~心と身体に効く逸品~ 催淫メニューのホント!? Vol.3

ドゼウイイダヤ

どぜう飯田屋

どぜう
「飯田屋と大体交互に行く。一週間に一度位は『ドゼウ』を食わないと胸がやける性分で、
丸鍋の『ドゼウ』のヌラと骨がこもごもノドを通り抜けていくうま味は、何ともいえぬほどである。」
『東京味覚地図「浅草」編』(檀一雄・創元社編集部)

どぜう鍋¥1,500(写真は2人前)。安くて栄養価の高い食物として江戸庶民の胃袋を支えてきたどぜう。『東京味覚地図「浅草」編』以外にも、さまざまな文献にその名が記される江戸の味だ

江戸時代から滋養食として親しまれた、どじょう。田んぼにいたそれを丸のまま、臓腑も取らずにみそ汁に入れて食べたのが始まりと言われているが、あまりに庶民派すぎたゆえか、文献をひもといても正確な端緒は分からず仕舞いだとか。

今、東京にあるどじょう屋は5軒。だが1軒は休業中で再開は未定と言う。有名料理なのに、新規参入の声も聞かぬ不可思議などじょう鍋業界。

「あら、そういえば食べたことないわ」「それじゃ、いけないと思わないかい?」と、いざ浅草へ、『どぜう飯田屋』へ。個室もあるが浅草に来てまで喧噪を避けるなんざ野暮というもの、ずらり卓が並んだ座敷席に座るべし。

同店「どぜう鍋」は醤油ベース。甘っ辛い味は、職人向けに対して、商人好みだ。創業の明治の頃より基本は変わらぬものの、骨あくまで軟らかく、身は崩れることなく煮上げたことだけがかつてと違う。小さな鉄鍋に張った丸煮にたっぷりの葱をのせ、しばし温めたらできあがり。

そうそう、三社祭の頃にはどじょうが卵を持つから、忘れず追加して。簡潔、明瞭、直球勝負。こういう料理に、こまっしゃくれた講釈や口説き文句は似合わない。身体の真芯が温まって、欲しいなら、欲しいと言えばいい。隣の酔客に聞かれたってなにいいじゃない。からかわれるうちが、華なのさ。


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