2023.06.08
地元住民が「ちょっとしたハレの日に」と訪れる、祐天寺の老舗ビストロ『クレモンティーヌ・ビス』。
そんな同店で、俳優・桐谷健太さんにワインとフレンチのペアリングを堪能していただいた。
2回に渡ってお送りしている、桐谷さんの記事の後編はこちら!
▶前編はこちら:「あの時の自分に怒られると思う」俳優・桐谷健太が、いまを全力で楽しむ理由
【後編】
■桐谷健太さんがペアリングを愉しんだ、祐天寺の住宅街に潜む老舗ビストロ
住宅街に潜む老舗ビストロで、心温まる美しきひと皿を
祐天寺駅から歩いて3分。バス通りから1本入った住宅街の入り口で、帰路に着く人々の足元を照らす柔らかい灯り。
まるでそこだけがパリの街角のような、そんな佇まいながらも周囲に自然と馴染んでいるビストロがある。それが『クレモンティーヌ・ビス』だ。
店のエントランスドアをはじめ、空間を彩る床のタイルやランプもすべてフランスから運んだアンティーク。
オーナーシェフの山岸英二さんは、「自分の店を持つなら静かなところで、と決めていた」そう。
だが、理想的な立地と店を開いたものの、当初は「3年持てばいい」と言われたこともあったという。だが今年、店は21年目を迎えた。
今でこそ、こういった立地も珍しくないが、当時の挑戦心たるや、である。重ねた年月は人々に愛されている何よりの証拠だ。
「見た目が華やかで“映え”たとしても、味を覚えてもらえなければ意味がないよね、とは開店当初から話していること。お客さまには旬の食材をしっかりと味わっていただく。そこに心を砕いています」とはマダムの由紀子さん。
心と舌に鮮烈な印象を刻まれたのは、桐谷さんも同様だ。
華やかなひと皿の複雑な味わいが、次々とワインを呼ぶ
6月いっぱいまでの期間限定の魚料理「鮎の一皿」。
鮎と帆立をムースにし、中に詰めてから天火焼きにし、ふわふわの食感をキープ。
初夏のスペシャリテとして、根強いファンを持つ「鮎の一皿」。
ふわふわの身の下には、きゅうりのジェノベーゼが小気味いいアクセントとして清涼感をもたらす。ところが、「僕、実はきゅうりが得意でなくて」と桐谷さんから驚きの告白が。
でも「それなのに、めちゃくちゃ美味しく感じる。こんなの初めて」と満面の笑顔を見せた。
「ほろ苦い鮎に『アントル・ドゥー・メール』の白。完璧なペアリングは、プロの仕事です」
「抜群に美味しい」と桐谷さんも一瞬で食べた、肉料理のメインは「漢方和牛のハラミステーキ」。
「フレンチのコースといっても、こういった街のビストロならカジュアル。
ひと皿ごとをワインとペアリングで楽しめば、じんわりと時間が経っていって、じんわりと景色も変わっていく。で、じんわり酔っていくと、相手の見え方も変わってくる。
それがフレンチのコースの面白さだと思う。みなさん、するべきです」と桐谷さんは断言。
「ワインを飲みながら撮影……、なんて素敵な仕事なんですか!」
「デートでフレンチ、コースでペアリング。いいじゃないですか、すごくいいと思う」
前菜のひとつ「炙り鰹とブルグールのセルクル」。
梅肉とアンチョビのソースがソーヴィニヨン・ブランとよく合う。
現在、ディナータイムはコースのみ。すべて「クレモンコース」14,300円(3日前までに要予約)の一例。
幸せのシンボル「ポワトンくん」とは?
「魚(ポワソン)」と「豚(とん)」が融合した架空のキャラクターは、店舗を手掛けたデザイナーの子どものスケッチから生まれたもの。
皿やカップのほか、店のあちこちに隠れている。
◆
「白ワインと鮎を食べている瞬間のあの多幸感、忘れません」と、桐谷さん。
『クレモンティーヌ・ビス』は、今日もまた、きっと誰かを幸せにしている。
▶前編はこちら:「あの時の自分に怒られると思う」俳優・桐谷健太が、いまを全力で楽しむ理由
■プロフィール
桐谷健太 1980年生まれ、大阪府出身。大学進学を機に上京し、2002年、俳優デビュー。2008年、ドラマ『ROOKIES』の平塚 平役で一躍有名に。2016年にはCMソング『海の声』で『第58回日本レコード大賞』優秀作品賞を受賞。現在は『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』で3年ぶりに仲井戸豪太役を演じる。
■衣装
ジャケット 140,800円〈タリアトーレ/トレメッツォ TEL:03-5464-1158〉、パンツ 28,600円〈バグッタ/バインド ピーアール TEL:03-6416-0441〉、時計 3,883,000円(ヴィンテージ)〈A. ランゲ&ゾーネ/コミット 銀座 TEL:03-6264-5310〉、その他スタイリスト私物
■店舗概要
店名:クレモンティーヌ・ビス
住所:目黒区五本木1-29-13
TEL:03-3711-8757
営業時間:【月・木・金】18:00~(L.O.20:00)
【土・日】ランチ 12:00~(L.O.13:00)
ディナー 18:00~(L.O.20:00)
定休日:火曜、水曜
席数:テーブル14席、カウンター4席
今月の『東京カレンダー』は「奥目黒の磁力」特集。前号の「目黒」特集に引き続き、目黒の魅力をさらに深掘り。
東カレの推しエリア「目黒」の奥地を知れば、東京はもっと面白くなる!
⇒アプリでのご利用はこちらから(iOSの方・Androidの方)
※最新版のアプリをダウンロードしてください。
⇒紙版をお求めの方はこちらから
※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。今号は5/19(金)から。
おすすめ記事
2017.11.08
夕方からずっとお肉の事を考えてる貴方へ
こんなに分厚いシャトーブリアンのしゃぶしゃぶ、見たことない!
2022.11.30
日本屈指の目利き!やま幸のマグロが味わえる東京の名店
山盛りのトロたくが悶絶級!『やま幸』が手掛けた、港区のワイン好きが集う話題のバー
2016.06.27
六本木ヒルズにブラックニッカのCOLDなBarが期間限定で登場!
2016.01.21
激辛界のニューウェーブ「マーラータン」で身体の芯から燃えたぎれ!4選
2017.11.01
渋谷駅から246を越えるだけ!定番に飽きた大人は「バリ島」完コピのレストランへ渡航せよ!
2024.07.25
週末のプチ贅沢~ご当地グルメ~
週末の夜は、ちょっと贅沢な“お家飲み”がしたくなる。一口飲めば、美女も唸る…
2021.10.15
家で寛ぐような居心地のいいイタリアン!また通いたくなるアットホームな夫妻の店へ
2022.08.22
恋人が喜ぶサプライズに満ちた中目黒の人気鮨店!強烈なビジュアルの太巻きが話題
2024.06.06
美しく独創的なディナーコースを堪能!松濤の住宅街に佇む一軒家フレンチへ
2017.02.19
本当に使える絶品鮨
見るからに美味しい!築地の「海鮮ひつまぶし」は3倍味わえる!
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"