こそ、プラチナを冠するに相応しい。ミシュラン三ツ星に輝き続ける銀座『小十』は、いつも満席である。
その奥田氏が、『鮨かくとう』に続き、大きなトライアルをスタートさせた。今度は地下に広がる奥田ワールドだ。カウンター8席。それに、掘り炬燵スタイルの個室とテーブルの個室が3つ、それぞれ独立した形で散らばる。『小十』に比べると断然広いココ、嬉しいサプライズがある。ランチタイムだけ、ゆったりと8席設けられたカウンターの中央に奥田氏が立つというのだ。
昼はココ、夜は『小十』。掛け持ちし、骨身を惜しまず働くと言う。何しろ、店名を『奥田』とした。逃げも隠れもしない、奥田透ここにあり。『小十』は『奥田』のライバル、『奥田』は『小十』の好敵手。それが理想とか。自分で自分に挑む、おもしろい展開になってきた。
料理はコースのみ。昼は1万5 0 0円~。牛肉を使った「ご馳走」もウリのひとつ。例えば、赤酢をバチッと効かせた寿司飯の上に、すきやき風にさっと煮た牛肉と、割下でつけ焼きにした松茸を散らした豪華ちらし。つまり、寿司飯の上に松茸のすきやきを散らした状態である。牛肉&松茸&寿司飯の三位一体でいただくと、今までにない豊潤な味覚世界へと誘われる。
「日本の肉料理は『焼く』だけではない。多彩な攻め方ができるんです」と奥田氏。例えば、冷やししゃぶしゃぶ。旨みを逃さぬよう、70度の湯でさっと茹でる。すぐに氷水に漬けるが、冷やしすぎない。冷えると、肉本来の旨みが損なわれる。世界が認める「和牛」料理には、細心の注意とデリケートなテクニックが必要なのである。
「最近疲れ気味で肉食率が高い」と奥田氏。肉料理のアイデアも豊かにふくらみ、湧いて出る。『奥田』オリジナルの肉料理、お腹を空かせてご賞味あれ。
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