2011.09.21
呑んでよし、食べてよし 進化するBARというカウンター Vol.2BAR LIMITE
食べて飲む「酒場」でカウンターを占拠する
2011.09.21
呑んでよし、食べてよし 進化するBARというカウンター Vol.2食べて飲む「酒場」でカウンターを占拠する
※こちらの店舗は、現在閉店しております。
夜が朝に変わる頃なら、扉は容易に見つかる。だが早い夜なら喧噪と人波に隠れて、その姿をすぐには見つけられないかもしれない。この店はあえて、そんな場所にできた。
『バルリミテ』。元は鮨屋の奥まったビル1階に位置する10坪ばかりの店は、3年と8カ月という期間限定営業。扉の奥には意外な広さのカウンターが14席。加えて壁際に、10席を有する。
少し前まで新宿三丁目は、この街だけで通用する飲み方をする輩が集まる場所だった。曰く「1週間に10日来い」。めしは二の次、酔うために飲み、飲むほどに世界は輝いた。だが時代は移る。食べて飲んで、が当たり前。だから『リミテ』の店主・小澤洋司氏も「ちゃんと食べてその上で飲んでいただくための、ここは酒場ですから」と言う。
料理は原田昌二氏が担当する。スペインやイタリアン的小皿を中心に、肉や魚のメインも用意とバーとしては欲張りなほど。その味は、飲み始めの1杯にと小澤氏が推す、こだわりレモンのジントニックや各種フルーツカクテル、ワインにまで寄り添い、酔客の腹を満たす。
座面の広い椅子は、カウンター席での長居を助長する。他の街なら、それは無粋。だが三丁目には別の流儀がある。だから、飲み続けられる限りは、この場に留まり続けたっていい。鮨屋の名残のネタケースを覗き、果物を物色する。「次も、ぶどうで」。まだ大丈夫、と小澤氏が踏めば、マティーニにでも仕立ててくれるだろう。夜は、まだ続くから。
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