マライア・キャリーの「All I Want for Christmas is you」が鳴り響くクリスマスイブ、私、希依は青梅市の外れにある築50年の風情あるアパートで冷や奴と柿の種を食べていました。
家賃2万5千円・即入居可・外国人OK保証人不要のアパート。今日も押入れからゴギブリが出て怯えている。
ライターの世界はそう簡単ではない。
大した代表作も出していない私はすぐに落ちぶれて、仕事は全くと...続きを見る言っていいほど入ってこなくなった。
今、起死回生のチャンスで私小説を執筆している。
あれから咲と正介は結婚して子供も二人産まれ、マンションもさらにアップグレードし、新築の億ションに引っ越したらしい。咲のインスタで知った。
ーあの時、想太となんか会っていなければ、今も豪華な広尾の高級マンションで優雅に暮らせたのに…ああ、幸せだったな。あの頃は…
その時、ふっと視界が暗くなった。
サイルのようだ、戦闘機の図面、戦車の大砲の設計図、最先端半導体の回路図、そして、大量の偽造パスポート。。読み耽る希依の後ろからゴム手袋に注射器を持った想太が近づいてくる、、みたいなの想像してたからガッカリだよ!
もみ消しするのではなく。
おったまげた。 希依も想太もキモい。
本当に、希依のこと大っ嫌いだった。自分より咲が選ばれる理由が分からず…って、結局は咲の事もずっと心中で見下してたんだよね。それで自分の都合のいい時だけ相談聞いてもらって。最低過ぎる。
そこを気にするんだ…
何回以上ならダメで、何回以下ならホッとするのかね?笑
咲の被害者の会結成みたいなコンビ
「お前は俺のこと金ヅルとしか思ってなかったんだろ?自称ライターの給料じゃ広尾の高級マンションには住めないしな。俺が買ってあげた服で元カレに会いに行くとか最低だよ気持ち悪い。結局は俺はその想太って奴の代わりだったんだろ。だから簡単に元カレに靡いたんだよなあ?「想太を忘れられない」って咲ちゃんにLINEしたの俺知ってんだぞ?なんでお前だ...続きを見るけ被害者ぶってんだよ気持ち悪ぃ。元カレとキスしたクチで夜俺にキスしてくんじゃねえよ気持ち悪い。吐き気がするわ。踏みとどまったと言ってるけどお前こそ薄汚い最低最悪のゴミ女だよ気持ち悪ぃ」
ぐらい希依に言えるでしょ。
この間違ったサイクルでつまらない小説が量産されてる気がする。
おもしろい小説ほどツッコミどころがないからコメントは増えないんだよね…
コメントの内容も見て人気連載か判断してほしい!
一人になるのは嫌だし、アイツなら断らないだろうと計算したのか?
嫉妬する咲は嫌いだわ。正介と咲の方が上手くいかなくなるんじゃない?コンプレックスの塊の咲のような女は、面倒くさいし、魅力的ではない。早々に嫌気がさすでしょうね。正介は季依を本当には愛してなかったってことだと思う。それだけの男。
季依はと想太は上手くいくと思う。気持ちが分かり合えてるからね。境涯レベルは同じでしょう。
ほんとに好きなの?笑
ちゃんと読みましょうね。
この物語の中で一番可哀想なのは顕彰だね
しかも新しい彼が希依の元旦那。
修羅場だったんだろうな
最後の締めは「ーもう片隅で、凍えないよう Fin.」で。
希依(いいわよっ!私には想太がいるから!)
希依「想太ぁ!私、正介と別れたの」
想太「そうなんだ。希依、新しい人生だね」
希依「えっ?私と付き合うんじゃないの…?」
想太「ごめん、別れた後、また彼女とヨリを戻したんだ。結納も済んだ。結婚...続きを見る式もするよ」
希依 ーそんな…
希依(想太が元カノとヨリを戻したのは事実だけど、私のことをずっと好きだった顕彰なら!)
顕彰「…だから何?咲にフラれた俺なら簡単に落とせるとでも思ったのか?人のこと馬鹿にしすぎだろ?」
希依「あ…や…そういうわけじゃ…」
顕彰「希依のこと好きだったのは昔の話だし、もう今は全く好きじゃないんだ。悪いけどもう連絡してこないでくれる」
希...続きを見る依「あああああどいつもこいつも!ちくしょおおおおおおおぉぉぉ!住む場所も定職もないしどうすればいいのよおおおおぉぉぉ!」
家賃2万5千円・即入居可・外国人OK保証人不要のアパート。今日も押入れからゴギブリが出て怯えている。
ライターの世界はそう簡単ではない。
大した代表作も出していない私はすぐに落ちぶれて、仕事は全くと...続きを見る言っていいほど入ってこなくなった。
今、起死回生のチャンスで私小説を執筆している。
あれから咲と正介は結婚して子供も二人産まれ、マンションもさらにアップグレードし、新築の億ションに引っ越したらしい。咲のインスタで知った。
ーあの時、想太となんか会っていなければ、今も豪華な広尾の高級マンションで優雅に暮らせたのに…ああ、幸せだったな。あの頃は…
その時、ふっと視界が暗くなった。
そういえば電気代を支払っていなかった。かろうじて死守したパソコンの電源も切れてしまい、今まで書いていたものが全部消えてしまった。
「はぁ…」
希依は溜息をつく。
「仕方ない…仕事、行くか…」
立ち上がり、今日も日雇いの仕事に行く。
クリスマスで世間が色めきだっているなか、低賃金の単純作業の日雇いバイトに向かう希依は、自分のあまりの惨めさに涙を流した。
「みんな、みんな私の味...続きを見る方でいてくれて、私を好きでいてくれると思ったのに…」
その傲慢さを恥じつつ、今日も希依は日銭を稼ぐ。せめて、電気代を払って暖房を入れて、
もう片隅で、凍えないよう。
Fin.