大人デートにちょうどいい、神楽坂でしっぽり和食 Vol.9

しっぽりと酔える、粋なアテがある神楽坂の和食4選。ひそやかな大人のデートに

花街の風情を残した古風な街並みは、「神楽坂」の象徴ともいえる風情。

そんな街には、しっぽりと粋なつまみで飲ませてくれる名店がそろう。

今回は、前日に引き続き、デートを盛り上げる神楽坂の和食をご紹介。

神楽坂らしい落ち着いた大人の夜を過ごせるはず!


▶前編はこちら:やっぱり“神楽坂”なら、石畳の奥にある隠れ家へ!デートが盛り上がる大人の和食4選



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1.神楽坂の歴史を継承した一軒は、アラカルトが粋
『ほそ川』

複合ビルの1階にありながら、入り口には一軒家の趣が漂う。手前の小庭のような一角も情緒を感じさせ、この先の乙な時間を予感させる


洒脱な半月形の暖簾をくぐった先に、新たな大人の嗜みが待っている


木の温もりと懐かしさを感じる空間は、元は店主・細川敦史さんの修業先だった和食店。

新橋で彼自身の店を営んでいたが、師匠が故郷に帰ることになり、28年に渡り続いた修業先の店をそのまま受け継いだ。

デートなら細川さんの手仕事がよく見えるカウンターで、目に入った一品を頼むのも楽しい。壁には食に対して嘘偽りがないことを意味する「青天食日」の書


卓上について渡されるのは、ぎっしりと単品料理が書かれた3枚のメニュー表。

「このわた」、「真鯵なめろう」、「ぼたん海老酒盗」など、酒肴だけでも13品が並び、全品ではなんと約75品もそろう。

ふたりでメニューに迷う時間が楽しく、相手の嗜好まで知ることが出来るのはアラカルトならでは。


酒肴3種 1,000円~。

上から時計回りに奈良の片上醤油で鰆と海苔とエゴマを和えた「鰆漬け磯部」、「ぼたん海老酒盗」、自家製の「からすみ」。


神楽坂『楽山』の海苔を使った「穴子天海苔巻き」1,500円。

仕入れによって値段の変動あり。

この日の「お造り」(3,800円)はマグロ、ほっき貝、墨イカ、さより、牡蠣。魚介は豊洲から。内容、仕入れによって値段の変動あり


驚くのが、それらのメニューすべてを細川さんがひとりで作っていること。

朝6時の仕入れに始まり、閉店まで。ハードだが料理を作るのが好きで、最初は1枚だったメニューが3枚まで増えた。

その中には、修業先の影響を受けた「スッポン小鍋」もあり。

「スッポン小鍋」(3,800円)には、質の高さで知られる浜名湖の『服部中村養鼈場』の生きたスッポンを使用


凝縮されたスッポンの旨みだけが溶け出した熱い汁が、身体を芯から温める。

炊き立ての土鍋ご飯をはふはふと食べる瞬間も然り。

栄養も暖も満ちれば、ふたりで石畳を散歩する準備は完了なのだ。

■店舗概要
店名:ほそ川
住所:新宿区神楽坂3-6 神楽坂館 1F
TEL:03-3267-0031
営業時間:18:00~23:00
定休日:日曜
席数:カウンター8席、テーブル6席、個室1(4席)

ほそ川(神楽坂) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

2.“角”に佇む、築80年の日本家屋の安定感たるや!
『カド』

暗がりの中、ここだけ時が止まったような錯覚を覚える外観。戦後まもなく建てられた日本家屋をそのまま使用しているという


昭和にタイムスリップしたような店内で、ノスタルジックな気分に浸る


赤城神社の裏手に位置し、ひときわ昭和な匂いを漂わせる一軒がここ『カド』。路地の角に楚々として佇む、およそ築80年の木造家屋の居酒屋だ。

ぼうっと燈の灯る提灯に誘われるようにして軒先に立てば、そこには入り口がふたつ。

実はひとつの家屋の中にふたつのスペースがあり、それぞれ別の使い方ができる。

左の扉を開けると……しっぽりと寛げるお座敷が広がる


向かって左側は、コース料理が中心のお座敷スタイル。

玄関で靴を脱ぎ、畳の感触に懐かしさを覚えながらスタンダードな旬の料理を味わえば、一気に昭和へとタイムスリップできる。


福井のコシヒカリを使った「鯛釜飯」。


人気の「鰤と豆腐の煮付け」。その他、「前菜盛り合わせ」など全6品で構成される。

料理はともに「釜飯コース」(5,000円)から(要予約)。

右の扉を開けると……カジュアルに楽しむ立ち飲みスペース


一方、向かって右側は民家の土間をリノベーションした立ち飲みスペース。

デート利用なら、ウェイティングや2軒目使いとしてサクッと酒と料理を楽しむのも粋。

手書きの黒板メニューには、「サバスモーク」や「酒盗チーズ」、「牛すじ煮込み」などざっくばらんな酒のつまみがずらりと並び、いずれも300円の良心価格。


一番人気の「串カツ2本」300円。日本酒やビール、ホッピーを合わせて。

「油揚げの南蛮ネギ味噌焼き」300円。カリッと焼いた油揚げに香ばしい味噌の風味が酒を呼ぶ


種類豊富にそろえる日本酒も1合400円〜と、呑兵衛には心強いばかりだ。

サプライズ要素もあり、使い勝手も抜群。神楽坂で知っておくべき一軒だ。

■店舗概要
店名:カド
住所:新宿区赤城元町1-32
TEL:03-3268-2410
営業時間:[立ち飲み]【月~金】16:00~(L.O.22:30)
           【土】14:00~(L.O.22:30)
           【日・祝】14:00~(L.O.21:00)
     [座敷]【月~金】17:00~(L.O.22:30)
         【土】16:00~(L.O.22:30)
         【日・祝】16:00~(L.O.21:00)
定休日:無休
席数:立ち飲み8名、座敷18席、テーブル12席

カド(神楽坂) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

3.ホッとする和食の温もりが、ふたりの距離をそっと縮める
『喜想庵 ささ木』

店にはカウンターと個室が用意されている。カウンターが人気だが「向き合ってしまうとおしゃべりが止まらなくなって、料理が滞っちゃうから(笑)」と、個室を案内することも多いとか。何ともお茶目なお人柄である


優しさと確かな腕で作り上げる料理の数々は、ひと皿ごとに目を瞑りたくなる


ふたりで暖簾をくぐれば「いらっしゃい!」と、店主の佐々木康友さんが飄々と出迎える。

和の格式が漂う外観からは想像もつかない、柔らかい接客に驚くが、キャリアを知ってまたびっくり。

佐々木さんはこの道60年の大ベテラン。原点は15歳で入った銀座の割烹で、その後はさまざまな和食店で料理長を歴任してきたという。

「キンキの煮付け」。脂乗りも抜群の個体をふっくら炊き上げた。実山椒がいいアクセントになり、レンコンの歯触りも最高


2017年、「母が牛込出身で土地勘がある」と神楽坂のこの地に、店を開いた。その美味しさは実績通り。

たとえば「キンキの煮付け」は、素材の甘みを活かした繊細な仕上がり。正統派を実感する上品さだが、当の本人は「素材がいいだけ」と屈託ない。


アワビの柔らか煮などがそろう「前菜」。初春らしく、フキノトウの天ぷらも。


「お椀」。この日は白甘鯛とトラフグの白子を白味噌仕立てに。

食事の一例で「すっぽん雑炊」。滋味深さに唸る。希望者は予約時に確認を。料理はすべてコース(16,500円~)より


「人の真似をせず、自分で美味しさを見極めて心を込めれば、お客様も美味しいと言ってくださる。それが最高だから今も仕事が楽しくて仕方ないんだよね」と、無邪気に笑う。

「理想は母が子に作る料理」。そこには愛がある。経歴に驕らず、今も心に真っ直ぐな姿勢が清々しい。

ふたりで過ごしてこれほど温かい気持ちになれる店はない。

■店舗概要
店名:喜想庵 ささ木
住所:新宿区神楽坂3-6 千代田ビル 1F
TEL:03-3268-8580
営業時間:17:30~(L.O.21:00)
定休日:不定休
席数:カウンター5席、個室2(4~10名、2~4名)

喜想庵 ささ木(牛込神楽坂) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

4.店構えとは裏腹な価格設定が、この街の真骨頂
『神楽坂 囲炉裏 肉よろず』

店を構えるのは、神楽坂通りの賑わいから一歩離れた路地。蔵を思わせるような重厚な扉が目印


揺らぐ炎に見惚れるうちに、ふたりの関係は来た時よりも熱くなる


神楽坂の古風な街並みに溶け込むかのように、さりげなく暖簾を掲げる『神楽坂 囲炉裏 肉よろず』。

メイン通りから一歩離れた、隠れ家的な趣に胸をときめかせながら扉を開ければ、囲炉裏の温かな火が心を和ませる。

店内の座席は、いずれも大きな囲炉裏を取り囲むように配置。赤々と熾る炭火を眺めながらいただく“肉尽くし”は、その香りまでもがご馳走に


炉端に腰をかけていただくコース料理には、「純生 牛肉刺し」から「雲丹肉の手巻き」、「リブとろ椀しゃぶ」などの多彩な肉料理がラインナップ。

中でも圧巻は、炭火でじっくりと焼き上げる名物「赤身モモの原始よろず焼き」。

塊のまま焼き上げる「赤身モモの原始よろず焼き」。プラス料金でイチボなど肉のアップグレードも可


炭の遠赤外線効果で外側はこんがり香ばしく、中はしっとりジューシーに焼き上がった肉は香川のオリーブ牛。

脂の口溶けがよく、あっさりとしてコクのあるこのオリーブ牛をメインに、近江牛や米沢牛などを、その時々でアレンジしている。

「純生 牛肉刺し」は、生肉の取扱い認定を受けているからこそ提供できる逸品


こうした希少なブランド和牛を用いながらも、「肉よろずコース」は6,600円とリーズナブル。

それも、母体が精肉店と聞けば納得がいく。

「本日の土鍋ご飯」は“炭焼き牛と温玉”。料理はすべて、「肉よろずコース」より


ジャズの流れる仄暗い店内は、ムード感もたっぷり。

パチパチと弾ける囲炉裏を眺めていれば、気になる相手との距離も自然と近くなりそう。

■店舗概要
店名:神楽坂 囲炉裏 肉よろず
住所:新宿区津久戸町3-20 イサミビル 1F
TEL:03-3528-9750
営業時間:17:00~(L.O.22:00)
定休日:無休
席数:カウンター21席、テーブル12席

神楽坂 囲炉裏 肉よろず(飯田橋) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約



神楽坂デートの真髄を味わうなら「裏路地の先、石畳の奥」が大本命。

日常の和食デートでは経験できない、粋な大人の夜を楽しんで!


▶このほか:イタリア本国から有名シェフが来日!夜景とともに豪華ディナーコースを楽しもう

※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。

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